名作「三四郎」(夏目漱石)を読みました
私は、日本の作家の中では夏目漱石が最も好きです。
その作品の中で、「三四郎」は特に好きな作品です。
今回、考えるところがあって、10年ぶりぐらいで読み返してみました。
繰り返しますが、「三四郎」は漱石の作品の中でも特に優れた作品であると言えます。
今風に言えば青春小説ですが、爽やかな春風を思わせる名作だと思っています。
特に好きな冒頭部分を紹介しましょう。
夜はようよう明けた。顔を洗って膳ぜんに向かった時、女はにこりと笑って、「ゆうべは蚤は出ませんでしたか」と聞いた。三四郎は「ええ、ありがとう、おかげさまで」というようなことをまじめに答えながら、下を向いて、お猪口ちょくの葡萄豆ぶどうまめをしきりに突っつきだした。
勘定かんじょうをして宿を出て、停車場ステーションへ着いた時、女ははじめて関西線で四日市よっかいちの方へ行くのだということを三四郎に話した。三四郎の汽車はまもなく来た。時間のつごうで女は少し待ち合わせることとなった。改札場のきわまで送って来た女は、
「いろいろごやっかいになりまして、……ではごきげんよう」と丁寧にお辞儀をした。三四郎は鞄と傘を片手に持ったまま、あいた手で例の古帽子を取って、ただ一言、
「さよなら」と言った。女はその顔をじっとながめていた、が、やがておちついた調子で、
「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」と言って、にやりと笑った。
三四郎は知らない女に揶揄されます。そして、ベーコンの本を読みながら頭の中はその女のことを考えます。
元来あの女はなんだろう。あんな女が世の中にいるものだろうか。女というものは、ああおちついて平気でいられるものだろうか。無教育なのだろうか、大胆なのだろうか。それとも無邪気なのだろうか。要するにいけるところまでいってみなかったから、見当がつかない。思いきってもう少しいってみるとよかった。けれども恐ろしい。別れぎわにあなたは度胸のないかただと言われた時には、びっくりした。二十三年の弱点が一度に露見したような心持ちであった。親でもああうまく言いあてるものではない。――
23歳の三四郎は、「二十三年の弱点が一度に露見したような心持ち」で読書ができません。本当に見事な導入部分であって、こんな軽快でかつ主人公の性格を上手く描写している小説はあまりないと思います。
私の時代である昭和の大学生でも、このような出会いの僥倖はありえないでしょう。三四郎の時代は、より封建的な明治。このような「行きずりの女」が、学生を誘うようなことは、もっとありえないでしょう。そして、その機会を逃してしまう三四郎。この冒頭は、今の時代に読んでも、ドキドキさせられますが、明治当時では、画期的な内容だったでしょう。三四郎を誘う「行きずりの女」のインパクトは強烈です。この伏線の後に、再度の「行きずりの女」の登場を期待するわけですが、それ以降、登場しません。
「かげろう」のような「行きずりの女」の登場から退場。その過程における三四郎の優柔不断で不器用さは、この後の物語を支配します。恋愛に関する事件は、起こりそうで起こらないというストーリーを象徴する見事な伏線をはった冒頭シーンです。
「かげろう」のような「行きずりの女」から翻弄された後は、里見美禰子(以下、美禰子)が、「左手の岡の上に女が二人立っている。女のすぐ下が池で、池の向こう側が高い崖の木立で、その後ろが派手な赤煉瓦のゴシック風の建築である。そうして落ちかかった日が、すべての向こうから横に光を透してくる。女はこの夕日にむいて立っている」(同書、P31)と、絵画から飛び出すかのようなシーンにて登場します。この時から、三四郎は、名も知らぬ美禰子に恋心を抱くのでした。そして、美禰子に対しても、はっきりとした態度がとれずに、物語の最後をむかえます。
このように、女性に翻弄され、実らぬ恋の行方を追っかける読者にとっては、「三四郎」は、「青春小説」と最初に書きましたが「恋愛小説」と言ってもいいでしょう。
しかし、三四郎と同じような境遇で、その約80年後に東京生活を始めた私にとっては、「恋愛小説」といった狭い枠ではない、一人の九州男子の成長物語としての「青春小説」ととらえた方が、しっくりときます。
なぜならば、友人となる佐々木与次郎には、借金問題で翻弄され、物理学者の野々宮先生とは、美禰子との「仮想三角関係」というような、一人よがりな思い込みの三角関係に悩んでしまう。その妹であるよし子も、美禰子同様に、近代的な女性として、三四郎の前では、奔放に振る舞います。
美禰子との「恋の行方」も気になる「恋愛小説」ともいえますが、それ以上に、佐々木与次郎以下の名脇役たちとの出会いを通じての三四郎の成長物語としての「青春小説」として読みました。
