takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

大河小説の語源は、どうも『ジャン クリストフ』にあるらしい

 ロマン ロランは、『ジャン クリストフ』の中で何度となくライン川を描写しています。この小説は、まさに時が流れるに連れジャン クリストフが成長し、人生の苦悩と戦いながら一流の音楽家(作曲家)へと成長して行く様子が描かれています。ライン川は、ドイツ人にとって「父なる川」であり、ロランは、この川のイメージを1人の人間の人生と重ねることで後戻りすることのない運命の流れを表現したかったのでしょう。

 

 ドイツの懐疑主義とフランスの耽美主義を突き抜けて生きる生命力が、ジャン クリストフの魅力と言って良いと思います。

 

 アマゾンなら古本も買えます、新品で買っても4冊で4000円にはなりません。フルスピードで読むと、通勤電車内で1日2時間1冊、合計4日で読み終わるくらいの本です。100人程度の登場人物がいるため人の名前を覚えるのは大変ですが、主要な人さえ覚えておけば物語の流れは十分わかります。ぜひ、お試しください。

 

蛇足

 ライン川は、スイスアルプスのトーマ湖に端を発しています。一度、ボーデン湖に入りドイツ・フランスの国境を北に向かってから、ドイツ国内を流れ、ボン、ケルン、デュッセルドルフ、クレーヴェなどを通過しオランダに入ります。オランダ国内へと入ったあとは、2分岐し、ワール川とレク川となりロッテルダム付近で北海に注いでいます。

 

 総延長は、1,233キロメートル、水源の高さは1,602メートルありますが、全体として流れが急な川ではありません(スイスを流れている時は急な川です)。

 

 明日から、『失われた時を求めて』に入ります。