ホッジス隕石・間違いなく人に当たった記録が残る宇宙からの落下物
ホッジス隕石
1954年11月30日正午過ぎ、アラバマ州タラディーガ郡シラコーガの近傍のオークグローブにあるホッジス家の屋根を突き抜け、室内の木製のラジオを破壊したうえ、昼寝をしていたアン エリザベス ホッジス夫人(当時34歳)に当るという珍しい事故がありました。ホッジス夫人は左尻と左腕にひどい打撲を負いましたが、歩くことはできたようです。
このニュースは当時世界的なニュースになりました。
アメリカ空軍が隕石を回収したのですが、夫のユージン ホッジス氏は弁護士を雇い、返還を要求しました。さらに、この家は借家だったのですが、その家主も、家の修理費用のために所有権を主張しました。その後、1年以上たってホッジス夫妻に隕石が返還された時には世間の関心も薄れ、高く買おうとする人間は現れなかったようです。
そのため、隕石で怪我をした当人のアン ホッジスは世間の注目や隕石の所有権の争いが不快になり、1956年に隕石をアラバマ自然史博物館に寄付し、現在はアラバマ大学に展示されています。
ホッジス隕石自体は、H4型のコンドライトで質量は3.86 kgあります。
隕石が人に当たったと言う話は他にもあるのですが、科学的に間違いないとされているのは、このホッジス隕石だけです。それにしても4キロ弱の重さの石ですから天井の高さから落ちて当たっても相当痛いでしょう。こんな事故は、避けようがありませんが、70億の人間が住んでいる地球でも滅多に起きることではありません。隕石に当たるのが怖くて夜も眠られないなんてことにならないようにして下さい。