課題と問題点の捉え方
技術士試験に良く出てくる言葉ですが、課題と問題点と言う二つの言葉があります。
この言葉ですが、私は以下のような定義で使っていました。
上記は、私のステップメール講座で使用しているテキストの一部です。
ゴールが課題で、課題へ辿り着くまでの道のりにある個々の障害物が問題点です。
そのため、問題点はいくつかあります。
と言うよりも、実際の業務では問題点が無数にあると思います。
技術士試験ではこれを抽出して最も大きい問題点に絞り込んで2つか3つを書きます。
あるいは、最大の問題1個に絞り込みます。
もう少しブレイクダウンすると、
今、リッター10キロメートル走る自動車を、リッター20キロメートル走る車に改良したい。つまり燃費を2倍にしたいという課題があって、問題点を上げたら以下のようになったとします。
- 車体重量を軽くしたい
- タイヤの摩擦抵抗を小さくしたい
- 車体の空気抵抗を小さくしたい
- エンジンの燃焼効率を上げたい
どれも燃費を良くするには重要ですが、この中で最大の問題点は何かと考えると、やはり車体の重量を軽くすることだと思います。まあ、ハイブリッドにすると言うようなイノベーションもありますけど。
つまり、最も大きい問題点は車重をいかに軽くするか?です。
私はこれまで上記が課題と問題点の関係だと言って、説明していました。
ただし技術士試験の問題を色々と調べると、どうも問題文がこれと逆になっているものがあるのです。
(3) (2)で挙げた要因のうちあなたが重要と考える2つの要因を選び,影響を軽減するために必要な具体的な解決策を述べよ口さらに,その解決策がもたらす効果及び,実行するに当たっての課題について述べよ。(平成26年:建設部門・土質)
この問題文などは、実行するに当っての問題点について述べよ。となるべきでしょう。
そこで、文部科学省の技術士試験分科会に直接問い合わせてみました。
そこで分ったことは、「驚愕の事実」でした。
課題と問題点の定義は言葉の問題であって、どちらとも決めていない。
解答者が自分で決めて解答すれば良いということなんです。
言い換えると、課題と問題点の定義は無いのです。
「どちらでも良い、自分で決めなさい。混在した書き方は不可」
これが、文部科学省の解答です。
ホットしたのは、私が逆を教えていたのではないと言うことです。
どちらか決めれば良いのですから、片方を説明すれば良いのです。ただし今後は、どちらも正解だけど混在させるのはダメですと説明するでしょう。
実は、私の定義はMBAなどの本に出てくる定義なので多くの方は上記の定義で納得すると思います。しかし、技術士試験で考えるときは、逆でもOKだと言うことです。
私は、このような重要な言葉の未定義が試験を不必要に難しくしているのだと思います。正直、これ試験委員の皆さんの共通認識なんでしょうか?