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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-6

 今日は、カセットテープのお話です。

 普及したかしないかは別にして、カセットテープにはいくつかの規格がありました。その内、日本及び海外でもっとも普及し広く使われたのは「Cカセット」つまりコンパクトカセットテープです。この他、少し前までマイクロカセットテープが家庭用電話機などに使用されていました。また、今ではICレコーダですが、携帯録音機でもマイクロカセット活躍しました。

 コンパクトカセットは、オランダのフィリップス社が開発し特許を取らずにオープンにしましたから、すぐに普及したのです。ただ、発売当時はモノラルであり、ステレオになったのは数年後、また、音楽を録音して聴くための媒体と認識されたのは1970年頃からです。それまでは、オープンリールテープが活躍していました。

 ここで、若い方は知らない幻と消えたテープを紹介します。その名は「エルカセット」、「オープンリールの音をカセットに」と言ってソニー松下電器(現パナソニック)、テアックの3社が提唱し発売したものです(商標登録はソニーが持っていました)。

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 写真の小さいテープは、マイクロカセットではありません。小さい方が、普通のコンパクトカセットテープ、大きい方がエルカセットテープです。

 発売は、1976年でしたが、1979年には再生装置が発売中止になりました。ビックリするほど短い期間です。ただし、音は本当に良かったのです。発売中止になって数年経ってから、私は、あるオーディオマニアの家でエルカセットを見せて頂き、その音を聴かせてもらうことができました。音源はFM放送でした。当時のカセットテープにあった、高音域のノイズが少なくとても聴きやすい音だったことを今でも覚えています。

 しかし、結局のところ、メーカは売れる物に金をかけて改善します。爆発的に売れ出したカセットテープは、どんどん改良されノイズリダクション、メタルテープとテープの品質もよくなりエルカセットの長所は目立たなくなります。逆に、大きくて嵩張るという短所は初めから見えている訳ですから、後はあっという間の勝負でした。

 一方、エルカセットの技術は、その後、ビデオテープに活かされます。VHSもベータもエルカセットの技術を応用して改善されたようです。

 余談ですが、ビリー ジョエルの「ストレンジャー」は、このエルカセットでもミュージックテープとして発売されています。