takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

財布や名刺入れなどの革小物

ここでも国産好きです。

ただし、名刺入れだけは数年前からイタリアの「イル ブセット」のものを使用しています。なにしろ、このデザインが好きで気に入っています、他にこのデザインは無いと思います。もし、国産で同じデザインのものがあったら教えて下さい。

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ブランド名の由来となっている「ブセット(特殊な革加工道具)」を使ったうつくしい光沢とシームレスで作られたやさしい曲線のカードケース。

私のものは、3年使い込んでいますが、以下のようにすり切れています。

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ダークブラウンの方は、目立ちませんが、ナチュラルの方は、色が変わっています。

あと、鞄の中で他のものに当るとキズがつきます。とは言え、その程度は仕方がありません。リムーバーでの汚れ落としやクリームの塗布は月に一度程度行います。

私は持っていませんが、全部で4色あったと思います。名刺は、30~40枚程度入ります。

次は、財布と小銭入れです。

これは、色が気に入って使っています。国産の有名ではないメーカーのものです。

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カードが増えました。最近一番増加しているのは、病院の診察券です。

やはり年齢でしょうか?数えたら、6枚もあってびっくりしました。

Cardmicsさんに笑われるかもしれませんが、クレジットカードは楽天マスターカードANAのアメックスしか持っていません。電車のパスモカードは定期入れの中です。

 

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www.hokkaido-kaban.jp

写真だと分かり難いですが、緑の色が大変気に入っています。

長財布は、ファスナーの小銭入れがついたものもありますが、私の場合、時々胸のポケットに入れることがあるので、厚みのあるものは好きではありません。

そのため、マチ無し、小銭入れ無しのものを使用しています。

それに、小銭入れは、写真のフルオープンのものが取り出しやすくて便利です。

函館(私の故郷)のお店です、もし、遊びに行ったときは寄って下さい。

www.hakodate-kanemori.com

 

 

 

 

 

 

男性用ビジネスシューズ:種類とメンテナンス-2

靴の種類に関してもう少し書きます。

もう少し初歩から行きましょう。

先ず、靴の部分的名称です。

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朝日新聞社刊「紳士靴を嗜む」:飯野高広著より

9番のブローキング部分に穴飾りが無いといわゆるストレートチップと呼ばれるフォーマルな靴になります。

穴飾りは、靴全体の印象を決めるため、極めて重要です。

穴飾りが多いと、どうしても派手、明るい、カジュアルな靴になります。

今の私は、ほとんどフォーマルな場が多いため、穴飾りの多い靴を持っていません。

例えばたとえ黒の靴でも、以下のようなくつは、フォーマルな場所には適していません。(三陽山長:燕之介)

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まして、赤茶色だとこうなります。(三陽山長:準之介)

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見た目もカジュアルですね。もちろん、業界にもよると思います。

正直、IT業界の方は、カジュアルでも許されるようです。

そのため、セミナーや研修の講師でも、IT業界の中で行うときは、あまりフォーマルだと仲間意識を持って貰うことができません。ただ、私の場合は、そのような服も靴も持っていないため、せいぜい、ネクタイをしない程度です。もちろん、理由は説明します。

 

さて、やっと靴の手入れに入ります。

これは、実に色々あります。また、私自身色々試しました。クリームも色々試しています。ですから、絶対基準でこの方法が良いとは言いません。時間と手間の問題もあります。また、履く回数にも関係するでしょう。最初に書きましたが、私は8足でローテーションしていますから、8日に1回程度です。休みの日はほとんど家にいます。ですからざっくり、月に3回ぐらい履くだけです。

その私は、靴の手入れを以下の手順で行います。

  1. ブラシで汚れを落す。
  2. リムーバで前回のクリームを落す。
  3. 栄養・保革クリームを塗る。
  4. グローブでポリッシングする。(ここで完了)
  5. 防水スプレーやワックスは使いません。

基本的にこれだけです。

また、現在、靴のクリームはサフィールしか使っていません。

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上記の作業は、履いて帰った次の日の朝行います。

ただし、雨の日に帰宅した時は、乾いた布で水分を拭き取ります。

その後(以下の作業は、天気に関係ありません)、靴の中に防臭スプレーを吹きかけ、玄関の壁にかかと部分を上に立てかけます。そして、次の日に上記の作業を行います。要するに雨の日は、帰った後に水分を拭き取る作業がプラスされます。

また、かかとの交換がありますから、12~14ヶ月に1回、プロのメンテナンス兼かかと交換に出します。

お勧めの店は以下です。

1)ユニオンワークス(特にお勧め)

