takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-8

 商品化された、世界初のテープ録音機「アンペックス200」は、音楽・放送業界に大きな影響を与えました。今では当たりまえですが、何しろ録音した素材を編集し必要なところだけ取り出すことができるのです。1本のテープなのでランダムアクセスには弱いのですが、それを補ってあまる大きな能力がありました。

 日本コロンビアは、1948年にLPレコード盤を発表しています。そのLP盤製作のために「アンペックス200A型」を購入したようです。

 当時、レコードはSP盤の時代でした、SP盤は毎分78回転、毎分33回転のLPより2倍以上も早く回転します。10インチと12インチのサイズがありましたが、録音時間は12インチのもので片面5分程度です。一方、LP盤は片面20分以上録音できました。商品としては優れていたのですが、制作側は大変です。と、言うのは当時レコード盤はダイレクトカッテング方式で録音するのが一般的だったのです。ダイレクトカッテング方式は、後年になって音質が良いということで一部のオーディオマニアに受け入れられ、高音質レコードとして普通より2~3割高価な価格で販売されました。しかし、20分の演奏を1発で録音するのは演奏者にとっても負担が大きくLPの録音を嫌がる奏者も多かったようです。

 しかし、高音質で録音でき、さらに録音した後で編集までできるテープ録音機が登場したことでレコード業界は変わります。日本国内で最初にテープデッキを発売したのは東京通信工業(現在のSONY)です。1950年のことでした。SONYは同じ時期に紙テープに磁性体を塗布した紙テープ式録音機も発売しています。そのあたりのことは、SONYのWebサイトにある歴史館に詳しいので興味のある方はぜひどうぞ。

 明日は、ティアックのお話です。