あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界の』70年代、80年代-17
オーディオは、音源となる音楽の領域から見ればある意味芸術です。しかし、音波、振動、電気、電子、電波を扱うシステムと見れば科学技術の分野に入ります。初心者・初級者の手には余る部分も多いのでジャーナリズムが必要とされました。1990年代後半から2000年代初期のパソコン雑誌と同じです。
以下、私が知る範囲で70年代、80年代(あるいは、それ以前)を飾ったオーディオ雑誌を紹介しましょう。ちなみに、これらの雑誌は、高田馬場、神保町辺りへ行くと今でも手に入ります。私は、見かけると猛烈に欲しくなるので近づかないようにしています。それと、結果として一度も使ったことはないのですが、私はアマチュア無線の3級を持っています。3級と4級の違いは機器の出力の差だけです。30年以上前、10代の頃取得しましたが、一度も交信したことはありません。以下、雑誌はその頃のなごりもあります。
『無線と実験』:後の『MJ無線と実験』:大正13年(1924年)誠文堂新光社から出版されたアマチュア無線とエレクトロニクスの総合雑誌です。おそらく、日本で最初の最古のオーディオ雑誌でしょう。昭和59年(1984年)に前述の『MJ無線と実験』へと改題されました。
『電波科学』:後の 『エレクトロニクスライフ』(1985年)を経て『パソコンライフ』(1996年)、しかし、平成9年(1997年)に休刊。
この2大雑誌が最古参ですが、当時は無線とエレクトロニクスの雑誌と言った方が正確であり、オーディオ雑誌に近づいたのは1960年代に入ってからです。
やはり、ふるいものから順に行きましょう。
書いてある年数は、創刊された年です。
『電波とオーディオ』昭和30年(1955年)
『LP手帖』昭和32年(1957年)後に『ディスク・リポート』、さらに『CDジャーナル』と改題。
『レコード芸術』昭和36年(1961年)
『ステレオ』昭和38年(1963年)・現在も音楽の友社から発売されています。私も時々購入しています。
『FM fan』昭和41年(1966年)
『ステレオサウンド』昭和41年(1966年)
『ステレオ芸術』昭和42年(1967年)
『週刊 FM』昭和46年(1971年)
『テープサウンド』昭和46年(1971年)
『別冊 FM fan』昭和48年(1973年)
『FMレコパル』昭和49年(1974年)
『オーディオ』昭和49年(1974年)
『オーディオ・ピープル』昭和49年(1974年)
『サウンド・メイト』昭和50年(1975年)
『オーディオ・アクセサリー』昭和52年(1977年)
あと、10種類ぐらいありますが、止めておきます。こうしてみると全体にパソコン雑誌より長く続いたようです。しかし、秋葉原がオーディオの街からパソコンの街へ変わって行った1990年代、多くのオーディオ雑誌も廃刊となりました。