2)トレーディングポスト

3)ブリフトアッシュ

4)ブラス

この4店なら後悔することはないと思います。

オールソール交換で1万5,000円程度です。

ただし、オールソール交換は、3~4年に一度でしょう。

普段は、キズ消しとかかとの交換ですから、1万円はしません。

 

もっとも、1年に1回、メンテナンスに出せば普段は自分でなにもしなくて良いと言うことはありません。私が行っている作業程度はやって下さい。そうしないと靴が傷みます。私の作業程度でしたら、10分掛かりません。

また、収納するときは必ずシューツリーを入れましょう。

私のお勧めは、コルドヌリ アングレース

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ダスコも良いのですが、少し高いです。

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上は、11,000円ぐらい、下のダスコは15,000円ぐらいです。

ただし、シューツリーは半永久的に使用できます。

 

変な例えかもしれませんが、靴のケアは女性の化粧と同じです。洗顔して、化粧を落すのは必要ですよね。クリームや、ましてワックスを塗りっぱなしでは靴が傷みます。

次回からは、革小物やネクタイ、ワイシャツ、最後にスーツまでご説明します。

以下のリンクは、スコッチグレンのサイトです。メンテナンス作業の動画もありますから、どうぞ。

www.scotchgrain.co.jp

 

 

 

男性用ビジネスシューズ:靴の種類とメンテナンス

前回、靴のことで記事をアップしたら割と好評でした。

別にお洒落云々とは言いませんが、ある程度の年齢になったら年相応の格好はした方が良いと言うのが私の考えです。はっきり言ってしまうと、若いときは若さで輝きます。これは、男性、女性を問わないと思います。

でも、私の年齢では自然と輝くことはありません。ですから、身につけるものに注意する必要があるのです。

お洒落=人に不快な思いをさせない格好。これが基本です。

男性用ビジネスシューズですが、タイプがいくつかあります。簡単に紹介します。

1)ストレートチップ・内羽根(うちばね):、最もフォーマルな靴です。冠婚葬祭や正式なパーティでも履くことができます。黒が基本ですが、こげ茶や、赤茶もあります。もちろん、黒が最もフォーマル、色が明るいほどカジュアルになります。前回もご紹介しましたが、私は、三陽山長の「匠一郎」が気に入っています。ステッチが内側にあって縫い目が見えません。メンテナンスも容易です。

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2)ストレートチップ・外羽根(そとばね):これもフォーマルな靴です、しかし、残念ながら私は内羽根が好きで、外羽根の靴は持っていません。

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靴紐で締める部分(鳩目と言います)の形が異なります。

内羽根形式は、英国ヴィクトリア女王の夫であったアルバート公によって考案されたそうです。アルバート公のデザインしたブーツがこの内羽根式だったとか。

その見た目のエレガントさからフォーマルな場や室内執務用の革靴として普及していきました。

逆に外羽根は、戦場のブーツとしてデザインされました。ご覧の通り、紐を緩めるとほとんど全開できます。その後、狩猟用や屋外用として一般的に広く使われるようになりました。

今でも、基本、内羽根はフォーマルな室内用、外羽根はアクティブな室外用と分けられています。室内の仕事が多い私は、自然と内羽根ばかりを揃えています。

もう一つ、足の甲が高い人は外羽根の方が楽に履けます。私は、甲が低くて薄い方なので、内羽根が合うのだと思います。

3)プレーントゥ・内羽根:これもフォーマルな靴です。飾りが無いのが特徴です。

便利なのは、磨くのが簡単と言うことです。ただ、あまりに何もないので、今の私は持っていません。

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4)プレーントゥ・外羽根:ここまでがフォーマルの中のフォーマルと言える靴です。

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やはり見た感じも内羽根の方がエレガントに見えるのですが、私だけでしょうか?

5)モンク・シングルストラップ:モンクはキリスト教の修道士("monk")が履いていた靴です。紐のない靴である程度フォーマルな場所へ行けるのは、このモンクだけです。ストラップはシングルとダブルがあります。

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6)モンク・ダブルストラップ:これは格好いい靴が多いのですが、その分少しカジュアルです。冠婚葬祭は止めた方が良いと思います。シングルなら大丈夫だと思います。

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他にもウィングチップ等がありますが、基本はこの6種類を抑えておけばどこでも行けます。色に関しては前述しましたが、黒が最もフォーマル、色が明るくなるとカジュアルと覚えましょう。

また、スーツが紺の場合、靴は黒です。ライトグレーやベージュ、チャコールのスーツの場合なら、茶、こげ茶、赤茶の靴もOKです。もちろん、それでもフォーマルな場所なら黒が良いと思います。現在の私は、黒が半分、こげ茶、赤茶が2足づつでしょうか。

 

メンテンス用品。

保革クリーム:サフィールノワールクリーム

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エムモゥブレィのクリームが良いという人もいますが、私はこれです。

