takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ロルフ マキシミリアン シーベルトさんだけは覚えましょう-2

 シーベルト(Sv)は、SI単位に入っています。しかし、人体への影響を考慮して計算に用いられる係数は絶対的なものではありません。若干の誤差は含まれます。その辺りが、放射線の影響を難しく、かつ怪しくするもとになっていると思われます。しかし、誤差があるとは言ってもそれは非常に少ない値であり、通常考える上で一般の人が疑いの目で見る必要はありません。なにしろ、シーベルト以外に放射線が人間に及ぼす線量を示す指標はありません。ですから、シーベルト単位は正しく理解して活用して下さい。
 一方、放射線には自然放射線というものがあります。これは、原子爆弾原子力発電所、レントゲン検査装置から発せられる放射線ではなく、宇宙、地球にもとからある放射性物質が発している放射線です。それどころか、私たち人間の体も放射線を発しています。放射線元はカリウム40が主だったものですが、0.1ミリシーベルト/年近くの放射線量になるようです。

 日本国内での自然放射線は、平均すると3.8ミリシーベルト/年。アメリカであれば6.2ミリシーベルト/年、世界を平均すると、2.4ミリシーベルト/年程度です。一方、自然放射線量の高い地域をみますと、カスピ海南岸に位置するイランのラームサルでは年間400ミリシーベルト弱の自然放射線量が測定されています。しかし、現在まで様々な機関がラームサルにおいて住民の健康上の検査を行っていますが、平均的な放射線に被曝するところにくらべて特に問題があるというデータは検知されていません。ちなみに、ラームサルでの放射線はラドン温泉がその放射線元です。
 これと、同じ現象は日本にもあります。有名な有馬温泉の源泉近くでは13マイクロシーベルト/時を被曝します、1時間に13マイクロシーベルトです、1年は8760時間ですから、源泉近くで1年間過ごすと(ありえませんが)8760×13=113.88ミリシーベルト/年の被曝量です。この量は、原子力安全委員会の指針では屋内退避が推奨される被曝量です。
 低線量の放射線による人体への影響は未解明の部分が多く良く分かっていません。たとえば、皆さんの体の中に小さながん細胞ができたとして、それがたまたま放射線に当りがん細胞が死んでしまうことも考えられます。放射線の被曝によってできるがん細胞ですが、がん細胞は通常の細胞と異なり自己修復機能を持ちません。極論すれば、自己増殖機能に特化した細胞ががん細胞です。通常な細胞は、放射線に被曝しても修復できますが、がん細胞はそれができないのです。がん患者への放射線治療はその性質を応用したものです。
 大きくなることだけを考えると、細胞でも組織でも弱くなってしまうようです。丁度一年の初めですから、本年は自己修復に心がけようと思います。
(何の話か分からなくなりました、続きます)