takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

福島原発事故-12

 ここで、もう一度1~4号機の状況を整理します。

 

1)1号機

使用済み燃料-292本

津波後3時間で炉心損傷開始

津波後24時間で水素爆発

 

2)2号機

使用済み燃料-587本

津波後76時間で炉心損傷開始

水素は換気窓から抜けたため、水素爆発はせず

津波後73時間で格納容器損傷開始

 

3)3号機

使用済み燃料-514本

津波後41時間で炉心損傷開始

津波後67時間で水素爆発

 

4)4号機

使用済み燃料-1,331本

定期点検で原子炉は停止中

津波後87時間で3号機からの漏洩により水素爆発

 

 使用済み燃料は、原子炉建屋の4階部分にある水を張ったプールに並べて入れてあります。建物の高い位置にあったことは地震の影響を考えると拙いのですが、十分な強度は計算されていました。ですから、地震そのもので壊れたりはしていません。

 

 次に各電源の停止状況を見てみましょう、また、ここでは比較のため福島第二原発、宮城の女川原発、茨城の東海第二原発の状況も合わせてご覧下さい。一覧表にできなくて見づらいのですが、ご容赦下さい。

 

1)福島第一・1号機

外部交流電源   :地震で消失

ディーゼル発電機 :津波により消失

バッテリー電源  :津波により全て消失

電源車      :配電盤が津波で全滅、別ケーブル施設に時間を要したため、対応遅延。

外部電源の復旧  :水素爆発までに復旧せず

 

2)福島第一・2号機

外部交流電源   :地震で消失

ディーゼル発電機 :津波により消失

バッテリー電源  :津波により全て消失

電源車      :唯一の電源車を接続しようとしたが、隣の1号機が爆発したため接続できず

外部電源の復旧  :水素爆発までに復旧せず

 

3)福島第一・3号機

外部交流電源   :地震で消失

ディーゼル発電機 :津波により消失

バッテリー電源  :全2機は、使用可能しかし24時間程度で枯渇

電源車      :配電盤が津波で全滅、別ケーブル施設に時間を要したため、対応遅延。

外部電源の復旧  :水素爆発までに復旧せず

 

4)福島第一・4号機

外部交流電源   :地震で消失

ディーゼル発電機 :津波により消失

バッテリー電源  :津波により全て消失

電源車      :配電盤が津波で全滅、別ケーブル施設に時間を要したため、対応遅延。

外部電源の復旧  :水素爆発までに復旧せず

 

5)福島第一・5~6号機

外部交流電源   :地震で消失

ディーゼル発電機 :5台中1台が健全に動きお互いに融通

バッテリー電源  :全4機が健全に使用できた

電源車      :復水ポンプの復旧に使用

外部電源の復旧  :冷温停止までには復旧せず

 

以下は、他の発電所

 

6)福島第二原発・1~4号機

外部交流電源   :4回線中1回線は健全

ディーゼル発電機 :1,2号機は全滅、3号機は3台中2台、4号機は3台中1台が健全

バッテリー電源  :全8機が健全

電源車      :一部は電源車を使用

外部電源の復旧  :当初から1系統は使用できた

 

 

7)宮城女川原発・1~3号機

外部交流電源   :5回線中1回線は健全

ディーゼル発電機 :1,3号機は全て健全、2号機は3台中1台が健全

バッテリー電源  :全6機が健全

電源車      :必要としなかった

外部電源の復旧  :当初から1系統は使用できた

 

 

8)茨城東海第二原発・1~3号機

外部交流電源   :全3回線が全滅

ディーゼル発電機 :3台中2台が健全

バッテリー電源  :全2機が健全

電源車      :必要としなかった

外部電源の復旧  :3月13日19時37分に予備系統が復旧した

 

 ちなみに、茨城の東海第二原発が福島第一の状態になっていたら東京も一部は避難区域になった可能性があります。

 また、上記でお分かり頂けると思いますが、1系統でも活きていれば今回の事態にはならなかったのです。