読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

日本は2013年の太陽光発電導入量が世界一らしい、でも、だから何に?

科学技術

気候変動のことを書く予定だったが、昨日、面白いニュース記事を発見したのでそのことについて考えてみたい。

以下の記事は、他の新聞でもいくつか見受けられたから、ご覧になった方も多いと思う。日本は2013年の太陽光発電導入量が世界一になったという記事である。

 

以下は引用

 

//// 中国新聞・2013年6月12日の記事・ここから ////

 

【ボン(ドイツ)共同=斎藤香織】2013年に日本国内に新規導入される太陽光の発電能力は12年に比べて2・2倍の530万キロワットに拡大し、設備販売額や設置費用などを合計した市場規模が198億ドル(約1兆9100億円)とドイツを抜いて世界1位になる見通しとなった。米調査会社IHSが12日までにまとめた。

 

東京電力福島第1原発事故も導入のきっかけとなった昨年7月からの再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で太陽光発電の買い取り価格が高めに設定され、導入意欲が高まっているのが急拡大の理由。日本は新規導入量では中国の680万キロワットに次いで2位との予測だが、設備の価格が海外に比べて割高なため、市場規模では1位になるという。

 

日本の今年1~3月の太陽光発電の新規導入量は150万キロワットで、前年同期の40万キロワットに比べて急増。今後も拡大が続き、13年の導入量は530万キロワットで、100万キロワット級の原発5基分を上回る見通し。市場規模は12年比82%の増加。

 

一方、世界を引っ張ってきた欧州の1~3月の新規導入量は、買い取り価格の低下などを背景に前年同期比で34%減少。09~12年に世界1位だったドイツの市場は今年、4位に後退するという。

 

日本は04年まで世界最大の太陽光発電導入国で、太陽電池生産量も07年まで1位だった。だが近年はドイツやスペインで導入が広がり、電池の製造も中国、台湾などが台頭し、世界での存在感が低下していた。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスなど欧米の別の調査会社2社も、日本市場が1位になるとの予測を6月に入り発表している。

 

//// ここまで ////

 

ドイツの買い取り価格が下がったのは、補助金を出していた国が持ちこたえられなくなったためである。そもそも、売る価格よりも高く購入したら、その差額は誰が負担するのだ。太陽光発電の出力は、晴れた日の日中3~4時間だけのデータである。NEDOのデータを見るとわかるが、日本では太平洋側の条件のよいところで年間1,100時間ぐらいしか稼働できない(定格出力の50%以上を維持できる時間)。

アジアモンスーン気候地域に属する日本で、なぜ天文学が発達しなかったのか。答えは、雨や曇りの日が多く、星空の夜が少なかったからである。さらに、湿度が高いと言うことは空気中の水分が多いと言うことであり、これも、太陽電池パネルの効率を下げる原因となる。原子力が使えなくなったからと言って、急に晴れの日が増えると言う事はない。

それと、太陽電池パネルは可動部分がないので割と寿命は長い。しかし、太陽電池パネルでは、直流電気しか発電できないため交流電気に変換する必要がある。それを行うのが一般家庭でも取付けられている「パワーコンディショナー」である。しかし、この「パワーコンディショナー」は、寿命が10年以下であり故障も多い(しかも、それなりに高価)。

もう一つ、太陽電池パネルは50年以上前から存在している。太陽光発電の構想は、同じく50年以上前からあった。それが、今でも補助金なしでは産業として成り立たない。ようするに、効率が悪いのである。もちろん、特別効率の良い電池パネルはあるが、それはあまりに高価格で話しにならない。人工衛星などでしか使用できないのだ。50年前から存在している技術だもの、上手く利用できるならとっくに使われているはずだ。

パナソニックやシャープを助けるため無理矢理、太陽光発電を進めているのではないかと疑いたくなるが、それは置く。自動車メーカだって、エコ減税とかで助けたのだから仕方がないとも言える。だから、補助金をつぎ込んで、太陽光発電所を増やしても電気料金が上がるだけだと言うことに気がつかない振りをするのだろう。

 

補足

海外の条件の良い地域では、年間2,500~3,300時間は定格出力の50%を得られるらしい。現在の太陽電池の価格と性能を考えると、条件のよい地域なら採算は合うのかもしれない。しかし、日本の気候を変えることはできない。

参考資料

松井 賢一・「データから読み解くエネルギー問題」・エネルギーフォーラム

松井賢一・「エネルギー問題」・NTT出版

石川憲二・「自然エネルギーの可能性と限界」・オーム社

太陽光発電協会

資源エネルギー庁