そして、その読み方は、年齢と共変わりました。最初に読んだ大学生の時は、自分と重ね合わせて読み、最近再読した際は、三四郎の武骨ともいうべき不器用さにお節介を焼きたくなるような感情を覚えました。
さて、名脇役の話に戻りますが、広田先生は、世間ずれしている飄々とした英語教師として描かれています。しかし、佐々木与次郎の広田先生担ぎ上げ運動への風刺等、若者社会へ厳しい審美眼を光らせます。飛躍した読み方をすれば、明治時代の行く末に対して、小説家として、目を光らせていた漱石自身のモデルと見なしてもいいでしょう。
このように仮定すると、最後のシーンで三四郎が、「迷羊、迷羊(ストレイシープ、ストレイシープ)と繰り返した」(同書、P312)のも、三四郎もその他の名脇役も、そして、漱石も「青春」に対して、迷っているのです。
私にとっても、「三四郎」は、答えのない「迷える青春小説」なのです。
平成31年度技術士試験『Lock-On:二次試験対策講座』受付開始します
『Lock-On:二次試験対策講座』の受け付けを開始します。
特に始めて受験する方からの受付が多くなっています。
「8月になったら受付を始めます」とお返事していましたので、1日から始めます。
早期のお申し込みには特別プレゼントもありますので、最後までお読み下さい。
先ず、講座のコースを説明します。
そして新たに、
- 専門的学識
- 問題解決
- 評価
- 技術者倫理
- コミュニケーションの各項目
上記5つの能力を試される、必須論文問題が加えられました。また、申込み書も以下のように変更がありえると記載されています。
上記リンクの中に
Q9:業務経歴票の書き方に変更はありますか。
A9:大幅な変更はありませんが、軽微な変更の可能性はあります。決まり次第ホームページに掲載します。
とあります。
『Lock-On:二次試験対策講座』では、この辺りの変更に完全対応します。
1)ステップメール講座Ver2.0⇒ステップメール講座Ver2.5
これは、午前中の論文問題に対応した講座を4回分、他新たな注意点など全部で6回分を追加します。削除するものもあるので、全部で31回(これまでは26回)のステップメール講座です。
これが消費税込みで3,000円となります。
さらに、ステップメール講座を購入してから、『Lock-On:二次試験対策講座』へ移る場合は、講座の受講料から3,000円を割り引きます。ですから、先に購入しても全く無駄になりません。
ただし、申し訳ありませんが、31年度の講座から消費税が掛かります。
2)長期コース:試験前年(平成29年)10月1日から添削スタート。
毎月4回で6月末まで9カ月間36回の添削です。
申込書の業務経歴や業務の詳細は、何度でも添削します。
初回~2回目の受験者向けです。
また、残業が多く一日の学習時間があまりとれない方向けです。
受講料は17万円。過去の受講者さんは16万円。(消費税別)
リアル講座(会場を借りたセミナー・模擬試験)は、各講師がそれぞれ企画します。
なるべくご要望にお応えします。ただし、有料です。
口頭試験講座は、資料・テキスト・動画は無料、その他有料。
初回受講者様:税込み受講料=183,600円
再受講者様:税込み受講料=172,800円
全31回のステップメール講座Ver2.5の他、資料テキストもあります。
3)Aコース:試験年度(平成30年)1月1日から添削スタート。
毎月6回で7月10日まで7カ月間42回の添削です。
申込書の業務経歴や業務の詳細は、何度でも添削します。
初回~2回目の受験者向けです。
受講料は17万円。過去の受講者さんは16万円。(消費税別)
リアル講座(会場を借りたセミナー・模擬試験)は、各講師がそれぞれ企画します。
なるべくご要望にお応えします。ただし、有料です。
口頭試験講座は、資料・テキスト・動画は無料、その他有料。
初回受講者様:税込み受講料=183,600円
再受講者様:税込み受講料=172,800円
全31回のステップメール講座Ver2.5の他、資料テキストもあります。
4)Bコース:試験年度(平成30年)1月1日から添削スタート。
毎月3回で6月30日まで6カ月間18回+2回(期間中いつでもOK)全20回の添削です。
申込書の業務経歴や業務の詳細も何度でも添削します。
数回目の方や総監部門の受験者向けです。
受講料は8万円。過去の受講者さんは7万円。(消費税別)
リアル講座(会場を借りたセミナー・模擬試験)は、各講師がそれぞれ企画します。
なるべくご要望にお応えします。ただし、有料です。
口頭試験講座は、資料・テキスト・動画は無料、その他有料。
初回受講者様:税込み受講料=86,400円
再受講者様:税込み受講料=75,600円
