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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

エンジニアの成長戦略

科学技術

日本実業出版さんから、2冊目の本を出して貰えることになりました。

1冊目は技術士試験の対策本でしたから、試験を受ける人以外は購入しません。でも今回の本は、若手エンジニアから中間管理職ぐらいまでの技術屋さんが対象です。IT系から、私のようなハード系エンジニアまで自らのエンジニア人生を設計したいと考えている方は、ぜひ読んで下さい。

と言って、すぐに出るのではありません。企画が通り、出版が決まっただけです。原稿執筆はこれからです。11月末までに書き上げます。ビジネス書は7割近くが自分で書いていないと言う話です。私の場合、有名人ではありませんから、当然自分で書きます。

以下、「はじめに」の部分と目次です、最終的に少し変わり可能性はありますが、大きな変更はありません。それだと別の本になってしまいます。目次の順番が変わる程度です。

 

『エンジニアの成長戦略』:企業が成長するんじゃない、成長するのはあなただ

 

はじめに~エンニジアは自分の人生を設計すべき~

 

パリのエッフェル塔をご存知だろうか?

実物を見たことはなくても、名前はご存知かと思う。また、テレビや写真、ネットでその外観は見ているだろう。

そのエッフェル塔は、パリ7区、シャン・ド・マルス公園の北西に建っている。竣工は、1889年(明治22年)、フランス革命100年祭の記念に建てられた。建設には2年を要し、費用は当時で650万フランを投入している。高さは324メートル、東京タワーよりほんの少し低い。

また、竣工した1889年から1930年までの間、エッフェル塔は世界一高い建築物だったことも影響し、今でも年間600万人、竣工から2006年までには2億人の観光客が訪れている。世界で最も多くの人が訪れた有料建造物でもある。ちなみに、東京タワーは、年間300万人程度。(詳しくはhttp://www.toureiffel.paris/

さて、そのエッフェル塔だが、その名前の由来はそれほど知られていない。まだ、電動クレーンの無かった時代に高さ300メートル以上の塔を建てようと考えるのは途方もないアイディアだったと思う。しかし、それを考えた建築士(エンジニア)がいた。アレクサンドル ギュスターヴ エッフェル。エッフェル塔の設計者であり、工事を請け負った建設会社エッフェル社の社長である。

エッフェルは、1832年生まれ、建築物の構造設計を専門とするエンジニアだった。

当時の理工系学校の名門、エコール デ ポリテクニークを目指したが、受験には失敗した。しかし、エコール デ ポリテクニークと並び称される、エコール デ サントラルに入学、ここでなぜか化学を学び修めている。

さらに、卒業制作では、化学製品そのものではなく化学工場のモデル建設、これがエッフェルの将来を暗示していたと言って良い。

1966年に後輩の資産家をパートナーとしてエッフェル社を設立。そこからは、万博の展示場、駅舎ホール、チャペル構造、ガス工場、鉄道高架橋、可搬橋や可動橋、天文台の丸天井など多種の鉄骨構造建築物を多数建造している。

鉄は、19世紀の技術的象徴であり、当時、まさに石の建造物から鉄材を使った建造物に移り変わる瞬間だった。石の建造物に比べ、強靱で軽く、そのため基礎工事を簡単なものにすることができた。まだ、電気溶接の無い時代だったが、鉄骨材はリベットで接合することができた。そのため工場で正確に作った鉄骨材をリベットで接合していくことで建造物が完成した。その早さは、当時の基準で驚くほどの早さだったと言う。また、エッフェル塔の工事は、2年2ヶ月と言う驚異的な短期間工事でありながら、一人の事故死者も出していない。

晩年のエッフェルは、1900年頃、会社経営から身を引き、娘婿と旧友に会社を委ねた。本人は、エッフェル塔の4階にサロンを設置し、ここで気象観測、天体観測、生物学的観測、無線逓信研究にいそしんだ。

さらに、1903年、70歳をすぎて改めて風の制御に関する研究にとりかかっている。知的好奇心旺盛な彼は、科学的な風の解析をはじめ風の科学を確立し、風の現象を視覚化することにある程度成功している。このことは、1903年にライト兄弟の実験によって成功した、航空機の進歩にも多いに貢献した。

そして、1923年、自らが設計したパリの自宅で91歳の生涯を閉じている。

まさに、絵に描いたようなエンジニア人生を送ったエッフェルだが、彼は、ある程度、計画的に自分の人生をコントロールしている。しかし、全て成功だけで歩んだ訳でも無い。1884年には、タルド河のエヴォー高架橋を建設途中に倒壊させる大事故を起こしている。これが、あったために、建設現場での安全管理に深く配慮するようになり、エッフェル塔の工事では、一人の犠牲者も出さなかったのである。

失敗をもとに、次のステップを考え、同じ過ちを繰り返さない。これもエンジニアとして学ぶべき点だと思う。

この本は、エッフェルを紹介する本ではない。しかし、「はじめに」の部分で長々とエッフェルのことを紹介したのは、100年後に生きる我々にとっても彼の生き方には学ぶべきところが多いと考えたからである。

技術者=エンジニアとするならば、エンジニアとは何か、一言で言えば、発明するひとである。

エンジニア(Engineer)のEngine-の部分の語源であるラテン語ingeniumは、-gen-の部分が「生む」行為を意味している。同じ語源でIngenious(独創的な)という単語もある。加えて、1818年にイギリスで結成された世界最初の土木工学会では,エンジニアリング(工学)のことを「自然にある大きな動力源を人間に役立つように支配する術」と定義している。

