takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-3

 何時もですと、オーディオの歴史的な説明からずっと書いていくことになるのですが、今回は少し趣向を変えます。

 アメリカとの戦争に負けてスッテンテンになった日本は、偶然が重なり奇跡的な復興を遂げました。食べることにも困っていた時代は過ぎ、趣味を楽しむことができるようになったのです。昭和30年代になると大人はカメラにこり始めます。さらにその後、オーディオを趣味とする人たちが増えました。秋葉原ラジオ会館は昭和37年(1962年)に完成しています。

 日本の電気メーカは、競ってオーディオブランドを立ち上げ、町の小さな電気屋さんでも店先にシステムコンポを飾って販売していたのです。

覚えている限りのブランド名は以下です。

東芝=オーレックス

三菱=ダイアトーン

松下電器テクニクス

三洋電機=オットー

日立=ローディ

トリオ=ケンウッド

日本コロンビア=デンオン(今はデノン)

パイオニア=エクスクルーシ

赤井電機=アカイ(これは、そのまま?)

この他、社名そのままの会社は、

ソニー

ヤマハ

アキュフェーズ

ラックスマン

ティアック

ビクター

ナカミチ

京セラ

NEC

 最後の2社は意外と思われる方のいるでしょうが、1980年代、オーディオ時代の末期に素晴らしい製品(プリメインアンプ)を発売しています(NECはA-10、後継機のA-10Ⅱです、また、京セラはA-710でした)。正直、名前を書いているだけで懐かしいです。涙が出そうになります。

 また、大手のメーカはどこも都内にショールームがありました、お金がなくて時間はある若者(当時の私も)は、ショールームで名器からでる音を聴いてメーカのエンジニアから説明を聴いて満足していたのです。当時、高級オーディオなんて買えるはずのない若者に対し、メーカの営業態度は非常に親切丁寧でした。ショールームは、販売店ではありません、あくまでも商品の価値を宣伝するところです。メーカは余裕もあったのでしょう。

 一方、秋葉原には、店主がオーディオマニアのお店もありました。ラジオ会館なら「木村無線」、あるいは電車線路下のケーブルショップ「オヤイデ電気商会」の2店は特に有名です。どちらも、現在でも営業しています。コアなマニアだけで成り立っているのでしょう。