塗り込んだときの伸びが違います。また、べとつきません。

これより、良いクリームがあるなら教えて欲しいと思います。ちなみに、アマゾンで簡単に購入できます。

もう一つ、忘れてはいけないもの。

これもサフィールの製品です。

馬の毛でできたブラシです。

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今回は、メンテナンスの手順まで行きませんでした。今度は、手順も紹介しましょう。

 

 

男性用ビジネスシューズ:スコッチグレンVS三陽山長

靴はスーツよりもお金を掛けた方が良い、これが持論です。

また、手入れを怠ってはいけない、一日履いて帰宅したら、ブラシで埃を落して壁に立てかけて朝まで置きます。朝になったら無色の栄養クリームをすり込んで、磨いてからシューズキーパーを入れて靴箱に収納する。これが基本です。

私の場合、仕事の用の靴は8足持っているので、ローテーションで履いています。言い換えると、8日に一度しか同じ靴を履かないと言うことです。

靴と言うか、革製品は伝統的にヨーロッパのものが良いとされています。しかし、国産好きの私は、鞄も靴も財布も全て国産メーカーです。

今日は、その中の靴を少し紹介して、お気に入りメーカーの比較も書いて見ましょう。

先ずは、スコッチグレンの2足です。

黒い方が956BL、茶色の方が960DBRです。

どちらもグッドイヤーウェルトと言う製法で作られています。購入当初は底が硬いのですが、1年程度(私の場合は月に3回履く)履き込むと足にフィットして良い感じになります。ただし、それまで少し足が痛いです。(ちなみに、スコッチグレンには拘りがあって、廉価製品も全て手間の掛かるグットイヤーウェルトで作られています。)

 

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次は、三陽山長とマドラスです。茶色の方が、三陽山長の「友之介」です。これは、ごく最近購入しました。

右の黒い方が、マドラスの「モンク」ダブルストラップです。

今日紹介するメーカーでマドラスだけはグットイヤーウェルト製法ではありません。

硬いからグットイヤウェルトは好きではないと言う方もいます。それも確かに一理あります。ですが、長く愛着を持って履こうと思うと、やはりグットイヤーウェルトに軍配があがると思います。

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この他、三陽山長の「匠一郎」と言う黒のストレートチップの靴を2足、ダブルストラップの「源之介」(赤茶)を1足、さらに友二朗ラバーと言う雨の日用シューズが1足あります。

ですから、三陽山町が5足、スコッチグレンが2足、マドラスが1足ということになります。匠一郎と源之介は、現在かかと交換で修理中です。

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写真は、三陽山長のWebサイトからダウンロードしました。

上は匠一郎、下が源之介です。やはり私が撮影するより、綺麗に写っていますね。

 

このところ、購入しているのは三陽山長だけです。なぜかと言うと履き心地が良いからです。特徴としてかかと部分の内側が丸く、かかとを包み込むような形になっています。初めて履いても靴擦れを起こしません。スコッチグレン方は、かかとの当る部分が真っ直ぐに近く、底面が硬いうちはかかとが上下に動いて、靴擦れを起こします。

これは2~3回履くことでなくなるのですが、最初のうちはどうしても痛いです。

もちろん、三陽山長の使っている足形が私に合っているからなのかもしれません。

ただ、これまでは学生時代のリーガルから始めて、若い頃は海外製品も履いてきましたが、三陽山長のように初めから足にフィットする靴は知りませんでした。

最初に購入したのは3年前ですが、あっという間に5足になりました。

今後恐らく、全ての靴が三陽山長になるのではないかと思っています。

革の善し悪しはほぼ同等、10倍のルーペで見ても差はありません。

ただし、ステッチは三陽山長の方が整って綺麗です。値段の差は2万円ぐらいですが、そこにステッチの差があるのかもしれません。靴は手入れをしてかかとの修理をすれば長く使えます。また、自分の足に馴染んできます。スーツはどんなに丁寧に着ても部分的にすり切れて摩耗します。私が靴にお金を掛ける由縁です。

今度は、手入れや、製法に関して、詳しく書いて見ます。

参考書は以下の2冊です。

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エンジニアの成長戦略

日本実業出版さんから、2冊目の本を出して貰えることになりました。

1冊目は技術士試験の対策本でしたから、試験を受ける人以外は購入しません。でも今回の本は、若手エンジニアから中間管理職ぐらいまでの技術屋さんが対象です。IT系から、私のようなハード系エンジニアまで自らのエンジニア人生を設計したいと考えている方は、ぜひ読んで下さい。

と言って、すぐに出るのではありません。企画が通り、出版が決まっただけです。原稿執筆はこれからです。11月末までに書き上げます。ビジネス書は7割近くが自分で書いていないと言う話です。私の場合、有名人ではありませんから、当然自分で書きます。

以下、「はじめに」の部分と目次です、最終的に少し変わり可能性はありますが、大きな変更はありません。それだと別の本になってしまいます。目次の順番が変わる程度です。

 

『エンジニアの成長戦略』:企業が成長するんじゃない、成長するのはあなただ

 

はじめに~エンニジアは自分の人生を設計すべき~

 

パリのエッフェル塔をご存知だろうか?