この本では、現代に生きるエンジニアに対し、どんな計画を立てればエンジニアとして生きがいのある人生を送ることができるのか提案している。もっと言えば、エンジニアなのだから、計画を立てると言うより、まさに自分の人生を設計することを提案している。

情報化社会と言われる中で、知識そのものの価値は随分と下がった。しかし、その増えた情報・知識を駆使して新しいモノを生み出す知恵あるいは応用能力の価値は下がっていない。いや、むしろ上がっていると言って良い。組み合わせるパズルの量が増えたため、必要なものをピックアップし、組み合わせる能力はむしろ重要なのだ。そのために、何をすればよいのだろう。本書は、あなたのエンジニア人生を設計する上で、その元となる設計書を目指している。目的と機能を明確にして、合理的にあなたの才能や好きなことを表現できるようにするためには、どうすればよいのか、そこに注意を払っている。

私は、仕事の一部として、ここ数年、日本のエンジニアに取っては、最高の資格であると称されている、「技術士」試験のアドバイスを行っている。その中で、30代から60代まで様々な分野の専門技術者と巡り会うことができた。受講者の皆さんからは、「先生」などと呼ばれている。しかし、実はそうではない、より多くを学んでいるのは私自身だと思っている。「先生」は、受講者なのだ。

本の構成は以下のようになっている。

第1章から、3章までは、これまでのエンジニア、これからのエンジニアを大枠で説明している。また、技術士会が提唱している「π型」エンジニアについても、概念を説明した。設計の目的と言って良いだろう。

4章以降は、具体的な設計手法、手順を意識した作りになっている。また、最終章では、技術士を目指すことや、エンジニアとして独立することにも触れている。独立するしないは、あるていど個人的な好みにもよるだろう、私は偶然後者を選んだだけである。誰にでも勧めるという訳ではない。しかし、技術士取得の方は、誰にでも勧められる、特別に難しい資格ではない。計画的に勉強すれば1~3年程度で取得できるはずだ。無謀な試みではない。

本書が、若手エンジニア、あるいは中間管理職にあるエンジニア諸氏にとって、エンジニア人生を設計する良き手引き書になることを願っている。

けっして、たんなる学習の方法論を説いたモノではない。

 

 

仮題:『エンジニアの成長戦略』:

サブタイトル:企業が成長するんじゃない、成長するのはあなただ

(1節5ページ、1章7節で35ページ程度、全部で260~280ページ)

 

目 次 案(レジュメ案)

はじめに エンジニアは、自分の人生を設計すべき

 

第1章 エンジニアとはどういう存在なのか

「一度しくじつたからといつて目的を捨ててはならない、腹に決めた事は決めた事だ。」

シェイクスピアテンペスト」第3幕第3場(福田恆存訳)

  1節 エンジニアになったと言うことはプロフェッショナルの道を選んだということ

  2節 専門職への自己宣言

  3節 そもそも技術とはなにか

  4節 科学者は真理を見つけ出し、技術者は発明する

  5節 エンジニアの道は茨の道か?

  6節 プロメテウスの炎

  7節 エピメテウスになってはいけない

第2章 20世紀までの常識は捨てろ!

  1節 1996~2006年の10年で個人の接する情報量は〇〇〇倍になった

  2節 近年のトピック、発明のトピックから考えること

  3節 消えた技術はいくつある?

  4節 古いアイディア+古いアイディア+古いアイディア+・・・=斬新なアイディア

  5節 大人の発想力と子供の発想力

  6節 自燃型・可燃物・不燃物

  7節 21世紀のエンジニア

第3章「π」型エンジニアとは

  1節 技術士会が提唱している「π」型エンジニアの意味

  2節 2本足のエンジニアを目指す

  3節 異分野のエンジニアとは積極的に交わる

  4節 専門知識だけでは生き残れない

  5節 文系社員とのコミュニケーション

  6節 エンジニアのプレゼンテーション

  7節 あなたの成長戦略を計画する

第4章 知識をインプットして経験の糸でつなぐ

  1節 言葉・言葉・言葉

  2節 知識はしょせん雑学

  3節 経験の糸

  4節 コンピテンシィーを持つ

  5節 財務諸表を覚えるよりも経営感覚の方が大事

  6節 知財に関する法律はあなたを助ける

  7節 特許は誰のものか

第5章 組織と個人、それぞれのジレンマ

  1節 努力は必要だが精神論に逃げないこと

  2節 何がイノベーションのジレンマなのか

  3節 個人にとってイノベーション

  4節 組織のジレンマ

  5節 オクトパスポット(タコツボ現象のことです)

  6節 アイディアの生まれる場所

  7節 相手は人?それとも物?

第6章 技術をマネジメントする

  1節 なぜMOTを身に付けなければならないか

  2節 エンジニアは、マーケッティングを誤解している

  3節 経営者と技術者

  4節 インターフェースの必要性

  5節 CTO(最高技術責任者・Chief technical officer または Chief technology officer)

  6節 新事業を生み出すものは?

  7節 お互いに成長できる関係

第7章 キャリアップできる転職(ここから転職の説明、最後に独立のことも少しだけ)

  1節 時間?能力?どちらを売る

  2節 あなたの価値観・能力・興味は表現されているか

  3節 転職率は高くはない

  4節 経歴票は、業務報告ではない

  5節 同業他社への転職時に留意すべきこと

  6節 韓国や中国へ転職した際の技術漏洩、守秘義務の問題

  7節 女性エンジニアはここに注意

  8節 資格で独立できる訳ではない

  9節 技術士取得も考えて見よう

  10節 フリーエンジニアになるということ

 

おわりに どんな時代でも技術は必要とされる