小説という伝え方-1
ビジネス書を書いたとき、少し思ったことがありました。
これは不満ではないので誤解しないで下さい。
出版物は出版社の商品です、著者は出版社の下請け企業です。企業にお勤めであればこんなシーンを想像して下さい。
あなたは中小企業の営業責任者、あるいは社長でもOKです。
自信のあるサービスや製品を大手企業の購買部門に持ち込みます。
会ってくれるのは購買部門の責任者や担当者です。
あなた:「これ、うちの製品なんです。こんな技術はどこにもありません、ぜひ、御社で使って頂きたくて今日はお持ちしました」
購買の担当者:「なるほど、検討の価値はありそうですね?でもどうしてうちの会社に持ってきたのですか?」
あなた:「そりゃ、A社さんと言えばこの業界でトップ企業です。うちの製品はトップ企業で使って頂ける製品だと思っています」
購買の担当者:「お褒め頂き恐縮です。この製品の狙い、特徴を簡単に説明して頂けますか?」
あなた:「先ず、このアイディアはどこにもありません。世界のどこもやっていないのです。うちは小さな会社ですが、この技術だけはどこにも負けません。これだけを専門にやっている会社です。」
購買の担当者:「それは分かります、ただこの製品自体は似たようなものがありますよね?」
あなた:「外見は同じですが、ここの仕組みが違います。うちの製品の方があるかに安全で確実です。ですから、その安全性を訴えれば消費者に喜んで頂けると思います」
(製品の安全性は、特殊な場合を除き消費者への訴求力に欠けます)
どちらの側であっても想像はできますか?
本の企画書を書いているとき、オリジナリティや特徴を求められます。何度も質問されました。そのやり取りの中で自分なりに自分の考えを掘り下げることができます。やはり、問答はとても重要です。
しかし、いざ書き上げてみると、オリジナリティの高いところは割と削られてしまいます。「こんな特殊な話は伝わらない」という事情です。
やはり一般受けする話の方が良いのです。これは試験対策の本でも同じです。
あまりに特殊なノウハウは受け付けてもらうことが難しいのです。
やり方が特殊でも、読むと納得できるのなら受け入れて貰えると思います。
健康に関する本、ダイエットの本に多いと思います。
当然ですが、怪しいものも多くあります。
上記とジャンルは異なりますが昨年に出た本で
「成功している人は、なぜ神社に行くのか? 」
と言う本がありました。電車の中に広告が貼ってあって見て驚きました。
(ちなみに、内容に関して何も知りません、読んでいません)
成功もなにも日本人1億2千万人のうち、9千万人は初詣で神社に行きます。
「なんだこれ?」と思いましたが、この本は売れています。
数十万部も出ています。
長い前置きですが、短い本題に入りましょう。
小説と言う表現形式をご存知ですよね?
言ってみれば作り話です。現実の話ではなく作り話を使って自分が伝えたいことを伝える形式、それが小説です。小説が芸術かどうかそれは作者の力量によると思いますが、企画書は不要です。書き上げてどこかの出版社が募集している文学賞へ応募すれば良いのです。自由度は遙かに高いと思います。
実は、現在SF小説を構想中です。どうしても書きたいテーマがあってビジネス書でそれを書くのは無理です。そこでSF小説を考えました。
それで、ただノートに構想を練っているだけだと実行せずに終る可能性があるため、ブログで構想を書いて練り上げたいと思った訳です。
小説そのものをブログには載せません。あくまでも構想とメモです。人前で書いた方が頭の整理ができますからやることにしました。
技術士倫理や、AIがテーマになっています。
有名な「冷たい方程式」のようなお話しになると良いのですが、そこまでの力量はありません。
期待しないで、突っ込みを入れて下さい。