実物を見たことはなくても、名前はご存知かと思う。また、テレビや写真、ネットでその外観は見ているだろう。

そのエッフェル塔は、パリ7区、シャン・ド・マルス公園の北西に建っている。竣工は、1889年(明治22年)、フランス革命100年祭の記念に建てられた。建設には2年を要し、費用は当時で650万フランを投入している。高さは324メートル、東京タワーよりほんの少し低い。

また、竣工した1889年から1930年までの間、エッフェル塔は世界一高い建築物だったことも影響し、今でも年間600万人、竣工から2006年までには2億人の観光客が訪れている。世界で最も多くの人が訪れた有料建造物でもある。ちなみに、東京タワーは、年間300万人程度。(詳しくはhttp://www.toureiffel.paris/

さて、そのエッフェル塔だが、その名前の由来はそれほど知られていない。まだ、電動クレーンの無かった時代に高さ300メートル以上の塔を建てようと考えるのは途方もないアイディアだったと思う。しかし、それを考えた建築士(エンジニア)がいた。アレクサンドル ギュスターヴ エッフェル。エッフェル塔の設計者であり、工事を請け負った建設会社エッフェル社の社長である。

エッフェルは、1832年生まれ、建築物の構造設計を専門とするエンジニアだった。

当時の理工系学校の名門、エコール デ ポリテクニークを目指したが、受験には失敗した。しかし、エコール デ ポリテクニークと並び称される、エコール デ サントラルに入学、ここでなぜか化学を学び修めている。

さらに、卒業制作では、化学製品そのものではなく化学工場のモデル建設、これがエッフェルの将来を暗示していたと言って良い。

1966年に後輩の資産家をパートナーとしてエッフェル社を設立。そこからは、万博の展示場、駅舎ホール、チャペル構造、ガス工場、鉄道高架橋、可搬橋や可動橋、天文台の丸天井など多種の鉄骨構造建築物を多数建造している。

鉄は、19世紀の技術的象徴であり、当時、まさに石の建造物から鉄材を使った建造物に移り変わる瞬間だった。石の建造物に比べ、強靱で軽く、そのため基礎工事を簡単なものにすることができた。まだ、電気溶接の無い時代だったが、鉄骨材はリベットで接合することができた。そのため工場で正確に作った鉄骨材をリベットで接合していくことで建造物が完成した。その早さは、当時の基準で驚くほどの早さだったと言う。また、エッフェル塔の工事は、2年2ヶ月と言う驚異的な短期間工事でありながら、一人の事故死者も出していない。

晩年のエッフェルは、1900年頃、会社経営から身を引き、娘婿と旧友に会社を委ねた。本人は、エッフェル塔の4階にサロンを設置し、ここで気象観測、天体観測、生物学的観測、無線逓信研究にいそしんだ。

さらに、1903年、70歳をすぎて改めて風の制御に関する研究にとりかかっている。知的好奇心旺盛な彼は、科学的な風の解析をはじめ風の科学を確立し、風の現象を視覚化することにある程度成功している。このことは、1903年にライト兄弟の実験によって成功した、航空機の進歩にも多いに貢献した。

そして、1923年、自らが設計したパリの自宅で91歳の生涯を閉じている。

まさに、絵に描いたようなエンジニア人生を送ったエッフェルだが、彼は、ある程度、計画的に自分の人生をコントロールしている。しかし、全て成功だけで歩んだ訳でも無い。1884年には、タルド河のエヴォー高架橋を建設途中に倒壊させる大事故を起こしている。これが、あったために、建設現場での安全管理に深く配慮するようになり、エッフェル塔の工事では、一人の犠牲者も出さなかったのである。

失敗をもとに、次のステップを考え、同じ過ちを繰り返さない。これもエンジニアとして学ぶべき点だと思う。

この本は、エッフェルを紹介する本ではない。しかし、「はじめに」の部分で長々とエッフェルのことを紹介したのは、100年後に生きる我々にとっても彼の生き方には学ぶべきところが多いと考えたからである。

