生誕100年 福田恆存資料展
1月14日 は書くべき事故・災害が発生していない。本当は、発生していないと言うよりも探しきれなかったというべきだろう。世界中で何にも発生していないと言うことはあり得ないはずだ。しかし、ネットで色々調べてみても無いのだから14日付けで書くべき事象はないとしか言いようがない。そこで、12日の総監試験が終わってから見に行った神奈川近代文学館で開催中の「福田恆存資料展」について書いておきたい。渋谷のフォーラムエイトでの試験は、11時30分から12時までだったから12時15分発の東横線で元町へ向かった。途中で昼食を取ったが、文学館には、13時30分頃に到着した。
以下の通り、2月24日まで開催されているから、興味のあるかたは是非ご覧になって頂きたい。交通費を別にすれば大人一人250円で閲覧できる。
「港の見える丘公園」にあるから、天気の良い日なら散歩も兼ねて散策ができると思う。
/////////以下は、神奈川近代文学館の資料展紹介記事////////// 1946年から終生大磯に住み、神奈川とのゆかりも深い福田恆存(ふくだ・つねあり 1912~1994 評論家・劇作家)は、 保守派を代表する論客として活躍し、戦後の日本文化の根幹に関わる諸問題に、明晰な論理で一貫した問いかけを行いました。 劇作においても、逆説と機知で現代を諷刺する知的な作品を発表しています。 さらに演出、劇団運営にも携わり、英米文学の翻訳、特にシェイクスピアの翻訳や演出にも力を注ぎました。 物事の本質に迫る福田の文章は今も色あせず、多くの読者の支持を得ています。 本展は次男の福田逸氏から受贈した原稿等を中心に約100点の資料を選び、その業績を紹介するものです。 |
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//////////ここまでが、神奈川近代文学館の資料展紹介記事//////////
ここからは、故福田恆存先生流に書く。
私が、福田先生と出會つたのは、學生時代の圖書館である。新潮社刊・世界文學全集のヘミングウェイ作「老人と海」が最初だつた。その後、同じ新潮社の「シェイクスピア全集」やイプセン「ヘッダ・カーブラー」などを讀んだ。あの頃は、評論家・論客としての福田先生のことを知らずに讀んでゐたが、文體と言ふか文章が好きになつて讀んでゐた。また、私は、理系の學生だったが、芝居と文學が好きであの頃讀んでゐた本は、ほとんど文學の本だつた。と言ふか、それ以外の本を讀んだ記憶が無い。今、映畫館で公開されてゐる「レ・ミゼラブル」(ユーゴー)もその頃夢中で讀んだ、しかし、これは福田先生とは關係ない。
福田先生に初めてお目にかかれたのは、文藝春秋社から「福田恆存全集」が刊行される少し前、昭和の終はり頃だつた。今は、なくなつてしまつたが、都營地下鐵三田線の「千石驛」近くにあつた「三百人劇場」でのことである。餘りの緊張で、初囘は何を話したのか覺へてゐない。ただ、全部で4囘、お話しして頂いたことだけは良く覺へてゐる。ただの芝居好きだつた20代前半の若造に、氣を使つて氣さくに話して下さつた。素人の私が、福田文學を評價を出來る譯はないが、人間的に素晴らしい方だつたことは言へるし、言つて良いと思ふ。
現在の私があるのは、半分以上、否、7割以上福田先生の御陰である。考へ方の基本は、福田先生に教へて頂いた。本で學んだと言ふよりも、教へて頂いた。考へ方の基本となる部分に理系も文系もない。現實に、製造業で働く私が仕事の上で、教へて頂いた考へ方を基にして使つてゐる。また、「人生」と言ふ、この譯の分からないものに接する態度も教へて頂いたと思つてゐる。
福田先生の著作は、現在でも麗澤大學から出版されてゐるため入手可能である。圖書館にもあるだらう。是非、若い方には、讀んで欲しい。