takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

大韓航空ボーイング747型機、操縦士のミスで墜落

1997年(平成9年)8月6日、アメリカ合集国、グアム島のニミッツ丘に大韓航空ボーイング747型機、801便が墜落した。

 経過

このボーイング747型機ではアガニア国際空港に着陸する際 キャプテンパイロットの不充分な指示、不正確なアプローチと一等航海士、航空機関士による有効なモニター監視、クロスチェックができていなかったのため3マイル離れた所にあるニミッツ丘に衝突し、乗客・乗員あわせて228人が死亡、23人の乗客及び3人の乗員が重傷を負うという惨事となった。

 原因

キャプテンパイロットの操縦ミスが直接原因ではあるが共に乗りあわせていた一等航海士、航空機関士の着陸時のモニター監視とクロスチェックのミスが影響したと考えられる。この事件の一因として大韓航空が十分にシステム管理をしていない事も考えられている。

 対処

事故発生でまずアンダーソン空軍基地のトリアージ・チームが現場に向かった。またアメリカ海軍と空軍の兵士が、ヘリコプターで事故現場での救出作業に従事した。国防省は可能な緊急手術に備えるため、空軍の医師とC-130輸送機を準備した。

 背景

この失敗発生の要因としてキャプテンの疲労及び大韓航空の不適当な飛行乗組員トレーニングが挙げられる。

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載した。

 

典型的な、操縦ミスとして知られている航空機事故である。ただし、空を飛ぶ乗り物は、人がミスをすることを前提に設計し、また、運航システムもミスがあっても大事故に繋がらないように作られている。とにかく、破局的事故にならなければ良いと考えて防止策を作り上げる必要がある。空を飛ぶものは、落ちるのが普通なのだから、落ちても大事故・死亡事故にならないように対策するべきだと思う。もちろん、現在の技術でそれができるわけではない、それは、分っている。

例えば、国内の自動車事故は件数として減ってはいない。しかし、死亡事故はピーク時(1970年)の約16,000人から、昨年はおよそ4,400人と四分の一近くまで減少している。これは、車の性能アップ、飲酒運転の取り締まり、救急医療の進歩、シートベルトの装着など様々なプラス要素が集まった結果だろう。

飛行機にも当てはめられると思う。現実に日本国内での大型旅客機による死亡事故は、この20年間で一度も発生していない(外国の飛行機は除く)。多数の死者が発生した事故は、1994年(平成6年) 4月26日の、 中華航空 140便 エアバス A300-600Rが、名古屋空港への着陸復航の際に操縦士と機体制御システムが相反したあげく、失速し墜落だけである(この事故では、乗員乗客271人中264人が死亡)。

*1

安全であることは、技術の必要条件である。そもそも、技術とは、危険なものを安全に制御し人と社会に役立てるためにある。

*1:註:この事故の日である4月26日は、1986年にチェルノブイリ原発事故があり、中華航空の事故はこのブログでは取り上げていない。