takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

技術者倫理、入門前-5

1-そもそも、技術はなんのためにある

 

技術者の役割-1

 

技術者と言っても色々あって一括りで良いのか?と思うこともあります。しかし、科学者(真理の探究をする人達)ではなく、技能者(匠の技を持つ人達)でもないのですが同じ理系の仕事人に技術者(エンジニア)と呼ばれる人達がいます。

科学者の場合は、社会科学とか人文科学という言い方はあります。しかし、経済学者や法学者、あるいは国語学者や英文学者を一般的には「科学者」と言いませんから、そこは、普通に考えて下さい。理系分野の学問で真理の探究をする職業が科学者です。

また、技能者の場合、理系の仕事と言えない分野もあります。しかし、製造現場で工業製品を作っている旋盤工とかフライス工あるいは、「〇〇工」呼ばれる人達を称して一般的に技能者(テクニシャン)と呼びます。もう少し範囲を広げれば、建築土木の現場で作る側の作業をしている人達、大工、鉄筋工、とび職、左官工も技能者・技能工と呼ばれています。昔で言う「土方」(これは、蔑称になるらしいのでこれ以降は使いません)、現在で言う「土工」(どこう)は通常技能者に入らないそうです(建築土木の世界に詳しい訳ではないので、間違っていたらごめんなさい)。

真理の探究はせず、個人的な技を持たない技術者ですが、そもそも技術者の役割とはなんでしょうか。実は、全ての技術者を納得させる定義はありません。しかし私は、自然科学の原理や法則を応用して社会に役立つ工業製品を創るのが技術者であると考えています。この場合、建築物は工業製品か?と疑問に思われるかもしれませんが、鉄骨、セメント、アルミサッシ、内装パネル等使用しているものは全て工業製品である建築物は立派な工業製品だと考えています。

また逆に、医療技術、教育技術、農業技術と言う言葉もあります。特に、農業は技術士の部門の中にもあり、簡単に除外して考えるわけには行かないかもしれません。しかし、これらの技術は人間や自然を対象としているので「もの作り」ではありません。

多少無理矢理のところはありますが、ここから先は工業製品を創ることに心血を注ぐ人達を技術者・エンジニアと呼ぶことにします。