読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

脳は7%しか使っていない?

科学技術

 ちまたで、喧伝されている迷信に「人間は脳の7%しか使っていない」、あるいは「7%しか使うことができない」と言うアホな話があります。「だから、この〇〇を使ってあなたの使われていない潜在能力を目覚めさせれば、超能力者になる」ことができると言うわけです。

 だいたい、こんな数値どうやって測定するのでしょうか?これは、脳中の細胞、つまり神経細胞とグリア細胞の割合から間違って喧伝されたお話です。脳の細胞には大きく分けて2種類の細胞があります。ニューロンを代表とする神経細胞と、神経細胞に対して20倍~50倍は多いと言われるグリア細胞です。当初、このグリア細胞は神経の伝達に使われていない。神経細胞を固定するだけの、膠(にかわ:英語では glue)のような役目の細胞と言われそこから大きな誤解が生じたようです。

 実際には、近年になって、多種多様な神経伝達物質の受容体が発現していることが発見され、グリア細胞自身もイオンを放出することも分かりました。要するに、神経細胞のみが担うとされてきたシグナル伝達等の動的な役割も果たしていることが示されているのです。

 現在の研究では、グリア細胞が、ニューロン活動に伴って、ニューロンとは異なる仕組みで神経伝達物質に応答し「活動している」ことが分かってきました。言い換えると、グリア細胞が、脳の情報処理機能に直接関与している証拠が見つかってきたわけです。しかしこのようなグリア細胞の機能は、これまでの研究ではほとんど無視されてききました。脳を7%しか使っていない脳科学者によってです。

 ニューロン研究だけで、脳機能発現のメカニズムを説き明かそうと考えてきたこれまでの脳科学研究の進め方には、根本的な見直しが必要になります。その研究では行き詰まっているからです。今後、グリア細胞を含めたシグナル伝達の仕組みを詳細に研究に研究することでアルツハイマー等、脳機能に関する未解明の病気もいずれ解明されることになると思います。

 繰り返します、脳が7%しか使われていない等と言うのは大間違いです。「潜在能力」と言う」言葉に注意しましょう。