今年読んだ本の傑作『亡びゆく言語を話す最後の人々』(この本は良い)
突然ですが本の紹介です。2回に分けて簡単に紹介します。ぜひ、読んで下さい。
昨年(2013年)の4月2日に発行された本、『亡びゆく言語を話す最後の人々』:K.デイヴィット ハリソン著・川島満重子訳-原書房刊を読みました。私が今年読んだ本の中では最高傑作です。今年はまだ、一月ありますから残りで8~10冊は読むでしょうが、これを超える本はなさそうです(読む本は20冊ぐらい順番待ちです)。また、こう言った本を日本人の作者が書くということはないでしょう。「言語」というものに対する作者の深い愛情を感じます。原題は表紙の写真にあるとおり「The Last Speakers」です。日本の長ったらしい題名よりこちらの方が良いと思うのですがみなさんは、どうですか。
ジャレド ダイアモンドさんも、本の帯に推薦の言葉を述べています。私は、昨日の夜読み終えました。原作はナショナル ジオグラフィックから出ています。
例によって目次は以下です。
はじめに
なぜ言語を大事にすべきなのか?
第1章 言語学者になる
第2章 シベリア・コーリング
- 遊牧民とともに
- 単語の発見
- トゥパ語の「行く」
第3章 言葉の力
- 言語はどこに存在するか?
- モンゴルの隠れた人々
- 言葉と思考に関する論議
- すべての病に効く草
- 言語の所有者とは誰なのか
第4章 ホットスポットのあるところ
- オーストラリア 植物の知恵
- 最後の話者?
- ニール・マッケンジーの放浪
- 神との出会い
- 秘密の土地の言葉
第5章 隠れた言語を探して
- 隠れた言語を掘り起こす
- シベリアの沈黙
第6章 言語の六次の隔たり
- すべてはひとりのために、ひとりはみんなのために
- 羽根と腰巻
- 木の精とワニ
- 体を使う数え方
第7章 物語が生き残るためには?
- 文字以前の世界
- 虹の蛇と最後のささやき
- 記憶という神秘
- 女性の英雄とシベリアの吟遊詩人
- 創世神話の別バージョン
- 世界の物語地図
第8章 歌が生まれるとき
- 群れを連れ帰る歌
- 遊牧民とラクダの歌
- シャーマンの力
第9章 世界が衰退に向かうとき
- 風景のなかの迷走
- 両方の世界に足を
第10章 言語を救うために
謝辞
訳者あとがき
用語解説
明日に続きます。