takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

過去に向かって歩いてみよう-2

 昨日は、わずか7歩×0.7メートルで4.9メートルしか進みませんでした。しかし、時代は7千年前新石器時代の終わり近く都市や村落はできはじめています。まさに、文明の曙と言ったところです。もう少し歩いてみましょう。

 8歩目、世界各地で貝塚がつくられ始めます。撚糸文の尖底土器が作られたのもこの頃からです。日本列島は縄文時代早期〜前期です。この頃は、気温の上昇が続き植生が豊かになり、集落数も増加傾向にありました。おそらく、今よりも少し暖か気候だったのでしょう。

 9歩目、紀元前7000年です。南アジアのメヘルガル遺跡(現在のパキスタン辺り)で定住農耕生活が始まりました。北西ヨーロッパには森林が広がり、狩人達は新たな狩猟具を手にして獲物を追い始めていた。それは、投げやりに替わって、命中精度が高い弓矢です。この後、弓矢は急速に普及します。考古学的には、中石器時代と呼ばれるのもこの頃です。北アメリカでは、気候が温暖化し、マンモスは姿を消しました(人間が食べてしまったのが大きな理由です)。

 10歩、スタート地点から7メートルです。しかし、あなたの眼前には1万年前の風景が広がります。旧石器時代は、終りました。西アジア~西ヨーロッパ・北アフリカエーゲ海で、細石器が普及します。フランスのトゥールーズ近郊マス・ダジール(アージル文化の標準遺跡)の中石器文化栄えます。日本でも、縄文時代前期です。

 11歩目、紀元前8300年〜前7300年。エリコで周囲を石壁で囲った集落が現れました。エリコとは、死海北西部にある町です。古代オリエントの中でも古い町で、紀元前8000年紀には周囲を壁で囲った集落が出現した。世界最古の町と評されることもあります。また、世界で最も標高の低い町です。

 12歩目、完新世に入ったのはこの頃でしょう。完新世の前、更新世は、200万年前から約1万年前まででした。完新世は、1万年前から現在です。1万年なんて言うともの凄く古時代だと思いますが、地球史的に見ればごく最近です。なにしろ、まだ12歩、8.4メートルしか歩いていません。最後の氷期と言われるヴュルム氷期が終わり、地球全体が温かくなりました。しかし、寒の戻りと言うか、温暖期の後にも寒冷化する新ドリアス期(亜氷期)と呼ばれる期間もありました。地球各地が湿潤化して森林が増加、逆に草原が減少してマンモスやトナカイなどの大型哺乳類の生息環境が縮小したと言われています。ですが、私は人間が絶滅させた説を支持します。