takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

英国シェットランド諸島海域でのタンカー座礁による原油流出

1993年(平成5年)1月5日、英国北部スコットランド地方シェットランド諸島海域でタンカーが座礁し、オイルが流出した。

リベリア籍米所有の大型タンカー・ブレア号が、カナダのケベックに向けて航行中に英国北部シェットランド諸島で座礁し、積載してたノルウェー産の全軽質原油84,700トン(ナホトカ号事故の13.5倍)を流出した。ブレア号のエンジンは、午前5時頃停止し沿岸警備隊に連絡が入った。その後救助活動が行われ8時25分までに、34人の乗組員のうち、主要乗組員を除く14人がヘリコプターで救助された。タンカーの沈没が懸念されていたが、タンカーを見捨てて残りの乗組員の救助を優先していたようである。しかし、救助船が到着しキャプテンを含む残りの乗組員がヘリコプターで救助船に移される中、タンカーの牽引も試みたようである。だが、牽引は失敗、救助信号を発信してから6時間後の11時19分にオイルが海に流れ出した。

流れ出したオイルは荒天により全く回収できなかったが、その荒天により流出したオイルが散乱し油膜が形成されなかったため、環境への被害は比較的小さかった。しかし、オイル流出により、諸島周辺に生息する海鳥、鮭、鱒、アザラシなどの生態系に少ないながらも影響を及ぼした。また、シェットランド諸島は主に観光産業を中心に繁栄しており、オイル流出がシェットランド諸島から観光客の脚を退け、小さな島では他に産業はなく、住民が職を失うなどの間接的な被害が報告されている。さらに英国の法律により汚染による損害(清浄費含む)においてブレア号の責任限度額は800万ドルとなっており、オイル流出により損害を蒙った被害者にも国際油濁補償基金からの賠償が決まっていた(損害に見合う物かどうかは分からない)。

 

///// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載した。

 

 日本船主協会「世界の船舶による主な石油流出事故一覧」を見ると、このブレア号事故のオイル流出量は、世界で10番目の事故である(ナホトカ号は18番目)。

 私は、あまりテレビを見ないが(週に1~2時間)、このニュースはテレビで見た記憶がある。正月に実家へ帰った時だったと思う。荒れ狂う海で、ヘリコプターが救難活動を行っているシーンを覚えている。
私の友人・知人の関係でそう言った仕事に従事している人はいないが、本当に大変な仕事だと思う。逆に我々エンジニアは、悪天候の海でも問題なく航行できる船を作り、猛吹雪の中でも安全に救助活動ができるヘリコプターを作らなければならないと思う(今は、無理でも)。