全31回のステップメール講座Ver2.5の他、資料テキストもあります。
5)短期コース:試験年度(平成30年)5月1日から添削スタート。
添削回数は、毎月の制限がありません。5月1日(申し込まれた日)から7月10日まで3カ月間15回の添削です。
申込書は提出が終っていますから、添削ありません。
数回目の方や総監部門の受験者向けです。
受講料は8万円。過去の受講者さんは7万円。(消費税別)
リアル講座(会場を借りたセミナー・模擬試験)は、各講師がそれぞれ企画します。
なるべくご要望にお応えします。ただし、有料です。
口頭試験講座は、資料・テキスト・動画は無料、その他有料。
全31回のステップメール講座Ver2.5の他、資料テキストもあります。
初回受講者様:税込み受講料=86,400円
再受講者様:税込み受講料=75,600円
メールでのお申し込み、お問い合わせは
そして、8月9月中に長期コース、Aコース、Bコースにお申し込みを頂いた方には、初歩の論文対策全6回(9月~11月)の添削コースが別につきます。
論文が苦手な方は、お早めにお申し込み下さい。追加料金などはありません。
これは、あまりお申し込みが多い場合は先着順で締め切ります。
『初歩の論文講座』は、全6回のオリジナル問題で論文の書き方を徹底的にご説明します。
もう一つ、プレゼントがあります。
現在執筆中の試験対策本『技術士試験合格者たちの勉強法』学芸出版刊
を無料プレゼントします。
出版されるのは2018年12月~2019年1月頃ですが、出版され次第送付いたします。
技術士試験の勉強方法や、試験解答のポイントなど分りやすく解説した本です。
ぜひ、活用して下さい。
函館で楽しんでいます
父の七回忌と言う、個人的な用事で21日、22日は函館です。
埼玉と比べて、10度以上の温度差があり、こちらは快適です。
私は、気温30度程度だと気になりません。
埼玉県民で30年近いですから、暑さには鍛えられています。
しかし、35度を超える暑さは、人間に適していると思えません。
函館は、昨日21日の最高気温が25度でした。
今日はお寺に行きますが、予想気温26度です。
これくらいだと、汗もでません。
と言うことで、朝市でイカ刺しとビール三昧です。
これを30分で完食しました。
皆さん、魚は綺麗に食べましょう。
平成31年度技術士試験を説明します-その4
以下は、資料に基づくと言うより、私の推測です。
今回の試験内容変更で、印象的だったのが、
「平成31年度 技術士試験の概要について」と言うPDFでした。
僅か7ページのPDFですが、ここに平成26年3月7日に発表された、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」がそのまま載りました。
これは、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえたものです。
技術士会は、技術士として当然持つべき能力の最低限度をIEAの基準とした訳です。
そこで求められる能力は8つのキーワードで纏められています。
1)専門的学識
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
2)問題解決
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。
3)マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
4)評価
・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
5)コミュニケーション
・業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
6)リーダーシップ
・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
7)技術者倫理
・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代にわたる社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。
8)継続研さん
・業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うこと。
上記8つの能力の中で最後の継続研鑽を除いた7つは筆記試験で求められている能力そのものです。
IEAの基準を最低ラインにして、そこから日本技術士会独自の要素を加えるつもりなのか?
あるいは、最低ラインの「最低」を高めに設定するつもりなのか?