技術者=エンジニアとするならば、エンジニアとは何か、一言で言えば、発明するひとである。

エンジニア(Engineer)のEngine-の部分の語源であるラテン語ingeniumは、-gen-の部分が「生む」行為を意味している。同じ語源でIngenious(独創的な)という単語もある。加えて、1818年にイギリスで結成された世界最初の土木工学会では,エンジニアリング(工学)のことを「自然にある大きな動力源を人間に役立つように支配する術」と定義している。

この本では、現代に生きるエンジニアに対し、どんな計画を立てればエンジニアとして生きがいのある人生を送ることができるのか提案している。もっと言えば、エンジニアなのだから、計画を立てると言うより、まさに自分の人生を設計することを提案している。

情報化社会と言われる中で、知識そのものの価値は随分と下がった。しかし、その増えた情報・知識を駆使して新しいモノを生み出す知恵あるいは応用能力の価値は下がっていない。いや、むしろ上がっていると言って良い。組み合わせるパズルの量が増えたため、必要なものをピックアップし、組み合わせる能力はむしろ重要なのだ。そのために、何をすればよいのだろう。本書は、あなたのエンジニア人生を設計する上で、その元となる設計書を目指している。目的と機能を明確にして、合理的にあなたの才能や好きなことを表現できるようにするためには、どうすればよいのか、そこに注意を払っている。

私は、仕事の一部として、ここ数年、日本のエンジニアに取っては、最高の資格であると称されている、「技術士」試験のアドバイスを行っている。その中で、30代から60代まで様々な分野の専門技術者と巡り会うことができた。受講者の皆さんからは、「先生」などと呼ばれている。しかし、実はそうではない、より多くを学んでいるのは私自身だと思っている。「先生」は、受講者なのだ。

本の構成は以下のようになっている。

第1章から、3章までは、これまでのエンジニア、これからのエンジニアを大枠で説明している。また、技術士会が提唱している「π型」エンジニアについても、概念を説明した。設計の目的と言って良いだろう。

4章以降は、具体的な設計手法、手順を意識した作りになっている。また、最終章では、技術士を目指すことや、エンジニアとして独立することにも触れている。独立するしないは、あるていど個人的な好みにもよるだろう、私は偶然後者を選んだだけである。誰にでも勧めるという訳ではない。しかし、技術士取得の方は、誰にでも勧められる、特別に難しい資格ではない。計画的に勉強すれば1~3年程度で取得できるはずだ。無謀な試みではない。

本書が、若手エンジニア、あるいは中間管理職にあるエンジニア諸氏にとって、エンジニア人生を設計する良き手引き書になることを願っている。

けっして、たんなる学習の方法論を説いたモノではない。

 

 

仮題:『エンジニアの成長戦略』:

サブタイトル:企業が成長するんじゃない、成長するのはあなただ

(1節5ページ、1章7節で35ページ程度、全部で260~280ページ)

 

目 次 案(レジュメ案)

はじめに エンジニアは、自分の人生を設計すべき

 

第1章 エンジニアとはどういう存在なのか

「一度しくじつたからといつて目的を捨ててはならない、腹に決めた事は決めた事だ。」

シェイクスピアテンペスト」第3幕第3場(福田恆存訳)

  1節 エンジニアになったと言うことはプロフェッショナルの道を選んだということ

  2節 専門職への自己宣言

  3節 そもそも技術とはなにか

  4節 科学者は真理を見つけ出し、技術者は発明する

  5節 エンジニアの道は茨の道か?

  6節 プロメテウスの炎

  7節 エピメテウスになってはいけない

第2章 20世紀までの常識は捨てろ!

  1節 1996~2006年の10年で個人の接する情報量は〇〇〇倍になった

  2節 近年のトピック、発明のトピックから考えること

  3節 消えた技術はいくつある?

  4節 古いアイディア+古いアイディア+古いアイディア+・・・=斬新なアイディア

  5節 大人の発想力と子供の発想力

  6節 自燃型・可燃物・不燃物

  7節 21世紀のエンジニア

第3章「π」型エンジニアとは

  1節 技術士会が提唱している「π」型エンジニアの意味

  2節 2本足のエンジニアを目指す

  3節 異分野のエンジニアとは積極的に交わる

  4節 専門知識だけでは生き残れない

  5節 文系社員とのコミュニケーション

  6節 エンジニアのプレゼンテーション

  7節 あなたの成長戦略を計画する

第4章 知識をインプットして経験の糸でつなぐ

  1節 言葉・言葉・言葉

  2節 知識はしょせん雑学

  3節 経験の糸

  4節 コンピテンシィーを持つ

  5節 財務諸表を覚えるよりも経営感覚の方が大事

  6節 知財に関する法律はあなたを助ける

  7節 特許は誰のものか

第5章 組織と個人、それぞれのジレンマ

  1節 努力は必要だが精神論に逃げないこと

  2節 何がイノベーションのジレンマなのか

  3節 個人にとってイノベーション

  4節 組織のジレンマ

  5節 オクトパスポット(タコツボ現象のことです)

  6節 アイディアの生まれる場所

  7節 相手は人?それとも物?

