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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-14

科学技術

 オーディオの話は、まだまだ続きます。書きたいことが山のようにあるからです。

 私の仲間が集まると必ず話題になるのが、「最も再生の難しい音源は何か」ということでした。正解はありません、しかし、仲間内では「人間の声」と言うのが一つの答えになっていました。言い換えると、人の声(歌でも台詞でも)を再生して、人間の耳を欺くのは容易ではないと言うのが大方の結論でした。

 目隠しした被験者「A」に、テープに録音した「B」の声を再生して聞かせます。次に、「B」の声を生で聞かせます。これは、100%間違いなくどちらが再生音なのか判断できます。(スイッチの音やノイズは聞えないようにしてテストしています)

 壁や天井のシミ、あるいは雲を見ていると、人の顔が浮かんで来ることがあります。人間は生まれてからずっと人の顔を認識して生活しているため、脳が「顔のパターン」を見つけるようにできているからです。その能力がないと「顔文字」なんて考えられません。「(^_^)」これを見て、人が微笑んでいると認識できるのは、まさに脳の認識力によります。加えて、当たり前かもしれませんが、私たちは人の声を聞き慣れています。嫌でも毎日聞かされます。人間の声らしき音を聴くと「人間の声」と認識して、どこかに誰かがいると用心します。次に何を言っているのかと意識します。

 また、そのため、生の人間の顔や声に対する真偽判定も厳しくできるようになっています。写真を見て本物の顔と思う人はいません、また、立体であっても人形やロボットはすぐに見分けられます(今の所は)。

 声に関しても同じです。ドアや壁越しに聴いても「何か違う」と分ってしまうのです。これが、ハーモニカ、リコーダ、トライアングル等、室内で簡単に奏でられる楽器を使って再生音と生の音を比較すると、そう簡単に判定できないのです。人間の声なら100%判別できるのに、上記の楽器では判定できない。これは、やはり私たちが人間の声に対して感度が良いからだと思います(厳密に科学的な実験を行った訳ではありません、学生時代の遊び半分の実験です)。

 私にとって良い再生装置とは、何も足さない、何も引かない再生装置です。ですから、人間の声を本物と同じように再生する装置でなければなりません。あるいみ人間の脳を上手く騙すことができる装置が良い再生装置なのです。

私にとっては、これが解答です。