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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

安全な社会-7

科学技術 日常

 交通事故は少し置いて、海や山での遭難あるいは、自然災害での死亡事故はどうでしょうか。「平成25年度警察白書」にはこんなデータがあります。

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 遭難事故件数は、山と海でほぼ同じくらいです。あるいは山の方が少し多いと言って良いでしょう。しかし、死亡事故に繋がる事故は海難事故の方です。死者数で言うとおよそ3倍。毎年、海と山で3,000~4,000人が遭難事故に遭遇し、その内、山では300人、海では900人が亡くなっています。当然の話ですが、人間は水中で生きられませんから、事故に遭ったときは海の方が命を失う確率は高いのです。

 自然災害で見ると、東日本大震災での津波による死者数の多さに驚きます。今さらと言う方もいるかもしれませんが、時間の長さで考えたらせいぜい1時間の間でしょう。皆さん、今から、1時間以内に自分は自然災害で「死ぬ」と想像できますか。大震災では、2万人が亡くなっています。

 一方、地震を除けば日本の場合、恐ろしい自然災害は台風です。「地震、雷、火事、親父」と言いますが、現在、雷はそれほど恐ろしい災害ではありません。しかし、地震は前述の通りですし、火事(年間2,000人の死者数)と親父は今でも恐ろしいものです。

 念のためにご説明しますが、ここで言う「親父」はあなたの「お父さん」、「ダンナさん」のことではありません。「地震、雷、火事」と災害が並んでいるのに、人間の男性が同列に並ぶ訳がありません。「親父」とは「大山風(おおやまじ)」つまり台風のことです。もっとも、近世までの日本では家長の権限は強かったですから、恐ろしい台風である「大山風」に「親父」を掛けたのは事実です。現代のお父さんなら春風ぐらいなものでしょう(国語学上は異論もありますが、私は面白い説なので大山風説を支持します)。

 ごく最近の台風被害を見ると、平成25年10月の台風26号(死者行方不明43人)と平成16年10月の台風23号死者行方不明98人)が大きな被害をもたらしています。地震と異なり台風は高い精度でどの辺りに上陸するかが分かり、時間帯も予測できます。それでも、なおこれだけの被害はでるのは運用システムに問題があるからです。亡くなった方は帰りません、被害が発生しそうな時は躊躇してはいけないのです。予測が外れて被害が少なかったとしてもクレームの数は知れています。

 親父(大山風)の被害を減らすには工学的見地からよりも、行政側から対処した方が早いと思います。国や気象庁は、台風のデータを解析しないで地方行政に渡していると聞いたことがあります。プロの予報官が揃っているのですから、生データを渡すのでは無くもう少し地方行政側に合わせた形で提供できないのでしょうか。市町村の防災担当者なんて、ほとんどの場合他の業務と兼任です。また、気象に関しては素人だと思います。国の機関なら、気象のプロも危機管理のプロも大勢いるでしょう。情報の提供の仕方を考えて下さい。土砂が崩れてから「災害対策本部」を作ったって遅いのです。