takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-2

 良い再生装置とは何か。

 別に難しい話ではありません、オーディオという再生装置について語る上で、ここは避けて通ることができない部分です。

 良い再生装置とは、

「音の良い再生装置」

「忠実に原音を再生する装置」

「低音から高音まで再生領域が広い装置」

「音場を再現できる装置」

等、人によって様々です。

 そこで、私の定義を明確にして今後の話を分りやすくします。私が良い再生装置と認める基準は、ソース(音源)に記録された音を極力そのまま再生する装置です。言い方を変えれば「何も足さない、何も引かない」とコマーシャルの宣伝文句になります。

 それでは、忠実な原音再生かと言うと、それは違います。例えば、録音装置を野外に持ち出し、鳥のさえずりやSL列車の汽笛の音を録音し、部屋に帰って再生してニンマリする。と言うオーディオの使い方であれば、原音の定義は比較的簡単です。目を閉じて鳥のさえずりを再生して目の前に鳥がいるように聞えれば良いのです。また、音楽の中でもクラッシックなら原音の定義は比較的明確でしょう。ピアノやバイオリンのソロコンサートならやはり目の前で弾いているように聞えれば良いのです。

 しかし、ニューミュージック・ロック系の音楽になると原音の定義は不明確になって来ます。原音を聞きに行こうと思ったらコンサートに行くでしょう。コンサートでは、巨大なスピーカーから音を出して広い会場で大勢の観客に聞えるようにしています。この時、ボーカリストの声は、人の声として再生すべきでしょうか、それともコンサート会場で聴くスピーカーから出る音として再生すべきでしょうか。どっちが原音ですか?

 もちろん、正解なんてありません。人それぞれです。ただ、私の場合は、これも簡単です。レコード、CD、DVD、その他アーティスト達が作る様々な音源はやはり彼・彼女らの作品です。ですから、音源に録音された音を忠実に再生すべきと考えます。一流のシェフが作った料理に自分で味を付け足さないのと同じです。それで、この音は嫌だと思ったら次は購入しなければ良いのです。

続きます。

(それとタイトルから「の」を一つ取りました。)