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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-9

科学技術

 ティアックは、昭和28年(1953年)に設立した会社です。ただし、設立した当時は、東京テレビ音響株式会社(後のティアックオーディオ株式会社)でした。設立地は、当時の東京郊外ベットタウンだった東京都武蔵野市です。設立後わずか3年の1956年、東京電気音響株式会社を姉妹会社として設立この会社が後のティアック株式会社となります。1964年、ティアックオーディオ株式会社とティアック株式会社が合併、現在のティアック株式会社となりました。

 以前、オーディオメーカの社名を列記した時は忘れていましたが、高級民生品のブランド名として「エソテリック」を使用していました(今もあります)。また、業務用機器のブランドとして「タスカム」も使っています。

 ティアックのオーディオ製品は、全般的にゴツイ、厳めしいイメージの強いものが多く、ビクターやヤマハ、デノンとは趣の異なるメーカです。しかし、なぜか英国のスピーカーメーカ「タンノイ」の輸入代理店でもありました。ですから、業務用音響機器のようなデザインのアンプやテープデッキと、優雅なデザインのタンノイスピーカの組合わせに違和感はありました。もっとも、ただ輸入代理店だっただけなのかもしれません。タンノイのスピーカは、薄めの板を使ったキャビネットでキャビネットを上手く響かせて聞き心地の良い音を聴かせるタイプのスピーカでしたから、ティアックの設計思想とは逆の考えです。

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 上の写真はタンノイのCanterbury15とテアックのアンプAI-301DA(何となく合いませんよね)。

 ちなみに、ティアックの高級オーディオブランド「エソテリック」の超弩級CDプレーヤ「K-01X」をご存じでしょうか。価格は145万円(安めの自動車なら新車が買えます)、重量は31キロもあります。3.1キロではありません、31キロです。小学校5年生の体重ぐらいです。CDとSACDを再生するだけで、アンプやスピーヵは別に必要です。内部は全てシンメトリー構造、電源部分まで左右を独立させた作りになっています。理屈の上で音質に悪影響があると思われる部分は全て排除した作りになっていますから、145万円になってしまいました。もの作りは何でもそうですが、コストを気にせず拘って作ればみな高価格になってしまいます。

 さて、オープンリールデッキで売り上げを伸ばしたティアックですが、現在はオープンリールデッキを作っていません。逆に民生用でダブルカセットデッキの生産は続けているようです。現在、このようなカセットデッキがどれくらい売れているのか分りません、しかし、作っているところも少ないでしょうから需要と供給のバランスは取れているのでしょう。

 一方、オープンリールの世界から足を洗ったティアックですが、業務用の世界ではオープンリールデッキがまだ使われています。なぜかというと、デジタル録音機は、規格が変わりやすく将来に不安があるからです。そのため、アナログで録音しておけば、その時その時のデジタル録音機にデータ変換すれば良いので、日本だけではなく、米国やEUでもアナログ録音は残っています(と言っても全体の25~30%程度)。

 オーディオメーカは、日本の高度成長期のベンチャー企業です。今は、どこも経営が苦しいようですが、どのメーカにもiPodを作る技術はあったはずです。拘りを棄てずにガレージメーカとして生き残るのか、新たな音の世界をイノベーションで切り開くのか、私は今後もオーディオメーカに興味を持って観察し続けると思います。