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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

倫理問題を考えよう:トロッコ問題-2

 この問題も、派生問題が色々あります。少し条件を変えて見方がどう変わるかを見るためです。本質的には同じこと、言い換えると5人を守るために1人を犠牲にするのは良いか悪いかを考えるのですが、昨日の話のように全く逆の結果になるのはなぜでしょう。5人を守るために進路を変えて1人を犠牲にするのはOKで、5人を守るために橋の上にいる大男を突き落とすのはダメと考える理由です。

 功利主義(最大多数の最大の幸福)に基づいて考えれば1人を積極的に犠牲にすることで、5人を助けるのは良いことです。ですから、上記のどちらも許されなければなりません。ですが、大勢の人は、無関係な人を殺すのは良くないと考えます。反対側の線路で働いている人も関係ないはずですが、そのように考えます。

 一方、義務論に従って判断した場合(義務論では、誰かの命を他の目的のために利用すべきではないと考えます)は、上記どちらにも反対すべきです。何もしては、いけません。

 では、もっとシステム的に考えましょう。

 トロッコは無人運転です。見えている場面はほとんど同じです。トロッコの走る先には分かれ道があり、右側では5人が作業を行っている、左側では1人です。また、もっと手前には線路の上に架かった橋があり大男はその上で景色を眺めています。ただし、大男の立っている場所には仕掛けがあり、あなたの目の前にあるハンドルを回すと足下のハッチが開き男は線路に落ちます。加えて、あなたの目の前にはもう一つのハンドルがあります、それを回すことでトロッコの経路を右か(5人いる方)、左か(1人の方)に進めることができるとします。

 一つ目のハンドルを切って大男を落しますか、二つ目のハンドルを回して1人の作業員の方へトロッコを進めますか。動作は同じです、No1かNo2を選ぶだけです。私もそうですが、ほとんどの人は、No2のハンドルを切ると思います。では、左の線路上では5歳くらいの幼稚園児が遊んでいるとしたらどうですか。園児を殺して5人の大人を守りますか、もちろんその人たちにも家族がいます。もしかしたら5歳くらいの子供もいるかも知れません。私の知る範囲では、この場合橋の上の大男を落してトロッコを停止させると考える人が多いようです。

 やはり、直感的な感覚が良い悪いを決めているようです。