第6章 技術をマネジメントする

  1節 なぜMOTを身に付けなければならないか

  2節 エンジニアは、マーケッティングを誤解している

  3節 経営者と技術者

  4節 インターフェースの必要性

  5節 CTO(最高技術責任者・Chief technical officer または Chief technology officer)

  6節 新事業を生み出すものは?

  7節 お互いに成長できる関係

第7章 キャリアップできる転職(ここから転職の説明、最後に独立のことも少しだけ)

  1節 時間?能力?どちらを売る

  2節 あなたの価値観・能力・興味は表現されているか

  3節 転職率は高くはない

  4節 経歴票は、業務報告ではない

  5節 同業他社への転職時に留意すべきこと

  6節 韓国や中国へ転職した際の技術漏洩、守秘義務の問題

  7節 女性エンジニアはここに注意

  8節 資格で独立できる訳ではない

  9節 技術士取得も考えて見よう

  10節 フリーエンジニアになるということ

 

おわりに どんな時代でも技術は必要とされる

 

データから読み解く日本の殺人事件

国内殺人事件の総数をご存知ですか?

先ずは、重犯罪の件数をご覧下さい。

データ自体は警察庁のホームページからです。

当然ですが平成28年の分はありません。

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次はこのデータです。

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さらに、このデータです。

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あえて、残酷なことを言いますが、知らない人より親子配偶者兄弟の方が3~4倍も怖いと言うことになります。ある意味当然ですが、全く知らない人を殺すというのは滅多にないのです。恨みも何も無い訳ですから、殺意を抱くのは異常です。

秋葉原の通り魔事件も、大阪教育大学附属小学校事件も、そして今回の相模原障害者施設殺傷事件もです。ですから、通り魔殺人は精神鑑定の結果を待つことなく異常者です。あるいは、精神的な病気を患っています。ですから、もしこのことを理由に減刑されるのであれば、通り魔殺人鬼は皆減刑となるでしょう。

私は、オウムの麻原だってまともだとは思えません。20年以上昔ですが、新宿で見たとき「何だこの集まりは?」と思いました。また、TVで国政選挙出馬を見たときは、「日本はお終いか?」とも思いました。もっと昔の学生運動家のアジ演説よりもさらに酷かった。もちろん一人も当選しませんが、当たり前です。

普通の感覚で見れば一目でその異常性は分かると思います。もちろん、だからと言って、本当に事件を起こすかどうかは分からないでしょう。

ただし、あんなことを考えて、実際に行動を起こす輩を研究することは必要だと思います。やはり何か理由はあるはずです。そして現在の役に立たない犯罪心理学よりもはるかに役に立つ新しい心理学を確立できると思っています。

異常なことを考えることと、異常なことを実際に行うのでは全く異なります。

 

一つだけ、明るい兆しを見て下さい。

日本は世界的にも珍しく、この10年毎年殺人事件が減少しています。

来年は、もっと減ることを願っています。

 

 

 

相模原障害者施設殺傷事件・その2

 少し開きましたが、前回の続きです。

私は、シャーロックホームズの大ファンで、シャーロキアンを自認しています。

また、警察白書や犯罪白書も好きで、いつも読んでいます。そのため、過去の殺人事件に関しては、「この人変?」と思われるくらい、詳しく知っています。

と言っても、血を見るのは大嫌いなので、私自身がサイコパスになることは絶対にないでしょう。

 

今回の事件は、一人の人間が行った事件としては、戦後最大の殺人事件です。

この事件の前は、2008年10月1日に発生した大阪個室ビデオ放火殺人事件でした。この事件では15名が亡くなっています。

さらにその前は、有名な「帝銀事件」です。こちらは、1948年で12名が殺されました。

(有名なと書きましたが、若い方はご存知ないかもしれません、また、「teiginngikenn」と打って変換すると「低吟事件」と出ますから、もはや有名な事件とは言えないかもしれません)

2001年年の新宿歌舞伎町ビル火災事件(死者44名)や、1990年の長崎屋火災事件(死者15名)も死者数は多いのですが、殺人事件として立証されていません。ですから、大量殺人の可能性はありますが、記録としては、殺人事件ではありません。

しかも、今回はナイフで一人づつ刺殺しています。建物の中で火を着けて一酸化炭素中毒で殺すのと訳が違います。強いて言えば、ISによるテロに近いですが、あれでも機関銃の乱射や爆弾で一気に殺しています。ナイフで一人一人刺し殺すのは、殺意の度合いが異なるのではないでしょうか?

