takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

51年前のアメリカン航空1便墜落事故

1962年(昭和37年)3月1日に、ニューヨークで発生した航空事故である。

アメリカン航空1便はアメリカ大陸横断便としてニューヨークからロサンジェルスに向かうため、アイドルワイルド空港(現在のジョン・F・ケネディ国際空港)の滑走路33Lを午前10時6分に離陸した。1便はボーイング707-123B(機体記号:N7506A)で運航されていた。

だが、1便は左旋回しながら上昇していた時に水平飛行が出来なくなり、そのまま左に傾きながら横転した状態になった。そのため1便は離陸してから2分後に、およそ1500フィートの高度からニューヨーク東側にあるジャマイカ湾に時速370kmで激突し、機体は海底の泥の中に埋没した。この事故で搭乗者95名全員が犠牲になった。

事故当日のニューヨークの天候は大変良好であり、機体になんらかのトラブルが発生したのが事故原因であるとみられていたが、高速で衝突した機体の損傷は激しく、調査は困難を極めた。

その後アメリカ民間航空委員会の事故調査官がラダーの制御システムに深刻な異常があったことを突き止めた。ラダーサーボ機構を制御する発電機の内部のケーブルが切断していたのだ。そして、この電線の損傷は、製造ラインにある同型機においても発見された。製造ラインを詳細に調査すると、ケーブルを結束する作業工程で用いていたピンセットの使い方が不適切であったことがわかった。

つまり、アイドルワイルド空港を離陸直後に機体が制御を失いジャマイカ湾に墜落したのは、製造時に損傷を受けたケーブルが、それまでに受けた振動などによりついに断線し、その結果航空機のラダーが誤作動したためであった。ただし、同年7月初め、アメリカ連邦航空局は誤って装着されていた規格外のコッターピン(割りピン)とボルトが欠落し、ラダーを不作動にしたという見解を述べている。

 

/////ここまでは、ウィキペディアから省略・加筆して転載した。

 

まだ、商用航空便の運用が始まって間もない頃の事故である。

製造ラインでのミスが墜落事故に繋がると言うのは、今では考えられないことだと思う。実は、個人的興味からこの事故の詳細を調べている。だが、残念ながら、ネット上にはこれ以上詳しい情報が見つからない。

何故、調べているのか?私は、どうして製造時のミスを突き止められたのかを知りたい。同型機でも、ケーブルの切断が見つかったということだが、何をどう調べてそこにたどり着いたのかを知りたい。

ある事故から、その原因にたどり着くのは本当に大変な作業であることが多い。勿論、簡単に分かる場合もあるが、大抵はそう簡単に分からないものである。激しく損傷した機体のケーブルから製造ラインのミスを発見できたのが偶然でなかったとすれば素晴らしい洞察力だと思う。