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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

倫理問題を考えよう:冷たい方程式-3

 冷たい方程式には、もう一つ問題があります。

 大抵のパイロットは、1~2回密航者と遭遇すると言うほど密航されやすいなら、飛び立つ前にもう少ししっかりチェックしろと言うことです。この話の中でも、密航者は温度センサーで簡単に見つかっています。だったら、飛び立つ前にそのチェックをすべきです。今まで、一度もそんなことは発生していないというならまだ、分ります。しかし、たびたび密航者事件が発生しているなら、「密航者はただちに宇宙空間へ放棄すること」なんて法律を作るより、密航者が入り込めないようにチェックを厳しくする方が先です。これでは、まるでねずみ取りではありませんか。密航しやすいようにしておいて、飛び立ってから密航者を宇宙空間へ放棄する。では、もしこの時密航者が強力な武器で武装していて、パイロットが逆に殺されるような事態になったらどうするつもりなのでしょう。

 評判の高い小説だったため、期待が大きすぎたのかもしれませんが、もう一度まとめると、私は以下の部分が残念でした。

  • 人を殺す(宇宙空間へ放棄する)という重大な行為に対してあまりに軽く書いている。
  • 狂暴そうな男なら、すぐに宇宙へ放棄して18歳の女なら悩むというのも無茶。
  • 重量だけの問題なら解決方法はありそう。
  • 何度も密航されているなら、そのたびに密航者を宇宙空間へ放棄するより、密航できないように厳重な警戒をすべき。
  • 密航者が、強力な武器を持っている可能性を想定していない。

 こんなところだと、思います。おそらく、「トロッコ問題」ほど有名にならなかったのは、上のような欠点があるからだと思います。

 次は、藤子不二雄の小説「カンビュセスのくじ」問題なのですが、30日が技術士筆記試験の結果発表ですので、倫理問題を考えようは、2回ほど休みます。