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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

海が汚れていく、小さな石油流出も積み重なると・・・

 先月(3月)21日、テキサス州ガルベストン湾で漏れ出た63万5000リットルの石油のような明白な石油流出は通常、油にまみれて真っ黒になった野生動物の写真を伴って世界的なニュースとなります。

 

 例えば、毎日新聞には以下のような記事が載っていました。

 

ガルベストン湾石油流出で水鳥に危機

2014年03月25日

 21日、テキサス州のガルベストン湾で63万5000リットルの石油が流出した。専門家によれば、何千羽もの鳥たちの重要な生息地となっている保護区が脅威にさらされているという。

 ヒューストン市中心地から南東約150キロ、取扱貨物量全米第2位のヒューストン港の一部である運河ヒューストン・シップ・チャネル(Houston Ship Channel)で、他の船と衝突した艀(はしけ)から石油が流出した。

 事故はボリバー半島(Bolivar Peninsula)から約13キロの地点で起きた。ボリバー半島にはボリバー・フラッツ海鳥保護区(Bolivar Flats Shorebird Sanctuary)があり、ぬかるんだ干潟にガンやアヒル、サギなど多数の水鳥が暮らしている。

 政府は直ちに対応を開始した。漏れ出した石油を除去するとともに、損傷した艀からのさらなる流出を食い止めるため、24隻の船を出動させた。艀は340万リットル以上の石油を積んでいた。

 沿岸警備隊によれば、事故現場の周囲と流出の影響を受けやすい海岸線に約2万1000メートルのオイルフェンスを設置したという。

 オーデュボン協会のヒューストン支部、ヒューストン・オーデュボン(Houston Audubon)で保護活動の責任者を務めるリチャード・ギボンズ(Richard Gibbons)氏は、これまでに50羽余りの石油にまみれた鳥が見つかっており、捜索を拡大すれば、その数はさらに増加する可能性が高いと述べている。

 2010年にメキシコ湾で起きた石油流出事故では、何百羽もの鳥が石油で汚染された。「それに比べれば、石油の量は少ない。ただし、鳥たちにとって極めて重要な場所からとても近い位置に流出している」とギボンズ氏は話す。

 

 

 

 しかし、実はこのように公表される事象(事故)は、海洋石油汚染の全体からすればほんの一部でしかありません。 

 

 事実、米国科学アカデミーの全米研究評議会が発表した2003年版「Oil in the Sea III」の報告書によると、 人間の活動によって毎年数千万リットルの石油が北米の海洋に流出しているが、そのうちタンカーや石油パイプ ラインからの流出はわずか8%程度だと言うことが分かってきました。 

 

 ほとんどの石油汚染の実像は、「ニュースで見るタールに覆われた海岸やその中で立ち往生する海鳥の映像とは異なっている」と、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の生物地球科学者デイビッド バレンタイン教授は語っています。 

 

 では、海に流出する油の元は何でしょう、以下のような原因が全体の90~70%を占めています。

 

1.自然湧出 

 

 米国科学アカデミーによると、地下に埋蔵された石油の自然湧出は、北米海洋への推定全体流出量の60%、地球全体でも40%を数えます。 

 

 このような湧出は、水よりも軽い石油が高圧の海底岩から海水へと流れ込んで起きます。カリフォルニア州サンタバーバラ沖では、海底の割れ目から毎日20~25トンもの石油が流れ出ていることが確認されています。サンタバーバラの海底湧出を研究しているバレンタイン教授によると、ほとんどの天然石油は、特定の石油分子 を食べるように進化した海洋バクテリアによって消費されます。 

 

 しかし、「自然湧出のない場所で石油漏れや下水管からの石油汚染が起こると、微生物は適応する機会がなか ったため、別の反応を示すだろう」と、マサチューセッツ州にあるウッズホール海洋研究所の名誉学部長で海洋 地球科学者のジョン ファリントン教授は説明しています。 

 

2.自動車とその他の陸上車両 

 

 バレンタイン教授によると、「とても大きな問題”は、暴風雨によって道路や地表から石油が海へと流れ込むこと」だそうです。ほとんどの車が浸透性のないコンクリートアスファルトなどの地面に油をたらし、その油は最終的に海へと流れ出ます。カリフォルニアのような乾燥した地域では、アスファルト上に石油が蓄積し、たまに雨が降ると、雨水が大量の油を海へと運び込むことになります。 

 

 40~50年前に比べるとモーターオイルのリサイクルはかなり進んでいるのですが、まだ多くの車やトラックからアスファルト上に油が少しずつ漏れ落ちて、流出汚染を引き起こしていると同教授は述べています。 

 

 陸上からの石油流出では、「(道路上の砂などと混ざり合った)石油が海中を漂って海水と堆積物の間を移動するため、効果的に追跡することが困難となり、実に複雑な問題である」。と言うことですが、まだまだ未解明の部分が多いようです。 

 

 その他、ウォーターバイクや他のレクレーョンボート等からの流出も1件当りは少ないのですが地球全体でみると大きな量になるものもあります。

 

 この、陸上からの石油流出は、気がつきませんでした。でも、言われてみれば当たり前ですね。海は、許容量が大きく、二酸化炭素も流れ出した油も何でも包み込んで薄めてくれますが、何時かその許容量に限界がくると思います。地球には、過去に「ビック5」と呼ばれる5回の大量絶滅を経験しています。6回目は何時でしょう。