恐らく後者の方になるでしょう。
1)専門的学識、2)問題解決、3)マネジメント、4)評価、5)コミュニケーション
6)リーダーシップ、7)技術者倫理
上記7つの能力を論文に依って書き分けながら表現するのは慣れないと大変だと思います。
これまでは、平成19年の変更時でも、25年の変更時でも「応用能力」ようするに技術的な問題を解決する力が表現されれば良かったのです。
これからは、そうはいかなくなりました。
今まで以上の文章表現能力が求められます。
平成31年度技術士試験を説明します-その3
試験で試される能力
先ずは、技術士会が発表した資料を見ましょう。
上記のようになっています。
順番に行きます。
1)午前中の必須論文(部門共通、全ての科目で同じ問題を解答する)
専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力
4つの能力を試されます。
出題内容は
現代社会が抱えている様々な問題について,「技術部門」全般に関わる基礎的な
エンジニアリング問題としての観点から,多面的に課題を抽出して,その解決
方法を提示し遂行していくための提案を問う。
評価項目は
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,問題解
決,評価,技術者倫理,コミュニケーションの5項目
2)午後の選択科目論文:専門知識に関する問題・解答用紙1枚で解答する
選択した科目の専門知識を試されます。ただし、科目の統合によって範囲が変わっています。また、変更のない科目でも、内容に変化がありますから確認して下さい。
例えば、機械設計は機械設計のままですが、
30年度までは
機械要素、トライボロジー、設計工学、設計情報学その他の機械設計に関する事項
31年度からは
設計工学、機械総合、機械要素、設計情報管理、CAD(コンピュータ支援設計)・CAE(コンピュータ援用工学)、PLM(製品ライフサイクル管理)その他の機械設計に関する事項
と変わっています。全く変化のない科目もあります。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/attached/attach_5698_2.pdf
それぞれ、自分の科目を確認して下さい。
出題内容は
「選択科目」における重要なキーワードや 新技術等に対する専門的知識を問
う。
評価項目は
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,コミュ
ニケーションの2項目
3)午後の選択科目論文:応用能力に関する問題・解答用紙2枚で解答する
出題内容は
「選択科目」に関係する業務に関し,与えられた条件に合わせて,専門知識や
実務経験に基づいて業務遂行手順が説明でき,業務上で留意すべき点や工夫を
要する点等についての認識があるかどうかを問う。
評価項目は
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,マネジ
メント,コミュニケーション,リーダーシップの4項目
4)午後の選択科目論文:問題解決能力及び課題遂行能力に関する問題・解答用紙3枚で解答する
出題内容は
社会的なニーズや技術の進歩に伴う様々な状況において生じているエンジニアリング問題を対象として,「選択科目」に関わる観点から課題の抽出を行い,多様な視点からの分析によって問題解決のための手法を提示して,その遂行方策について提示できるかを問う。
評価項目は
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)のうち,専門的学識,問題解
決,評価,コミュニケーションの4項目
重要なこと
全ての試験で試される能力は「専門的学識」と「コミュニケーション能力」です。
専門的学識は、まあお分かりだと思います。
その科目に対する専門知識です。
では、コミュニケーションとは何でしょう。
自分の考えを論理的に分かり安い文章で伝えることができる能力です。
平成31年度技術士試験を説明します-その2
昨日は、科目の変更・統合についてご説明しました。
今日は試験の内容についてご説明します。
まず、平成25年度から30年度までの試験内容です。
試験科目 |
問題の種類 |
試験方法 |
試験時間 |
配点 |
必須試験 (部門全体) |
技術部門全体に渡る専門知識 |
択一式 20問出題 15問解答 |
1時間30分 |
30点 |
選択科目Ⅱ (選択科目ごと) |
選択科目に関する専門知識及び応用能力 |
記述式3問 600字詰め解答用紙 4枚で解答 |
2時間 |
40点(註1) |
選択科目Ⅲ (選択科目ごと) |
選択科目に関する課題解決能力 |
記述式1問 600字詰め解答用紙 3枚で解答 |
