takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

倫理問題を考えよう

 悪い癖ですが、途中でテーマを変更します。 哲学の話も止めるわけではありません。技術士試験にも役立つし、何より私自身とても興味のある問題なので書いてみたいと思っています。書くことで考えることができるからです。

 さて、その技術者倫理ですが、倫理の問題を考えようとすると必ずジレンマ、矛盾にぶつかります。むしろ、ぶつからないときは考えが足りないと言って良いくらいです。そこで、今回から数回に分けて技術者の倫理問題を考えるために都合の良い事例、問題を取り上げながらその問題について考えてみたいと思います。私の立場(意見)は明らかにしますが、それが正解ではありません。皆さん自身で考えて下さい。
 それと、技術士試験で総合技術監理部門を受けている方は、口答試験のときに似たようなことを質問される場合もあります、突然質問されるとビックリして答えられなくなります。あらかじめ考えておきましょう。ただし、技術士試験のときは、公衆の安全が第一です、それ以外の部分に重きを置いて答えると不合格になります。注意して下さい。

今回取り上げるのは、以下の5例です、どれも倫理の世界では有名な問題ですが、極簡単に紹介します。

 

1)臓器くじ問題:公平なくじ引きで、一人の健康な人を選んで殺し、その人の臓器で5~6人の人間に臓器を提供して助けることは良いか悪いか?
2)トロッコ問題:線路上で作業をしている作業員、ポイント切替えで右に行くと5人、左に行くと1人がトロッコに轢かれてしまう。あなたはトロッコをどちらに行かせる?
3)冷たい方程式:60年前のSF小説、小惑星に向かっている一人乗りの宇宙船。小惑星では、致死性の病気で6名が死にそうになっています。宇宙船には病を治すことができる血清が積んであります。しかし、宇宙に飛び立ってからすぐに宇宙船には密航者がいることが分りました。密航者を乗せたままでは、宇宙船は小惑星に到着できず、全員が死んでしまいます。つまり、パイロットは任務を果たすためには密航者を宇宙空間に放り出すしかありません。あなたならどうする?
4)カンビュセスのくじ問題:藤子不二雄のSF小説、これは話が長くなるので本番の時に紹介します。
5)トリアージ問題:大規模災害時に、病院施設で処理能力を超える負傷者や疾病者が来院した場合、優先順位をつけて治療するか、あくまで公平に来院順に治療をするのか?

 

 こんな、感じの問題です。細かく書くと微妙に異なるところもありますが、それは各問題を取り上げた時に修正して説明します。

 ちなみに、私は功利主義者ではありませんから、「最大多数の最大幸福を」目指すべきとは考えません。明日から考えましょう(今日から?)。