takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

工場・施設の事故

典型的なヒューマンエラー・和歌山の化学工場でトルエン200リットルが流出

1998年(平成10年)7月13日、和歌山県にある化学工場で、濃縮釜からの液抜き出し作業中に間違えたカップリングを開放してトルエン200リットルが漏洩した。報告書にはカップリングの離脱位置を間違えた作業員の単純ミスが原因とされている。しかし、ストップ…

イタリアのセベソで発生したダイオキシンの放出で現在も後遺症

1976年(昭和51年)7月10日、イタリアミラノ郊外の化学工場で、猛毒物質であるダイオキシンの放出事故が起こった。バッチ作業の終了時に、運転指示書を無視した条件で停止した。そのため、温度上昇と暴走反応によるダイオキシンの大量生成、さらに破裂板が作動…

エチレン製造装置において緊急停止後の再稼働による爆発事故と再び太陽光発電は無理

事例概要 1973年7月7日、出光石油化学徳山工場エチレンプラント内のアセチレン水添部で爆発、火災が起こった。誤作業の影響での緊急停止後の再立ち上げで、水素注入量の制御にミスがあり、過剰の水素が注入され、エチレンも水添されたため、高温になり、さ…

一般廃棄物焼却施設における水素ガスの爆発事故

1995年(平成7年)7月6日、神奈川県 伊勢原市の清掃工場にある一般廃棄物の焼却炉で爆発が起こった。一般廃棄物の中に大量のアルミニウムが入り込み、それが原因で固い塊の灰をつくり、焼却炉の運転ができなくなった。その灰への散水が原因となって爆発した…

深夜の駐車場で突然荷台のドラム缶が破裂、近くにいた人が火傷を負った

2000年(平成12年)7月3日、神奈川県 川崎市の屋外駐車場で、駐車中のトラック荷台に積載されていた200Lのドラム缶が破裂した。爆発により、内容物の廃塩化メチレンで1名が化学火傷を負った。 経過 機械部品の洗浄に用いた廃塩化メチレン200Lのドラム缶をト…

落雷でジェット燃料タンクの爆発炎上、そして燃料は二酸化炭素となる

1987年(昭和62年)7月01日、北海道 千歳市の自衛隊基地で基地内ジェット燃料タンク(覆土式、直径27m、高さ6.1m)に落雷、爆発、炎上した。火災は鎮火まで3時間を要した。 経過 容量3260klの覆土式のタンクにほぼ満タンのジェット燃料が貯蔵されていた。…

韓国ソウル市の三豊百貨店崩壊

1995年(平成7年)6月29日17時57分(KST、日本時間同)、三豊百貨店は、営業中に突然5階建ての建物の両端の一部を残し、跡形もなく崩壊した。死者502名・負傷者937名という世界的にも例のない大惨事を起こした。 この事故は、事故後200時間以上を経て瓦礫の…

2度目が拙かった、雪印集団食中毒事件

2000年(平成12年)06月27日、雪印乳業(株)大阪工場製造の「低脂肪乳」等を飲んだ関西地方の一般消費者で食中毒が発生した。報告があった有症者数は14,780名に達した。さらに食中毒発生後、社告の掲載、記者発表、製品の自主回収などが遅れ、食中毒の被害…

11年前、中国で起こった炭鉱爆発事故・114名が犠牲に

2002年(平成14年)6月20日、中国東北部、黒龍江省鶏西市にある炭鉱で、ガス爆発が発生した。当時、139人が坑内で作業していた。坑内の換気装置の不適切な操作と管理が充分に行われていなかったためにガスが充満し爆発したものと考えられる。事故により、114…

松濤温泉シエスパで爆発事故・南関東ガス田は注意が必要

2007年(平成19年)06月19日午後2時18分 、東京都渋谷区 にある女性専用会員制温泉施設「松濤温泉シエスパ」(ユニマットグループ)の別棟で爆発事故が発生した。 事故概要 源泉くみ上げ施設で爆発、女性従業員の3人がその爆風によって全身を打つなどして死…

杉並区小学校での校舎天窓落下事故

2008年(平成20年)6月18日午前9時半頃、東京都杉並区第十小学校の3階屋上で授業が行われていた。授業中、男子児童が屋上にあるドーム型の天窓に乗ったところ、天窓が割れ、12メートル下の1階床に転落し、全身を強打した。 男子児童は救急車で病院に搬送され…

3・11以前に、福島第一原子力発電所2号炉緊急自動停止

2010年(平成22年)6月17日、 東京電力福島第一原子力発電所において、2号炉が緊急自動停止した。制御板補修工事にミスがあり、常用系電源と非常用電源(常用系から供給されている)から外部電源に切り替わらなかったことが原因である。そのため、冷却系ファ…

中部電力浜岡原子力発電所で発電機もタービンが損傷

2006年(平成18年)6月15日、静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所で発電機もタービンが損傷して自動停止し、続いて原子炉が自動停止した。 タービンのカバーを外して内部点検したところ、低圧タービンの外側から3段目の動翼1本が、車軸への取付部…

管用起爆薬を製造中に爆発事故・原因のジアゾジニトロフェノールは第5類危険物

2002年(平成14年)06月12日、宮崎県延岡市の化学工場で、爆発事故が起こった。工場では、事故当時、電気雷管用起爆薬を製造するため原料を乾燥させ造粒中であった。 原因は二つ考えられた。乾燥機の部品にヒビが入っていて、そこから侵入した起爆薬が摩擦な…

ヒドロキシルアミンの爆発事故・工場は跡形も無く吹き飛んだ

2000年(平成12年)06月10日、群馬県 尾島町にある日進化工株式会社・尾島工場で、ヒドロキシルアミン50%水溶液の再蒸留塔(減圧蒸留,操業温度50℃)が爆発、火災となった。 再蒸留塔は跡形もなく吹き飛び、周囲半径1.5kmの住宅等に爆風の被害があった。工場内…