2時間 |
40点(註1) |
註1:それぞれ40点だが合算して80点満点で評価される。
60%以上で合格。
この6年間は、上記の内容でした。
既に、今回の試験で択一が難しかった、8/15しか取れませんでした。などと言った連絡が入っています。とは言え、まだ正解は発表されていません。
勝手に自己判断しないで、発表を待ちましょう。
話を戻します。
この試験内容は31年度から以下のようになります。
試験科目 |
問題の種類 |
試験方法 |
試験時間 |
配点 |
必須試験 (部門全体) |
技術部門全体に渡る専門知識、応用能力、問題解決能力及び、課題遂行能力 |
記述式1問 600字詰め解答用紙 3枚で解答 |
2時間 |
40点 |
選択科目Ⅱ (選択科目ごと) |
選択科目に関する専門知識及び応用能力 |
記述式2問 600字詰め解答用紙 3枚で解答 |
3時間30分 |
30点(註1) |
選択科目Ⅲ (選択科目ごと) |
選択科目に関する問題解決能力及び課題遂行能力 |
記述式1問 600字詰め解答用紙 3枚で解答 |
30点(註1) |
註1:それぞれ30点だが合算して60点満点で評価される。
60%以上で合格。
ご存じだと思いますが、択一試験は論文試験に変わります。
そして、配点が大きくなります。
さらに、午後の試験は休み無しで3時間半、6枚の解答を書き続けなければなりません。
これは、体力の勝負にもなるでしょう。
総合技術監理部門の試験は、同じ時間で5枚の解答ですから、1枚多いのです。
午後は、大雑把に言って、これまでと同じⅡ-1+Ⅱ-2+Ⅲをそれぞれ1問解答です。
これまでは、Ⅱ-1を2問とⅡ-2を1問で2時間でした。
また、休憩時間を置いて、Ⅲを2時間で解答です。
要するに4時間で7枚。
こんどは3時間半で6枚です。
解答の構成を素早く纏められないと最後は時間切れで「そこまで!」となりかねません。
また、Ⅱ-1は1問ですが、出題数は4問ではないかと思います。
科目の統合がありますから、そうしないと範囲が広くて解答できなくなる可能性もあります。4問出題される思います。
明日は、必要とされる能力についてご説明します。
平成31年度技術士試験を説明します
平成30年度の技術士二次試験が終わりました。
上手く解答できた方、あまり上手く解答できなかった方、様々です。
- 択一試験が難しかった
- 1問題意を外しました
- 時間切れで最後まで書き終わりませんでした
- 誤字脱字が多かった
- 思った通りの範囲が出題されました
- 模擬試験のときに注意されたところがそのまま出ました
様々です。
試験の予想云々に関して、種明かしをすると私はたくさん予想するので(模擬問題をたくさん作るので)、どれか当たるのです。今は誰も言わなくなった「ノストラダムスの予言」と同じです。たくさん意味不明の予想を書けば、「これは当たっている」と思う人もいます。
ですから、そこは気にしないで下さい。当然ですが当てようと思って作っているわけではありません。
では、31年度の試験です。
今日から3回に分けてご説明します。
これまでも、「31年度技術士試験が見えてきた」と題して、何度か説明していますが、今回、振り返りを含めて纏めて見ます。
先ずは、一般部門の科目が変更になり一部統合されます。
主要な部門の科目を見てみましょう。
詳しくは以下のURLも見て確認して下さい。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/attached/attach_5698_2.pdf
名前など全く変更のないところでも、詳細部分で変更はあります。
ただし、受験するときにそれが大きく影響することはありません。
一つ大きな注意として、船舶海洋部門の船用機器科目が機械部門に統合されています。
変更無しの部門もあります。
機械部門(10科目が6科目へ)
(30年度まで)
- 機械設計
- 材料力学
- 機械力学・制御
- 動力エネルギー
- 熱工学
- 流体工学
- 加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械
- 交通・物流機械及び建設機械
- ロボット
- 情報・精密機器
(31年度から)
- 機械設計
- 材料強度・信頼性
- 機構ダイナミクス・制御
- 熱・動力エネルギー機器
- 液体機器
- 加工・生産システム・産業機械
電気部門(1科目の名前変更のみ)
(30年度まで)
- 発送配変電
- 電気応用
- 電子応用
- 情報通信
- 電気設備
(31年度から)
- 電力・エネルギーシステム
- 電気応用
- 電子応用
- 情報通信
- 電気設備
化学部門(名前変更と一科目統合)
(30年度まで)
(31年度から)