今回の事件に最も近いモノと言えば、2001年の池田小事件、そして「八つ墓村」(横溝正史の小説)のモデルとなった、1938年の「津山30人殺し」だと思います。

 

ここで、前回の私の考えに戻ります。

なぜ、これらの事件を起こすのは、男性なのでしょうか?

これは、日本だけではありません、世界中の殺人事件のデータを見ても、犯人は男性が圧倒的に多いのです。体力の問題ではありません、爆弾や毒殺なら体力に関係無いのです。しかし、爆弾テロでも、毒殺事件でもやはり犯人は男が多いのです。

これは、どう考えても男性の遺伝子の中に、殺人を犯す何かのプログラムが仕込まれていると考えざるを得ません。そうでないと、大雑把に9:1となる殺人犯の性差を説明できないと思います。

また、私は、このことは男性の自殺が多いことにも関係していると思います。世界中のほとんどの国で自殺者の男女比は2:1~4:1で男性が多いのです。

不思議です、誰か解き明かしてくれませんか?

 

今度、以下の本を紹介します。

『人が人を殺すとき~進化でその謎を解く~』:新思索社刊・マーティン デイリー(Martin Daly)とマーゴ ウィルソン(MargO Wilson)著・長谷川員理子と長谷川寿一翻訳。

この本の結論だけを言えば、「殺人は、進化によって作られた人の本性がいわば誤作動することで生じる副産物であろうというもの」です。

決して、殺人は人の本能であると言うものではありません。

直ぐには、書けないかもしれませんが、なるべく早めにご紹介します。

 

 

 

 

 

 

原則を曲げて、相模原の大量殺人事件に言及します

以下、日経新聞からの引用

妄想性障害など複数の診断名 植松容疑者 :日本経済新聞

 

 

 

妄想性障害など複数の診断名 植松容疑者

2016/7/27 11:51
 
 
 

 相模原市によると、今年2月19日、神奈川県警津久井署からの通報を受けて植松聖容疑者に対して緊急措置審査をしたところ、精神保健指定医が「そう病」と診断。指定医は「自傷他害の恐れがある」と判断し、市は緊急措置入院させた。同署は津久井やまゆり園の職員から「障害者を殺す意向がある人間がいる」と相談されていたという。

 入院中の尿検査で大麻の陽性反応を確認。22日に改めて別の精神保健指定医2人が診察し、1人の指定医は「大麻精神病」「非社会性パーソナリティー障害」、もう1人は「妄想性障害」「薬物性精神病性障害」と診断。市は措置入院の継続を決めた。

 国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦部長によると、「大麻精神病」は大麻摂取後、短期間に妄想や幻覚といった症状が出た状態で、「非社会性パーソナリティー障害」は生来的に反社会的な考えや行動をする性格を指す。「妄想性障害」は強固で周囲が理解できない思い込みを修正できない障害で、「薬物性精神病性障害」は何らかの薬物で引き起こされる幻覚や妄想があるという。

 ある医者は「大麻精神病」「非社会性パーソナリティー障害」

もう一人は「「妄想性障害」「薬物性精神病性障害

 

正直、勝手につけた病名のような気もします。

少しの差で、津山三十人殺し(正確には31名)を上回る可能性のあった事件です。

被害者の遺族には、心より哀悼の意を捧げます。

爆発物を放り込んで爆死させると異なり、ナイフとなると一人一人殺意を持って殺す訳です。しかも、働いていたとはいえ、それほど面識があったわけではないでしょう。

心の病を患う人は数十万人います。しかし、ほとんど誰もそんなことはしません。

以下のグラフを見て下さい。

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どの年代でも女性の方が多いことが分かります。

しかし、大量であるなしに係わらず、殺人事件を起こすのは男性です。

人の命を自分の都合で奪うのが「身勝手の最上位」と言ってよいなら、男性と女性では男性の方が8倍程度身勝手です。(殺人犯の男女比から)

また、心を病んだことをその要因に加えてよいなら、男女比はさらに増えるでしょう。

 

これほどハッキリデータに差が出ている以上、男性である私も含めて、男には何か人を殺さずにはいられない激しい感情があると言わざる得ません。

どう考えても、精神病を理由にするのは間違いです。

だって、患者の数は女性の方が多いのです。

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このデータを見ると、男を全滅させれば犯罪が激減することが分かります。

体力の問題ではありません。

詐欺、横領、偽造なんて体力に関係ありません。

なぜでしょう?

私は、人を殺す、殺したいと思うほどの激情を持てません。

血も余り見たくありません。献血には良く行きますが、自分の血を見るのもあまり好きではありません。

これは普通でしょうか?

