takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

2013-01-01から1年間の記事一覧

技術者倫理、入門前-3

最初に参考文献をまとめます。本の内容は、出版社のデータを元にして書きました。どれも良い本ですし、技術者倫理について何かを書くためには読む必要がある本です。科学技術に関心・関係のない方には面白くない本かもしれませんが、中には、そんな方にも面…

技術者倫理、入門前-2

全体の流れ(予定) 最初に、なぜ技術者は倫理的に行動しなければならないのかを説明します。その重要性が理解されないとその先に興味を持って頂くことができないからです。ですから、最初に技術者倫理の重要性を「しつこく」ご説明します。 次に、技術者の…

技術者倫理、入門前

まえがき(ブログに前書きは変ですが、将来1冊の本にしたいと思っていますので、このテーマも事故・災害の間を縫って暫く続くと思います) 「技術者倫理」と言う言葉があります。何となく分っているようで実は良く分っていない言葉です。 「技術者倫理」と言…

平塚市のスーパーでエスカレータの手すりに挟まれ小学生が重体に

2007年10月16日、神奈川県平塚市のにあるーパーマーケットのエスカレータで学校3年生の男児がスロープ式エスカレータで手すりとアクリル樹脂製の固定保護板との間に頭を挟まれ一時意識不明の重体となった。手すりから身を乗り出したことが事故のきっかけであ…

国内初の臨界事故は、杜撰な工程管理が生んだ

1999年(平成11年)9月30日、茨城県東海村にある核燃料加工施設で国内初となる核物質による臨界事故が発生しました。 事象 事故はJCO東海工場で、同工場では通常ウラン235濃度3~5%の低濃縮ウラン燃料を製造しているが、年に何回か高速増殖実験炉「常陽」で…

1959年の今日、伊勢湾台風来襲

1959年(昭和34年)9月26日日午後6時過ぎ、伊勢湾台風(昭和34年台風第15号)は潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心とし、ほぼ全国にわたって甚大な被害を及ぼした台風です。 1-伊勢湾台風の進路 1959年(昭和34年)9月20日にエニウェトク島付近で 1…

メートル法とポンド・ヤード法の勘違い、火星探査計画は水の泡

1999年(平成11年)9月23日、火星探査機マーズ・クライメート・オービターは、約6.6億kmを9ヶ月かけて飛行した後、火星の軌道インパクトで炎上した。コロラドのR社のエンジニアはデータをポンド単位で送信していた。しかしデータを受け取ったパサディナのA…

ドイツ、リニアモーターカー実験線での衝突事故、死傷者は33名

2006年(平成18年)9月22日、ドイツ北西部、ラーテン(Lathen)で、リニアモーターカーの実験線で29名を乗せた車両が、軌道上にいた保守車両と衝突し、23名の死者と10名の負傷者を出した。運行管制センターの運行オペレータが、軌道上の異物を確認する保守車…

フランスの化学肥料工場で肥料の原料が爆発、29名が犠牲に

2001年(平成13年)9月21日、フランス南西部、トゥールーズ市のグラン・パロイーズ・AZF化学肥料工場で大きな爆発があり、29名が死亡、2000人以上が負傷した。爆発の原因は、工場に保存されていた硝酸アンモニウムの可能性が疑われている。 経過 爆発が起こ…

中部電力浜岡発電所で原子炉圧力容器底部にひび割れ

ご注意、最近の話ではありません。 1988年(昭和53年)9月17日、静岡県小笠郡浜岡町佐倉にある、中部電力株式会社浜岡原子力発電所1号機で、原子炉圧力容器底部に軸方向に長さ約13 mmのき裂があり、取付け溶接部より下方で、ハウジングを貫通していた。き裂…

タグボートの衝突により、クイーンイザベラ大橋が落橋し8名が犠牲に

2001年(平成13年)9月15日、アメリカのテキサス州イザベル港、南パドレ島にある、クイーンイザベラ大橋(南パドレ島とテキサス州イザベル港をつなぐ大橋)の一部が崩壊した。 事例概要 タグボートと曳航されていた四隻の荷船がクイーンイザベラ大橋の支柱に…

9月11日、今日で12年だがあの光景は忘れられない-2

日にちが異なるのですが、長くなったので2日に分けました。昨日と今日の記事は、日経サイエンスや「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」(リチャード ムラー)を参考にしています。 前述したように、ガソリンには、TNT火薬以上のエネルギーが…

9月11日、今日で12年だがあの光景は忘れられない

アメリカで発生した同時多発テロは、事故や自然災害などではなく米国本土で起きた戦争です。しかし、あの悲惨な事件を技術的な測面から見ることは可能です。そこで、今回はあえてテロ事件を取上げ、飛行機の衝突による高層ビルの崩壊を考えてみたいと思いま…

1,400キロを駆け抜けた会社員さん

1,400キロを11日間で歩いた25歳の男性の話は、ネット上では有名な話だったようです。会社では半分以上の人が知っていました。ですが、大抵の人は「あれは、嘘でしょう」と言う感じでした。まあ、正直言って北九州でのゲーム大会に参加するため飛行機で仙台か…

故植村直己を凌ぐ、福岡~仙台間の1,400キロを11日で縦断

時事問題には、触れないのですが余りに驚いたので取上げます。 記事は、2013年9月6日の読売新聞です。 8月末に福岡市で行方不明になっていた仙台市太白区、男性会社員(25)が5日、徒歩などで帰宅した。 福岡市からは約1400キロ。11日かけて戻って…

