takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

科学技術

技術者倫理、入門前-2

全体の流れ(予定) 最初に、なぜ技術者は倫理的に行動しなければならないのかを説明します。その重要性が理解されないとその先に興味を持って頂くことができないからです。ですから、最初に技術者倫理の重要性を「しつこく」ご説明します。 次に、技術者の…

技術者倫理、入門前

まえがき(ブログに前書きは変ですが、将来1冊の本にしたいと思っていますので、このテーマも事故・災害の間を縫って暫く続くと思います) 「技術者倫理」と言う言葉があります。何となく分っているようで実は良く分っていない言葉です。 「技術者倫理」と言…

鍛冶屋の親分と熟練の旋盤工

ちきりんさんが、面白いことを書いている。と言っても、彼女または、彼のブログは何時も面白いが、今回は私にも関係があることなので触れておきたい(ちきりんさんの性別が分らないので彼女または彼と書いた、どこかに性別が分る記述があるのなら、ごめんな…

危険予知活動

少し前に、「KY」と言う言葉が流行ったことがある。「空気を読め」と言う意味だったらしい。しかし、生産現場ではずいぶん前から「KY活動」あるいは、「KYトレーニング」と称して危険予知活動という一種の教育活動を行っている。簡単に言えば、何かの…

理系の人達を分類する

理工系の学校出身者でも、事務系の仕事に就く人もいる、またその逆に、文学部出身の機械設計技師もいる。私の知り合いは、電気工学部出身だが、学生時代から英語が得意で翻訳のアルバイトをしていた。その彼は、現在も翻訳家として食べている、ただし理工書…

何度も書くけど、核融合は当面開発中止した方が良い

以下は、3年前の日経サイエンスの記事(2010年6月号)、実際に3年経っても音沙汰無し。 星を輝かせている核融合を地上で緩やかに起こしてクリーンで安全かつ実質的に無尽蔵なエネルギー源にする──この長年にわたる夢の研究が近く歴史的な節目を迎えるが,実…

ボツリオコッカス・ブラウニーとオーランチオキトリウム

バイオ燃料を合成できる、藻類の名前である。ただし、その合成原理は異なる。 1. 先ず、ボツリオコッカス・ブラウニー(学名:Botryococcus braunii )だが、これは、光合成によって炭化水素(石油の類)を精製することで注目される緑藻の1種。生物学的には…

ポリプロピレン製造装置において漏洩した、へプタンの火災と昨日に続き「摂氏温度」

1989年(平成元年)7月26日、千葉県 市原市の化学工場で、ポリプロピレン製造装置の溶剤回収工程溶剤スクラバーで火災が起こった。 溶剤スクラバーのローカルタイプの塔底流量計が詰まり気味のため工事を行うことになった。工事着工前の確認作業として、流量…

温度の単位、最初に決まったのは「華氏」

科学の世界で温度を表記する場合は、七つのSI基本単位の一つ、絶対温度、K(ケルビン)を使用する。しかし、一般の人が生活する中で気温とか、体温、お風呂の温度等を言う場合、日本では摂氏◇ 度と表記している(あるいは、「◇ ℃」)。逆に、アメリカや西…

風力で新幹線は動かない、風力発電の難しさ

発電用風車の出力はどのくらいかになっているか、風力発電用風車1基の定格出力は、2010年現在、日本最大のものでも3,000キロワットである。風力発電の出力は、風車の大きさの2乗に比例する。風車の直径が2倍になれば出力は4倍、直径3倍なら出力は9倍である…

夢と終わった高速増殖炉、文殊の知恵は出なかった

天然ウランの中には、核分裂しやすいウラン235はわずか0.7%しか含まれていない。現在、国内で使用されている軽水炉では、この0.7%しか存在しないウラン235だけが燃料として使用されている。しかし、資源の量から見たらそのままでは使用できないウラン238は…

電力の周波数

交流の電気が1秒間に同じ変化を繰り返す回数を周波数という。日本の電力会社は北海道電力から沖縄電力まで10社ある。しかし、静岡県の富士川を境に、東日本側が50Hz、西日本側が60Hzの周波数で電力を供給している。 ひとつの国で周波数が2つあることは世界で…

消費電力の不思議

電気事業連合会のサイトには、電力に関する様々なデータが掲載されている。その中に、電源別発電電気量の実績というデータがる。グラフには、1980年から5年毎にまとめられた日本全国の電気消費量(総計)とその電気がどんな発電方式で生み出されたのかが比較…

核融合の難しさ

7月15日は、特に何にもないようなので再び核融合について触れる。 少し迂回した話になるが、まだ、国鉄と呼ばれていた時代から開発している(1974年から)JR東海のリニア中央新幹線は14年後の平成39年(2027年)に東京-名古屋間が開通し営業運転を開始するら…

原子力の矛盾

重いタイトルをつけて書き出したが、1時間以上書いては消している。 現在分っていること。 化石燃料は、シェールガスの開発もあって後500年以上は保つ(石炭だけでも、500年は保つと思う)。 石炭は、フィッシャー・トロプッシュ法で石油のように液化して使…