異常でしょうか?

続きます。

 

 

 

 

夏に燃え尽きるか?技術士試験が終わってから

先週、技術士二次試験が終わりました。

海の日」が一般部門の試験日です。

択一試験の解答は発表されましたから、皆さん結果はお判りでしょう。

20問中、15問に解答して、9問正解ならOKです。

何人かの方からは「択一OKでした」のご連絡を頂きました。

中には、全問正解の方もいて、メールからでも満面の笑みが見えるようでした。

 

後は、10月27日の発表まで待つしかないのですが、それで終わりではありません。

筆記試験に合格したら、11月、12月に口頭試験があります。筆記試験が大変だから、試験が終わると燃え尽きて、やる気を失う方もいますが、それは後で後悔することになります。

夏休みが終わるまでは、休んで良いとおもいますが、夏休みが終わったら計画的に勉強を始めましょう。

最初は、業務の詳細の説明を考えます。

720文字の論文は提出済みです。

時々それを丸暗記して、そのまま読む方がいます。しかし、それは何の意味もありません。相手は、その文章はすでに読んでいます。ですから、文章に書かなかったことを補足説明するのが正しい説明です。

 

それなりの期間で、行ったプロジェクトが720文字で説明できる訳がありません。ですから、文章で説明できなかった部分を言葉で説明して下さい。

注意点としては、業務報告にならないこと。苦労話、自慢話はしないこと。

この2点です。

試験委員が訊きたいことは、業務の内容ではありません、あなたの考え方を知りたいのです。何をやったかよりも、どういう理由でそれを行ったかです。

提出した業務の詳細を読み返し、今から考えて下さい。

大抵、3分で説明せよと言われます。700~1000文字程度の原稿を別に作りましょう。

それが、あなたを合格に近づけてくれます。

まだ、燃え尽きてはいけません。

 

 

「わたしの本棚」: はてなには長いですが、決められたタイトルで記事を書くのは初めてです。

今週のお題「わたしの本棚」

5年前に決意してから、本棚はなくなりました。

現在も、続いていますが、全ての本をPDFに変換しています。

現在のファイル数で見ると、4,000冊強です。多いように見えますが、20歳の頃から集めたのですから、1年で考えれば130冊程度です。もっと買っている人はいくらでもいるでしょう。私の場合、ブックオフに売らないから増えたのです。

オーディオ雑誌も200冊程度ありました。(ただし、雑誌は月刊を含めて300冊程度です。)

 

当初は自分で裁断して、スキャナーで読み取り、OCRソフトを使ってテキスト化していました。

のんびりやれば何時か終ると言う思いと、本当はPDFにしたくないと言う思いの入れ混じった気持ちの中の作業です。

とは言え、4,000冊をマンションの一室に置くことはできません。

函館の実家に1,500冊程度、当時は会社員で工場長でしたから、工場の資料置き場を独占して1,000冊ていど、後は自宅です。

4年前に、今後の事を色々話して考えて、ついに決断しました。

本棚レス、書籍レス化です。

時間も切迫してきました。

www.bookscan.co.jp

 

数社試して、決めたのが上のブックスキャンです。

品質、対応共に素晴しいと思います。

月に1万円で50冊(1冊250頁まで)。

私は、2口入って、毎月100冊程度をPDFに変換しました。

それが、約4年で4,000冊です。

置くところに困っていた、本が今は1テラの小型ポータブルハードディスクの中に収まります。鞄の中に4,000冊の本を持ち歩くことができるのです。

クラウド化などと言いますが、PDFは大きなデータです。

1冊100メガ程度はザラです、急いで資料を作るとき、3~4冊見たいと思ったら、5分以上も待つことになります。それがハードディスクなら数秒で開くことができます。

まして、内容を全文検索できますから、どの本に書いてあったことか忘れたときでも、大抵の文章は見つけることができるのです。

 

現在は、ブックスキャンの小口会員で月に10冊、3000円程度でPDF化を続けています。今も、月に10冊程度購入しますから、丁度良いところです。

 

ところで、PDFにできない本が少しあります。

昭和62年に刊行された『福田恆存全集』とその後に刊行された『福田恆存翻訳全集』、加えて、これも昭和60年頃ですが、集英社刊『夏目漱石全集』です。

 

PDF化した本は、溶解処理されます。つまり物理的な本としては無くなってしまいます。他の本は、データが残れば良いと思えたのですが、上記の3種類は本そのものを失いたくありません。

おそらくこれは、死ぬまで私の本棚に置いておくことになるでしょう。時々ではありますが、今でも読むことがあります。ぜなか、この本を読むと、学生時代を終えた頃のことを思い出します。人間の記憶とは実に不思議なものです。