ブリヂストン栃木工場内のタイヤ製造工場の大火災

2003年(平成15年)9月8日、栃木県黒磯市にあるブリヂストン栃木工場内の精錬棟で火災が発生した。消防車、ヘリコプター、無人放水ロボットなどが出動し消火活動を行ったが、46時間半にわたって燃え続け、半径1キロ以内の住民5000人以上が避難した。 経過 20…

『残念な人の仕事の中身』・3回目

この本は、一番最初のエピソードから私を驚かせてくれました(文体を変えます)。 第一章は、「なぜ採用されたか」知ってますか?-自分が見えないという問題(サブタイトル)となっていて、24頁から66頁まで全部で42頁あります。 第一章の42頁は、さらに以…

『残念な人の仕事の中身』・2回目

昨日は、幕張メッセの「JASIS-2013」(旧分析機器展)に行った。埼玉の奥部から千葉の幕張は遠いが、仕事なので仕方が無い。測定機、分析機は何でもあれば便利、無ければ無いで何とかなる。私の勤務先は、小さな会社だから自分のところで測定できなければ工…

『残念な人の仕事の中身』-ロバート W ゴールドファーブ著

『残念な人の仕事の中身』は、ロバート W ゴールドファーブ著、川村透訳、大和書房刊で、私が持っているのは、2011年10月25日・第4刷の本。 ちなみに、原題は「what's stopping me from getting ahead?」。 日本人とアメリカ人では、考え方も仕事に対する態…

鍛冶屋の親分と熟練の旋盤工

ちきりんさんが、面白いことを書いている。と言っても、彼女または、彼のブログは何時も面白いが、今回は私にも関係があることなので触れておきたい(ちきりんさんの性別が分らないので彼女または彼と書いた、どこかに性別が分る記述があるのなら、ごめんな…

浄瑠璃作家・鷲見房子

隙間時間を使って書いていたが、何とか書き終えた。今回は文学のお話し。 鷲見房子さんと言っても今では、知る人もあまりいないと思う。インターネットで調べたが、お亡くなりになった年を調べられなかった。100歳近いご年齢で10年くらい前に亡くなられたは…

危険予知活動

少し前に、「KY」と言う言葉が流行ったことがある。「空気を読め」と言う意味だったらしい。しかし、生産現場ではずいぶん前から「KY活動」あるいは、「KYトレーニング」と称して危険予知活動という一種の教育活動を行っている。簡単に言えば、何かの…

事故・災害多発の日-原子力船「むつ」の放射線漏れ

9月1日は、東京都民なら防災の日である。90年前の今日、1923年(大正12年)9月1日、午前11時58分、神奈川県相模湾北西沖80kmを震源として発生したマグニチュード7.9の地震が発生した。 最近の調査では、190万人が被災、10万5千人余が死亡あるいは行方不明に…

理系の人達を分類する

理工系の学校出身者でも、事務系の仕事に就く人もいる、またその逆に、文学部出身の機械設計技師もいる。私の知り合いは、電気工学部出身だが、学生時代から英語が得意で翻訳のアルバイトをしていた。その彼は、現在も翻訳家として食べている、ただし理工書…

身近な転落事故

私が管理している工場には、40名弱の従業員がいる。その中の1人が、先日、日曜日の夜に階段から転落し腰椎を骨折した。年齢は、私よりも少し上で50代半ば。手術は無事に終ったが、まだ自分で呼吸ができないほどの重傷である。後遺症も残るということなので…

106年前、世界最長の橋になるはずだった「ケベック橋」は建設中に崩壊

1907年8月29日、カナダのカナダのケベック市に建設中であったケベック橋が、長さの延長における圧力増加により崩壊し、建設作業に当たっていた作業員75人が死亡した。 事象 カナダのケベック市から数マイルの場所に建設中であったケベック橋の1部が崩壊し、…

函館と北海道について考える-14(一応最終回)

約2週間に渡って北海道と函館の紹介してきました。勿論、簡単に表面をなぞっただけです。もっと色々詳しく調べて書いた方が良かったのかもしれませんが、そこまではできませんでした。残念ながら、故郷の宣伝するほどの力にはなれませんでしたが函館を全く知…

函館と北海道について考える-13

13-西洋料理 この「西洋料理」と言う言葉自体、今ではあまり使われていないような気がする。世界三大料理と言えば「フランス料理、中華料理、トルコ料理」だが、いずれにしても調理のジャンルは個別の国名や地方の名前で呼ばれるのが普通になっている。西洋…

函館と北海道について考える-12

12-高田屋嘉兵衞(たかだや かへえ) 格好のいい侍のようですが土方歳三ではないことはすぐにおわかりでしょう。高田屋嘉兵衞は、江戸時代後期の商人です。彼は、「蝦夷地常雇船頭」を任じられ、苗字帯刀を許されていました。 高田屋嘉兵衛[明和6年1月1日(…

函館と北海道について考える-11

11-函館西部地区 金森倉庫群は函館西部地区末広町の港湾沿いに立ち並び、観光スポットとなっています(8回目でも紹介しています)。今回は、この倉庫の生い立ちにまつわるお話を紹介します。 この周辺は幕末の頃、函館市地蔵町築島(明治以降は船場町と改称…