地上の太陽(核融合)は、今世紀中に実現できないと思う

昨日は、再生エネルギーに関して悲観的なことを書いた、ただし、あくまで数十年から今世紀中ぐらいの話である。100年以上先の技術は見当もつかない、どんなイノベーションが起きるのか楽しみだし、ワクワクもするが22世紀に私が生きていることはないから結果…

エネルギーに関するあれこれ・2

電気の設備容量と発電電気量 例えば、日本国内の水力発電設備は、1970年(昭和45年)時点で2,000万Kw、2009年(平成21年)時点では、4,811万Kwまで増加し、現在も微量ながら増えている。もちろん、この設備には揚水発電も含まれるから、年間の発電電気量はそ…

エネルギーに関するあれこれ・1

2012年版のエネルギー白書から拾い読み。 第2部第1章第3節-一次エネルギーの動向 日本で購入している原油の8割方は、中東のものである。 その原油の輸入価格を白書から拾って見ると面白いことが見えてくる。 以下は、2012年版の白書にリンクされている、エ…

エネルギー単位の整理をしよう・2

昨日、少し書いてみて1回や2回で終わらないことが分ったので、事故があった日は除いて暫くの間エネルギー単位の整理を続けると思う。 伝えたい内容を書き終えた後で総括する方がお分かり頂けると思うから、最後にまとめを書くことにしたい。 今回は、様々な…

エネルギー単位の整理をしよう・1

エネルギーの単位は色々あって分かり難い。石油や石炭、天然ガスの輸入量・消費量でもキロリットル、キロトン、バレルがあり、さらに、「このエネルギーは原油に換算すると〇万トンです」などと言うものもある。 H23年(落ちた)・H24年(受かった)と技術士…

原子力発電あれこれ・「原子の力」と言うけれど

ここで、原子力の利用についてもう少し考えておきたい。 今回参考にしたのは、「原子力百科事典-ATOMICA」というサイト。大変便利で詳しく掲載されているので、原子力発電や核エネルギーに興味がある方は、ぜひご覧頂きたい。 ウランの核分裂反応で放出され…

トリウム溶融塩型原子炉が普及しない理由

次世代原子炉として海外では注目されている「トリウム溶融塩型原子炉」だが、問題点もある。ネットでは配管の腐食問題が指摘されているが、これは1950~60年代にアメリカの実験炉で使用されたように、インコネルやハステロイの合金で解決できると思う。50年…

中国は次世代原子炉の開発に着手

6月21日は、特に事故・災害が発生していない。そのため、日経新聞の記事から次世代原子炉の話しを紹介する。以下は、6月19日の記事。 中国、次世代原子炉の開発急ぐ 「トリウム」に脚光 編集委員 安藤淳 エネルギー需要が増大する中国で、次世代原子炉を開発…

やはり、熱を吸収しているのは「海」のようだ

忘れてていたが(見落としとも言える)、1972年(昭和47)6月14日には、日本航空ニューデリー墜落事故が発生していた。この事故は日本航空の自主運行開始後、最初の旅客の死亡事故だった。 日本航空の471便(DC-8-53型)がニューデリーのパーラム国際空港(現…

日本は2013年の太陽光発電導入量が世界一らしい、でも、だから何に?

気候変動のことを書く予定だったが、昨日、面白いニュース記事を発見したのでそのことについて考えてみたい。 以下の記事は、他の新聞でもいくつか見受けられたから、ご覧になった方も多いと思う。日本は2013年の太陽光発電導入量が世界一になったという記事…

地球気候変動のメカニズム・1

6月11日は、特に書くべき事故・災害は見当たらない、そこで、今回は地球温暖化について少し書いておきたい(何回かに分けて)。この問題も技術士試験に良く出るので受験される方は参考にして欲しい。ただし、答案論文で「温暖化は間違いだ」と書くのは止めた…

再生可能エネルギーを考える・3

一応、今回でこのテーマは終了する。 また、データの出典を書き忘れていたので、纏めて書く。 東京電力のサイト 電力中央研究所のサイト 中高生のためのエネルギー情報ポータルサイト 電気事業連合会のサイト 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の…

再生可能エネルギーを考える・2

昨日に続いて再生可能エネルギーについての個人的見解を述べる。 再生可能エネルギーの殆どは、太陽エネルギーに由来する。太陽光、太陽熱発電は無論のこと、風力も元を質せば太陽エネルギーと言って良い。また、水力も揚力発電は別だが、水を大気中に蒸発さ…

再生可能エネルギーを考える・1

3・11以降、再生可能エネルギーという言葉を聞かない日はなくなった。技術士の試験問題にも部門を問わず出題されている。個人的には、原子力を安全に運転すればよいと思っているが、世の中がそれを許さないらしい。 6月7日~9日の3日間は特に書くべき事故・…