関西電力海南火力発電所での事故・60万Kwの発電機はバラバラに

1972年(昭和47年)06月05日 、 和歌山県にある 関西電力海南火力発電所において60万kW蒸気タービンの試運転中、タービン軸および発電機軸が破損した。タービン、発電機、励磁機の各部が損壊し飛散するとともに、発電機から火災が発生した。バランス調整不…

シンドラーエレベータ・最初の死亡事故は港区芝

2006年(平成18年)06月03日、東京都港区芝にある23階建てマンション「シティハイツ竹芝」(23階建て)の12階でエレベータ事故が発生した。住民である、高校2年生が自転車を引きながらエレベータから後ろ向きに降りようとしたが、扉が閉まらないまま急にエレ…

保守点検を怠ったため、思わぬ停電から火災が発生

1999年(平成11年)05月31日、神奈川県川崎市にある製油所のガス化脱硫装置の分解ナフサ留出線を切り替えた時に火災が発生した。 事象 川崎区水江町地域一帯が停電となり、東京電力からの買電が停止した。この影響により製油所の電力選択遮断システムが作動…

脱硫再生塔の清掃中に爆発事故・死者1名、負傷者6名

事例概要 1998年(平成10年)05月27日、茨城県 鹿嶋市の化学工場でコークス炉ガスの処理塔の開放作業中に爆発事故が起こった。 経過 5月11日には、脱硫再生塔を停止し、塔底部の清掃作業を開始した。 5月27日09:40 塔底部から硫黄とアンモニアが混入したスラ…

偽物の恐怖が本当の恐怖になった、エキスポランドの事故

事例概要 2007年(平成19年)5月05日、ゴールデンウィークの午後、千里万博公園「エキスポランド」のジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で、ジェットコースターの車輪が突然レールから脱輪し、車体が傾き、搭乗者1名が車両と左側の鉄柵に頭を挟まれて死亡、負…

世界でも指折りの爆発規模・ペプコンの工場爆発

1988年(昭和63年)5月4日、アメリカ合衆国ネバダ州ヘンダーソン市のThe Pacific Engineering Production Company of Nevada (PEPCON / ペプコン)の工場で大規模な爆発事故が発生した。化学火災とその後に続いた爆発により、死者2人、負傷者約372人、金額に…

チェルノブイリ原発の爆発

1986年(昭和61年)4月26日、当時のソビエト連邦、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国 プリピャチ(現・ウクライナ・プリピャチ)内にある、チェルノブイリ原子力発電所の4号炉で、タービン発電機の慣性回転でどれだけの電力が得られるかを実験していた。原…

メキシコ湾での原油流出事故、環境への悪影響は計り知れない

メキシコ湾原油流出事故は、2010年4月20日にメキシコ湾沖合80km、水深1,522mの地点で発生した。BP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で、掘削作業中に海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発し、海底へ伸びる5500mの掘削パイプが折れ…

自動車部品工場での火災事故・原因は?

事故の概要 1989(平成元年)年4月14日、自動車の部品に使用するジョイントシートの作成工場でジョイント成板作業中に成板機ロールの下方より出火、近くに置いてあるトルエン貯蔵容器に引火し成板機1基が焼損した。原因は特定出来なかったが、トルエンの貯蔵…

火薬の違法貯蔵・花火工場での爆発

2003年(平成15年)4月11日、鹿児島県鹿児島市の花火工場(有限会社・南国花火製造所)で爆発事故が起こった。爆発した工場には、大量の火薬類が違法に貯蔵してあったため事故は拡大し、周辺住民にも多大の被害を与えた。事故発生原因は、作業当事者が亡くな…

大阪万博の影で、死者79名、重軽傷者420名の大爆発

事例概要 1970年(昭和45年)4月8日、大阪市営地下鉄2号線(谷町線)の延長工事現場で、地下に露出した都市ガス用中圧管の懸吊作業をしていたところ、中圧管の水取器の継手部分が抜け出したため都市ガスが噴出し、坑内に充満して引火し、10mを超す火柱ととも…

ガバナンスと倫理

第一勧業、富士、日本興業の3銀行が再編して誕生した「みずほ銀行」は、2002年(平成14年)4月1日に現金自動預入払出機(ATM)の障害が発生、さらに公共料金の自動引き落としなどの口座振替に遅延が生じるトラブルが起き被害は拡大した。 口座振替の遅延は、4…

小さな命を奪った、六本木ヒルズの回転ドア

2004年(平成16年)03月26日午前11時30分頃、東京都港区六本木の大型複合施設「六本木ヒルズ」内の森タワー二階正面入口で、母親と観光に訪れていた6歳男児が三和タジマ製の大型自動回転ドアに挟まれて死亡した。男児は母親より先に森タワーに入ろうと小走りで…

古い話しですが、函館大火

1934年(昭和9年)3月21日に北海道函館市で発生した火災。 死者2166名、焼損棟数11105棟を数える大惨事となった。函館ではこれ以前にも1000戸以上を焼失する大火が10回以上発生しているが、一般的に発生年を付さない場合には1934年の火災を指す。 函館は江戸…

医薬中間体ろ過工程で静電気帯電による工場の火災

1985年(昭和60年)03月15日、山口県 新南陽市の化学工場で静電気帯電による火災が発生した。医薬品中間体の製造で固体をn-へキサンからろ過分離後、ろ過器から取り出し中に火災が発生した。ろ過品中のn-へキサンの蒸発とろ布の静電気帯電が原因である。ろ過後…