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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

安全な社会-5

 交通事故に関して少しご説明します。1970年の日本は高度成長、大阪万博と明るい未来を描いていました。しかし、その陰で「交通戦争」と呼ばれるほど交通事故で亡くなる方は増えていました。

 警察の取り締まり、飲酒運転の重罰化、シートベルト、エアーバック、救命医療の発達により、交通事故死は1970年の16,765人から2009年の4,914人まで40年で1/3に減っています。もっともこれは、事故から24時間以内の死者数で、欧米他、世界各国が用いる事故後30日以内の死亡者数は2009年で5,772人です。24時間のデータをとっているのは日本だけかもしれません。しかし、その御陰で24時間と30日を比較することもできます。この場合も、高齢者の方が死ぬ確率は高くなっています。言い換えると回復しないのです。

 一方、歩行者の死亡事故が多いのも日本の特徴です。先進諸国のデータでは、歩行者が交通事故に巻き込まれる事故は以下のように少ないのです。

以下、内閣府平成26年版交通安全白書(データは各国とも2011年のもの、また、死者数は事故から30日以内)

 

        全交通事故死者数 内歩行者 内自転車

アメリカ        32,885   4,280   618

カナダ         2,227    2,940   50

オーストラリア     1,277     185   34

ドイツ         4,009     614   399

イギリス        1,960     466   109

フランス        3,963     519   141

スウェーデン       319     53    21

イタリア        3,866    1,088   1,661

オランダ         546     65    144

日本          5,507    1,987    864

 

 イタリアも歩行者の死亡が多いのですが、日本も負けていません。イタリアは自転車の死亡事故が他の国を圧倒していますが、日本の場合自転車に乗って事故死するのはイタリアの半分です。歩行者+自転車の人が交通事故死に占める割合は、日本が51.7%、イタリアが71.1%です。

 ただし、人口10万人当たりの全交通事故死の人数は、日本が多いという訳ではありません。イタリアの人口は、およそ6,000万人で日本の半分です。

 人口10万人あたりの交通事故死数を考えると、アメリカは10万人当たり10.4人と多いのですが、日本は4.1人です、ついでにイギリスは2.8人、ドイツは4.4人、フランスは5.8人です。日本の交通事故死の特徴は、あくまでも死亡事故の中で、歩行者が占める割合が多いということです。それと誤解しないで欲しいのですが、集団登校中に児童が事故死に遇うという痛ましい事故は滅多にありません。歩行者や自転車の人が交通事故死するのは、交差点付近が多いのです。

 皆さん、道路を歩くときは交差点に注意しましょう。

 これも蛇足です。乗り合いバスの中で転んで死亡した場合、交通事故死となります(年間1~2人)。