金属部門(3つの科目を1つに統合)
(30年度まで)
- 鉄鋼生産システム
- 非鉄生産システム
- 金属材料
- 表面技術
- 金属加工
(31年度から )
- 金属材料・生産システム
- 表面技術
- 金属加工
建設部門(変更無し)
全く変わりません
- 土質及び基礎
- 鋼構造及びコンクリート
- 都市及び地方計画
- 河川、砂防及び海岸・海洋
- 港湾及び空港
- 電力土木
- 道路
- 鉄道
- トンネル
- 施工計画、施工設備及び積算
- 建設環境
衛生工学(一部統合)
(30年度まで)
- 大気管理
- 水質管理
- 廃棄物管理
- 空気調和
- 建設環境
(31年度から)
- 水質管理
- 廃棄物・資源循環
- 建築物環境衛生管理
農業部門(一部統合)
(30年度まで)
- 畜産
- 農芸化学
- 農業土木
- 農業及び蚕糸
- 農村地域計画
- 農村環境
- 植物保護
(31年度から)
- 畜産
- 農業・食品
- 農業農村工学
- 農村地域・資源計画
- 植物保護
森林部門(一部統合)
(30年度まで)
- 林業
- 森林土木
- 林産
- 森林環境
(31年度から)
- 林業・林産
- 森林土木
- 森林環境
水産部門(一部統合)
(30年度まで)
- 漁業及び増養殖
- 水産加工
- 水産土木
- 水産水域環境
(31年度から)
- 水産資源及び水域環境
- 水産食品及び流通
- 水産土木
経営工学部門(一部統合)
(30年度まで)
- 生産マネジメント
- サービスマネジメント
- ロジスティクス
- 数理・情報
- 金融工学
(31年度から)
- 生産マネジメント
- サービスマネジメント
情報工学部門(名前の変更のみ)
(30年度まで)
- コンピュータ工学
- ソフトウェア工学
- 情報システム・データ工学
- 情報ネットワーク
(31年度まで)
- コンピュータ工学
- ソフトウェア工学
- 情報システム
- 情報基盤
応用理学(変更無し)
- 物理及び化学
- 地球物理及び地球化学
- 地質
環境部門(変更無し)
総合技術監理部門は、全く変更ありません。
気にしないで良いでしょう。
技術士会が発表している対照表もアップします。
もう一枚有ります。
どちらも、技術士会のサイトからダウンロードしたものです。
必ず確認してください。
4年前の『国土強靱化基本計画』はどこへ行ったのでしょうか?
『国土強靱化基本計画』と言うものがあります。
これが作られたのは平成26年です。
一体、何をやっていたのでしょうか?
平成26年8月には「平成26年8月豪雨」と命名された、大雨がありました。
平成27年9月は北関東・東北豪雨
平成28年8月には北海道・東北の豪雨
平成29年6月に北九州豪雨です。
他に、もちろん地震や噴火があります。
どれも死者や行方不明者が出ている災害です。
やると決めたんだからやりましょうよ。
基本計画には良いことがたくさん書いてあるけど、何もしないのなら小学生の夏休み計画と同じです。
(小学生の皆さん、悪気はありません。宿題はしっかりやって下さい。)
記録的だとか何とか言うけど、雨ぐらいで100人以上の人が亡くなるのは防ぐことができると思います。
インフラ整備しましょうよ!
日本は財政が逼迫しているから、国債の発行は減らすというお話しです。
でも、今回のように100人以上の人が亡くなって、「お金がありませんから諦めて下さい」と言うつもりですか。
ちなみに、素人の私が言うことではありませんが、国債って国内で保有している訳ですよ。
日本政府の借金は日本の金融機関が持っています。
国債だけを拡大します。
これで破綻しますかね?
国債発行すれば良いでしょう。
海外の保持率は6%しかありません。
当たり前ですが、日本は山がちな国土なので土砂災害は多いのです。
国土の70%は山地。
土砂災害は毎年1,000件以上発生しています。
これで何もしないのはどうかしてます。
そもそも、国債の発行残高が増えて誰が困るの?
これまで納得できる説明を聴いたことがありません。
そもそも、国債のデフォルトは財務省が「あり得ないと」言ってます。
以下、財務省のサイトから引用です。
外国格付け会社宛意見書要旨外国格付け会社宛意見書要旨
貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。
貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
(1) 日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
(2) 格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
引用元は以下
だったたインフラぐらい整備しましょうよ!