takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

蔵王観光ホテル火災の火災で11名が犠牲に

1983年(昭和58年)2月21日、山形県山形市の蔵王観光ホテルで火災が発生した。この火事で、従業員5人、スキー客6人の合計11人が一酸化炭素中毒死した。さらに、隣接する柏屋旅館、海老屋旅館など7棟が全焼した。

蔵王温泉の温泉街にあった蔵王観光ホテルは、1920年代に建築されたホテルであり施設の陳腐化が進んでいた。さらに増築を重ね、複雑な館内構造となっていた。「適マーク」の交付こそ受けていたものの、自動火災報知機がしばしば誤作動を起こしたことから、従業員がシステムを稼働させていなかった。

当日、スキー客など86人が宿泊していた。午前3時50分頃、本館(旧館)4階建1596平米の2階部分にある萩の間トイレ暖房用電気ストーブから出火、折からの強風(吹雪)により一気に火の手が回った。従業員らの一時的な消火活動も行われたが、宿泊客の誘導や避難を促す放送などは行われなかった。被害者の多くは、複雑な館内の構造から逃げ場を失い倒れていた。

事故当日は、96名が宿泊していた。このうち新宿区の保母(保育士)の団体や、東京都職員労組の団体など6名が逃げ遅れて一酸化炭素中毒により死亡した。

消火活動は、吹雪の中、密集する温泉街で逃げまどう他のホテルからの避難客などに阻まれ、消防車の到着が遅れた。そのため周囲の温泉宿にも延焼する事態となり、火元の蔵王観光ホテル2棟、類焼した周辺旅館等5棟が全焼した。午前6時40分にようやく鎮火したが、温泉街のイメージは悪化し、一時的に観光客が減少する余波も生じた。

 

ここまでは、ウィキペディアから省略・加筆して転載した////

 

ここでも、古い建物、施設の陳腐化。そして、お決まりとなった、「誤作動を起こす警報機の停止」である。古いタイプの煙を感知する警報機は、確かに誤作動が多い。しかし、誤作動の殆どは、中に埃が溜まって発生するものである。別に、お金をかけて交換しなくてもメンテナンスをしっかりやれば誤作動の確率は下がる。それすら、やらないと言うのであれば、もはや宿泊施設を営業する資格は無いと言ってよい。

一方、自分の家以外で寝る時、言い換えると宿泊施設に泊まるときは、避難ルートだけは確認すべきだ。一度、見ておくだけでも随分違うものである。私は、いわゆる「旅行」というものをあまりしない。それでも、古い温泉旅館に泊まったことが一度だけある(青森で)。この時は、増築を繰り返して大きくなった建物に驚いたが、自分の部屋から出口までのルートを3回歩いて確認した。知らないところで、寝泊まりする場合、それぐらいは用心した方が良い。