takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

印中の紛争地帯

アルナーチャル・プラデーシュ州

 

以下は産経新聞の記事ですが

www.sankei.com

アルナーチャル・プラデーシュ州なんて知っている日本人はそんなにいないと思います。

ブータンの右隣にある地方です。

f:id:takumi296:20180109051150p:plain

 

面積は83,700キロ平方メートル、日本の北海道ぐらいです。

人口は109万人ですから、これは北海道の1/4弱。

上の図はグーグルアースのものですが、国名が記されていません。

昔の世界地図では白地だったときもあります。

住んでいる109万人の公用語ヒンディー語と英語です。

ですから、文化の面で言えばインドと言って良いのでしょう。

しかし、中共はだいぶ以前からこの地方を「蔵南」と呼び領土権を主張していました。産経の記事にあるとおりです。

この州が位置する地方がインドの管轄下となり、中国との国境紛争地帯となった発端は、1910年代半ばに開催されたシムラ会議と、この会議で提示されたシムラ協定にさかのぼります。

 

中国共産党の拡大主義

中共は東の海でもそうですが、領土を拡張しようとする目的のためなら非常に積極的です。

この地方の領有権に関しては、水野一晴 『神秘の大地、アルナチャル-アッサム・ヒマラヤの自然とチベット人の社会-』 昭和堂、2012年3月に詳しいので、興味があるかたはぜひ、一読して下さい。購入しなくてもおそらく図書館で借りられます。

商品の詳細

東南アジア諸国の独立に関しては本もたくさんありますが、内陸部の国々に関しては資料もほとんどありません。

チベット、モンゴル、ブータンなどその歴史はあまり知られていません。

特に新疆ウイグル自治区なんて、「新疆(しんきょう)」を読めない人も多いです。

新疆ウイグル自治区の民族構成はウイグル族のほか、漢族、カザフ族、キルギス族、モンゴル族(本来はオイラト族である)などさまざまな民族が居住する多民族地域です。

自治州、自治県など、様々なレベルの民族自治区画が置かれているのですが、支配しているのは中共です。中華民国時代には、1912年から新疆省という行政区分が置かれていました。

また、こちらは綿製も1,600,000平方キロメートル(日本の4倍)と中共の州レベルでは最も大きい地区です。人口は1,900万人。

この地域の内紛はご存知の方も多いでしょう。

でも詳しいことは知りませんよね。

興味がある方にはこの本をお薦めします。(ただし、今はもう古本しか手に入りません)

商品の詳細

中国を追われたウィグル人:水谷尚子(文春新書:2007年)

この本を読むと、領土を広げたいと考えるのはまさに「中国4000年の歴史」なのだと思いました。