ムーミンの仲間孤独を愛するスナフキン
昨日に続きます。こんどはスナフキンと言うムーミン登場人物?の中で常に人気1位になる名物キャラクターの台詞です。スナフキンは自由と孤独、音楽を愛する旅人です。物事を所有することを嫌い執着心を嫌っています。冬の来る前に南へ旅立ち、春の訪れとともにムーミン谷に戻ってくると言う設定になっています。また、他の登場人物に対して無愛想なのも特徴です。スナフキン的な生き方は、理想のスローライフと捉えられ根強いファンも多いということです。
さて、そのスナフキンの台詞ですが、例によってお気に入り順です。
- 生きるっていうことは平和な事じゃないんですよ。
- 自由が幸せだとは限らない。
- あんまり誰かを崇拝するということは、自分の自由を失うことなんだ。
- 大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってるってことだよ、「そのうち」なんて当てにならないな。
- この世にはいくら考えてもわからない、でも、長く生きることで解かってくる事がたくさんあると思う
- おだやかな人生なんてあるわけがない。
- いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ、理由は簡単。時間がないんだ。
- 強い風の前に立って自分達に向かって進んでくる雨を感じるのはなんて素晴らしいんだ。
- 人の目なんか気にしないで、思うとおりに暮らしていればいいのさ。
- 出来るさ。僕は世の中全ての事を忘れたいと思っているくらいなんだ。
- だめだよ。僕は孤独になりたいんだ。来年の春、また会おう。
- 眠っているときは、休んでいるときだ。
- 君たちも大人になればわかるさ。
- ある意味で、大人は子どもよりももっと子どもみたいになることがあるんだよ。
- その奥さん、親戚は多いし知り合いも沢山いたんだ。でもね、言うまでもなく”知り合いが沢山居たって友達が一人も居ない”って事は有り得るんだよ。
- 長い旅行に必要なのは、大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ。
- ありがとう。でも、いまも考えたんだけど持ち物を増やすということは、ほんとにおそろしいことですね。
- いざ泣こうとすると、泣けないことってあるだろ?
- 孤独になるには、旅に出るのがいちばんさ。
- 僕は自分の目で見たものしか信じない。けど、この目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ。
私は、スナフキンの台詞を読んでいると、シェイクスピアの「お気に召すまま」に登場する人物ジェイキスを連想します。彼も孤独と音楽をこよなく愛す皮肉屋です。
彼の有名な台詞は第2幕7場の最後のところにあります。
全世界が一つの舞台、そこでは男女を問わぬ、人聞はすべて役者に過ぎない、それぞれ出があり、引込みあり、しかも一人一人が生涯に色々な役を演じ分けるのだ。
その筋は会場七つの時代に分たれる。
まづ第一に幼年期、乳母の胸に抱かれて、ぴいぴい泣いたり、戻したり。
お次がおむづかりの学童時代、鞄をぶらさげ、朝日を顔に、蝸牛そっくり、のろのろ、いやいや学校通い。
その次は恋人時代、溶鉱炉よろしくの大溜息で、惚れた女の目鼻称える小唄作りに現を抜す。
~中略~
きて、最後の幕切れ、波間に富める怪しの一代記に締括りを附けるのは、第二の幼年時代、つまり、全き忘却、歯無し、目無し、味無し、何も無し。
福田恆存シェイクシピア翻訳全集第9巻より
孤独と歌を愛するキャラクターは、誰が原型でしょうか?今度機会があれば調べてみます。日本なら何となく、紀貫之か在原業平でしょうか?それとも皆さんは、他に誰かご存知ですか。