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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

一般向けの科学の本、最良の本はこれです。『ガリレオの指』第3章-エネルギー-収支勘定の通貨-2

科学技術 書評


 やはり書きかけのものは、終わりまで書きます。

 

 熱力学的をに絞った本なら同じアトキンスの『万物を駆動する四つの法則-科学の基本、熱力学を究める』-早川書房:斉藤隆央訳・2009年2月25日初版発行、の方がより詳しく分かりやすく書いてあります。『ガリレオの指』では、10分野の一つとして紹介されていますから、やはり限界はあります。

 

 熱も仕事もエネルギーの一形態です。これを考慮に入れればエネルギーの収支勘定は変化しないということが、ジュールや同時代の研究者の成果によって立証されたのは間違いありません。

 

 エネルギー保存則は普遍的に成立します、宇宙のどこでも成立します。ですから、永久機関が作れる可能性は排除されます。「永久機関」とは、燃料を消費せずに仕事をする装置です。言い換えると無からエネルギーを生み出す機関のことです。エネルギー保存の法則は、科学の法則の中でももっとも確信を持って言える法則なので、科学者はこの法則を覆す主張をする人を相手にしません。また、特許庁永久機関の特許は受付ません。審査もしないのです。

 

 ここでアトキンスは、「熱」を解説します。「熱」とは何か、熱は、温度差によって伝達されるエネルギーです。エネルギーは、温かい(温度が高い)ものから、冷たい(温度が低い)ものへ流れます。しかし、熱源に蓄えられている「熱」はありません、また、受け取る側に蓄えられる「熱」もありません。一方、エネルギーは、熱源に蓄えられています。例えば、水が蒸発したり、氷が解けたりするのはエネルギーが増しているからです。 このときエネルギーは、熱源から物体に、熱の媒介を経て伝達されたことになります。熱は伝達をおこなうものであって、伝達されるものではないのです。

 

 ミクロな世界を観れば、エネルギーが熱として伝達されるとき、原子が無秩序な運動をします。温かい物体とその伝導面(水平の板)の原子が、それぞれの位置で激しく振動し、ぶつかりあうのです。このぶつかりあいによって周囲にエネルギーが伝達され、周囲の原子がその熱運動をとらえるのです。

 

 アトキンスは、しつこく繰り返します。原子がランダムに振動する運動を、「熱運動」と言います。しかし、これは熱とは違うものです。熱はエネルギー伝達の方式なのです。ですから、エネルギーが熱として、あるいは加熱によって伝達されることを語るのに便利な言い方だと理解しているのでないかぎり、「熱が伝達される」などと言ってはならないのです。熱は、名詞ではなく動詞と考えるべきだと言うのがアトキンスの主張です。「熱エネルギー」、そんなものは存在しません。あるのは、運動エネルギーと位置エネルギー、それと放射エネルギーだけなのです。

 

今後の予定

 

 手持ちの本の中から分野毎のベストスリーを発表します。もちろん、私の独断と偏見による評価です。以前は、読書メータで書評を書こうと思っていたのですが、実質ほとんどできませんでした。ブログだけで書きます。書きたいことはたくさんあるのですが、時間がないのです。先月から会社に泊まることも増えています。と、ぼやいても仕方がありませんね。

 

 その後の話です。今年の11月に「薬事法」が「医薬品医療機器等法」と名前も変り大改正して施行されます。その解説や用語集、法律文書の口語訳などを書く予定です。ただし、その時は自分のWebサイトを作ることになるかも知れません。そうなると、ブログを続けるかどうかは、微妙です。片方はビジネス、もう一方は私的なことと分けて書いている方もおられますが、私の場合とても時間の確保ができません。もともと、独立を目指しての情報発信だったのですが、だんだん独立とは何の関係もない話に移ってしまって、軌道修正が必要になりました。

 

 読んで下さる方にとって少しでも面白かったり、ためになったりすることを書こうと思っています。法の定めるところによると、技術士は「科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的」として活動する必要がある訳ですから、今後もそのように活動します。