医療機器は、人体に与える影響度によってクラス分けされています
例えば、X線フィルムは医療機器です。しかし、人の体に直接影響を与えることはないでしょう。また、体温計はどうでしょう。計測誤差が大きく、高熱があるのに測ると平熱だった場合、判断を間違えることはあるかもしれません。とは、言えそれは自分でわかるでしょう。また、そんなに計測誤差の大きい体温計はありません。
では、手術で心臓の隣に入れたペースペーカーが故障したらどうですか?これは命に関わります。
このように、人の体に与える影響を考慮し、医療機器は4つのクラスに分類されています。クラス分類の基本的な考えは以下のようになっています。
- 生体への接触部位
- 生体との接触時間
- 不具合が生じた場合の危険性の大きさ
これを基本的な考えとして、クラスを分類し管理レベルを変更します。何でも厳重に管理することはコストを考えるとムダです。医療費は税金で賄われています、ムダな管理コストを掛けてはいけません。本当に必要なところにお金が届かなくなります。
繰返します、医療機器はクラス分けされて管理します。ですから新たな医療機器を開発製造する場合、その新医療機器がどのクラスに分類されるのか決めなければなりません。分類のクラスは以下のようになっています。
◆クラスⅠ(1195品目/30%)
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクがきわめて低いと考えられるもの。(例:メス、ピンセット)
◆クラスⅡ(1801品目/44%)
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの。(例:血圧計)
◆クラスⅢ(757品目/18%)
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの。(例:人工骨、インプラント)
◆クラスⅣ(345品目/8%)
患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結する恐れがあるもの(例:ステント、心臓ペースメーカ)
以上は、政令によって定められます。
届けを簡単に済ませたいと、クラスⅢの医療機器をクラスⅡで届けて、承認されてしまったとしましょう。向こうにも責任はあるはずですが、あとで分れば回収命令が出されます。また、薬事法違反で罰則が待っています。
この先、少し専門的な話になりますが、なぜ、そうなのかを理解できるようにご説明しましょう。目的は、一つなんです。そうです「国民の健康と命を守ること」です。
続きます。