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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ハラールとハラーム-2

日常

 もっとも有名な禁忌食物は豚肉です。しかし、実は日本人が思っているほど簡単ではありません。犬や虎などの獲物を捕獲するための牙や爪がある動物、あるいは、ロバ、ラバを食べることも禁止されています。また、それ以外の肉であっても殺し方が正規の手順に従ったものでなければ食べられないのです。このため、ムスリムイスラム教信者)は単純に材料表示だけを見て判断することが出来ません。ですから、ハラールが表示されるわけです。

 例えば、豚肉でダシを取ったスープももちろんダメです。ですから、ポークカレーを作って「しまった、豚肉が入っている、取り除こう」と箸で豚肉を取り除いてムスリムに提供するのは不可です。インドネシアサウジアラビアでその行為を行ったら死刑に処せられます、気を付けましょう。

 

 肉に対しては、全般的にルールが厳しく「トンカツ」を揚げた油で「エビフライ」を揚げたらその「エビフライ」は食べられません。それどころか、食肉を加工して運ぶ際に豚肉と一緒に冷凍車に入れて運ばれたらその肉が何の肉であれ食べられません。こんなことは、食べる際には分かりません。ですから、その食べ物がハラールであることが重要なのです。

 

 加えて、鳥や牛の肉であってもその処理(屠殺)は、ムスリムイスラム教徒)が行ったものではくてはなりません。また屠殺の方法雄も厳密に定められています。その方法とは、鋭利なナイフで「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えながら喉のあたりを横に切断しなければならないと言うものです。流石に、現代では効率も考えて電気で殺す方法も取り入れられています。しかし、上記の理由から、電気ショックによる処理は好ましくないとされており、子羊やヤギ、子牛などの種類によって、電気ショックの電流・電圧、通電時間が細かく規定されています。また、今時はありえないでしょうが、絞殺や撲殺は禁忌です。さらに、なんらかの事故や病気で死亡した家畜の死体を食肉とすることも禁忌です。ただし搬送などの手伝いは異教徒が行っても良いことになっています。

 

 解体処理にも決められたルールがあります。イスラム教では、血を食することも禁忌です。血の滴るステーキなんて絶対に食べてはいけません。そのため完全に血を抜かなければならないのです。牛の頭をキブラの方向に向けて完全に血液が抜けて死んでから解体作業が行われます。また、当然ですが保管する場合も豚肉と一緒ではいけません。ハラールの食事を提供しようとするお店・レストランは豚肉と牛・鳥肉は別々に保管、加工、調理する必要があるのです。

註:キブラ とは、ムスリムが1日5回サラート(礼拝)を行う方向です。現在のイスラム教では、メッカのマスジド・ハラームにあるカアバの方向です。知らないところ行った場合、方向が分からなくなりますが、方位磁石を工夫してキブラの方向を示す「キブラコンパス」と言うものが市販されています。