takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ウインドシアによる、函館空港での尻もち事故

2002年1月21日13時20分頃、小牧空港発函館空港行きの全日空391便エアバスA321は、函館空港に着陸するため滑走路12の進入灯上空を飛行中であった。しかし、滑走路手前140メートル、対地高度約53フィートの地点でウィンドシア警報が作動したため回復操作を開始した。 

ウインドシア(wind shear)とは、大気中の垂直(鉛直)方向または水平方向の異なる2点間で、風向や風速が劇的に異なること。気象学的には、大気中における風勾配の大きな領域と定義される。風のコンディションの1種と考えてよい。

 鉛直シアの場合は、風向差は僅かながら、風速差は10m/sほどになる。 大気中を航行する航空機類にとって大きな脅威となる乱気流のため、警報装置が装備されている。

 

//// ここまでは、ウィキペディアから省略・加筆して転載した。

 

航空実用辞典によれば

//// ここから ////

ウィンド・シア警報装置(wind shear warning system):とは

 ウィンド・シアに遭遇したことをパイロットに知らせる装置であり、ボーイング747、DC-10以降の全機種に装備されている。ウィンド・シア警報装置は警報機能、脱出指示表示機能,失速余裕表示機能の三つの機能を持っている。警報機能には警報灯,警報メッセージおよび警報音声がある。警報音声は人工音声で「ウィンド・シア,ウィンド・シア」と発する。脱出指示表示機能とは、パイロットにウィンド・シアからの脱出指示として機首上げの操作を指示するものであり、姿勢指示器にフライトディレクターで表示される。この脱出指示表示は機首上げを指示し、迎え角を増加させて揚力を増すわけであるが、迎え角が増加しすぎると当然失速が起こる。このため、失速警報が作動するまでのゆとりを表示するものが失速余裕表示機能であり、脱出指示表示と同じ計器に表示される。

//// ここまで ////

 

 函館空港での事故の場合、同機はエンジン推力を離陸最大推力にまで増加させる操作を行ってウィンド・シアからの脱出を試みた。しかし、上昇力の回復は間に合わず、機体の後部が滑走路に接触した。その際、機体のフレームや後部圧力隔壁、フロアビームに亀裂が入るなど損傷を受け、客室乗務員3人が軽傷を負っている。その後、飛行機は、再び着陸を試み13時25分ごろ函館空港に着陸した。

国土交通省航空局は本件を「航空事故」に指定し、航空鉄道事故調査委員会が事故調査を行った。

生まれ故郷の函館で発生した11年前の事故なので、ここに載せた。函館の実家には、母と弟夫婦が住んでいるため私も1年に1回の割合で里帰りしている。今まで、飛行機に乗っていて恐怖を感じたことはない。恐らく、たいていの人はそうだろう。このブログでは、飛行機事故を頻繁に取上げている。しかし、飛行機事故そのものは、確率的に低い物であり自動車に乗るよりよほど安全なものである。ただ、事故が発生した場合の被害は大きく、原因なども詳しく調査されて公表されるためブログに書きやすいのだ。