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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

福島原発事故-5

当時の状況

 

 原子力発電機は、「原子炉建屋」と「タービン建屋」の2つで構成されています。一次冷却材ループと呼ばれる炉心を通る水の系統と、使用ずみ核燃料、原子炉格納容器があるのは「原子炉建屋」です。逆に「タービン建屋」には、タービン発電機、復水器、給水ポンプ、非常用電源(小型のデーゼル発電機)などが格納されています。

 福島第一原子力発電所を上から見ると、敷地の一番北側に6号機、そのすぐ南側(下隣)に5号機があります。その南側には「免震重要棟」と呼ばれる緊急対策本部を設置する建物があり、さらにその南側(上から見ると下側)には、1号機~4号機が順に並んでいます。発電機は、海に面していますが、その海側に「タービン建屋」、隣接して陸側に「原子炉建屋」があります。

 2011年3月11日14時46分18秒、東北地方太平洋沖地震が発生しました。この時、その8.6秒前、気象庁は、緊急地震警報を発信しています。また、地震波検知の3分後には津波警報も発信しています。日本人は、この警報に対して特に驚くことはありません。しかし、こんな警報を出せる国は今のところ世界で日本だけです。この警報を元に、新幹線は緊急停止を行い、道路の信号は赤に変り、エレベータも停止します。もちろん、原子炉も制御棒が挿入され緊急停止します。

 津波の第一波が、福島原子力発電所に押し寄せたのは、地震から40分後の15時27分頃です、しかし、第一波の津波はほとんど問題がありませんでした。ダメージを与えたのは、その8分後15時35分に襲来した津波です。第二波の津波高さは、第一原発で11.5~15.5メートル、福島第二原発では、12~14.5メートル、宮城の女川原発では13メートル、東海第二原発が3メートルでした。

 では、福島第一原発は海からどれくらいの高さにあったのでしょうか。繰り返しますが津波の高さは11.5~15.5メートルです。

 古い方の1号機~4号機は、海抜10メートル、新しい方の5,6号機はそれより3メートル高い海抜13メートルでした。建築時に想定した津波の高さは3.1メートルだったそうですが、2002年に見直し修正し5.7メートル、2009年には6.1メートルの高さまで見直し修正されています。ちなみに、海面の高さは常に変化します、そのため小名浜港工事基準面と呼ばれる基準海面を決めて「O.P.」と呼ぶことになっています。ですから、津波の想定高さは「O.P.+6.1メートル」と表示されます。

 いずれにしても、O.P.+10.0~13.0の高さに建設された原子炉建屋は15.5メートルの津波にのみ込まれてしまいました。海側にあったタービン建屋の中には、非常用電源や海水ポンプがありましたが、原子炉よりも先に全滅しています。つまり、非常時に使うはずだった設備が、本体よりも先に壊れてしまった訳です。これでは、どうにもなりません。非常用電源であるデーゼル発電機は数台あって、「これが壊れてもそれが、それが壊れてもあっちが」となっているのですが、全て同じところにありますから、津波の一撃であえなく討ち死にです。「もう少し考えろよ」と思ったのは私だけではないと思います。