takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

浸食したツイン橋が嵐のために崩壊、7名死亡

事例概要

1995年(平成7年)3月10日午前4時15分、米国カリフォルニア州コーリンガ近郊アロヨ・パサジェロ貯水池の上に位置するツイン橋が嵐のため崩壊し、洪水が発生した。橋の上を車で通行中の7人が死亡した。橋の基盤が浸食作用で痛んでいたことが事故原因。ツイン橋は州間高速道路5番の一部であったため、その高速道路が通行止めになり、ビジネスが滞ってしまった。Catrans(カリフォルニア州運輸省)は、高速道路再開のため、鉄道用車両台車を利用して代用の橋を一時的に建設

1995年3月9日から11日にかけて、カリフォルニア州は嵐に襲われ、激しい雨が降り続いた。アロヨ・パサジェロ貯水池は雨季の冬を除けば枯れていて砂底が見えることが多い。だが、連日の激しく降りそそぐ雨のため、3月10日午前4時15分、ツイン橋が崩壊し、橋の上を通行中の車が被害にまきこまれ、7人が死亡した。その後、貯水池の水はあふれ始め、午後8時30分には毎秒391立法メートルの洪水となって周囲を襲った。洪水は3月11日まで続き、14日になってようやく雨もやみ、堤防および橋の本格的な補修工事が始まった。

橋の基盤部分の浸食作用が原因。嵐のため橋の浸食されていた部分が悪化し、崩壊を招いた。日頃からメンテナンスをきちんとしていれば、橋の崩壊は免れたかもしれない。

米国水資源省は、アロヨ・パサジェロ貯水池の施設、用水システム、メンテナンス等を検査。従来の用水システムは、嵐時の雨量および土砂に耐えうる設計ではなかったとして、基準を改めた。また、全体的なメンテナンス強化を徹底。

後日談代用の橋は、事故からわずか8日後の1995年3月18日午前5時10分に開通したが、それから20時間後に沈み始めた。デッキのグレーティング・システムが大量の交通量に耐えられなかったのだ。Catransはすぐに橋を閉鎖し、デッキの表面に厚さ25mmの板をはり、その上からアスファルトを敷いて補強。1995年3月20日午後12時30分に橋を再開したが、その後は何も問題は起きなかった。

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから、省略・加筆して転載した。

 

橋が崩壊して、その代用に鉄道車両台車を利用するというのもアメリカ的だが、開通して20時間後に沈み始めたと言うのはもっとすごい。正直、漫画かコメディ映画の世界である。勿論、これは一時的な利用であり最終的には本物の橋を建設している。鉄道用車両台車を使用した一時的な橋の建設費用は見積もり額で約22.8万米ドルだったらしい。これは、最終的な橋の復旧まで高速道路を迂回する損害を考慮すれば、5万米ドルの節約になるということである。日本ではできないことだが、これもアメリカ流の合理主義の表れだと思う。

ところで、橋の崩壊事故はここのサイトが良くできている。