takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

2001年宇宙の旅・便乗-2

2001年宇宙の旅」ですが、昨日改めて見直しました。あれは、数十万年ではなく百万年以上前の人類ですね。多分ホモ ハビリスがモデルだと思います。現在分かっている限り最も初期のヒト属だったホモ ハビリスはヒト属の中では現生人類から最もかけ離れており、身長は130cmと低く、不釣合いに長い腕を持っていたようです。恐らく同じヒト科のアウストラロピテクスから枝分かれしたとのでしょう。脳容量は現生人類の半分ほどです(チンパンジーは人間の三分の一)。道具の使用は、ホモ ハビリスなら確実と言われているのですが、ホモ ハビリスは最大遡ると230万~140万年前にアフリカにいました。

 いずれに、しても数十万年前ということはありません。それなら、もっと人間に近い容姿でしょう。

 ところで、この映画が撮影された時は冷戦の真っ只中でした。アメリカとソ連が競って核爆弾を作っていた頃です。また、宇宙開発も盛んに行われていました。キューブリク監督は、道具あるいは、技術というものはそもそも「人殺しの道具として始まったのではないか?」と問うているのだと思います。もっとも、チンパンジーが道具を使用することは確認されていますが、それは食糧となるアリを巣から釣り出すための棒だったり、硬い木の実を割るための石だったりと殺しの道具ではありません。チンパンジーは、他のグループと争うと相手を殺すこともありますが、その時は素手です。

 しかし、科学技術にはつねに暗黒面が付きまとっているのは事実であり、人間は人殺しの道具もたくさん作りました。原子力の利用はまさに両刃の剣どちらに使っても効果は絶大です。とわいえ、出来てしまった技術はなくなりません、その中で安全に使用できるようにするだけです。日本では毎年5000人以上が自動車を原因とする事故で亡くなっていますが、まとめて大勢が亡くならない限りあまり気にならないようです。列車で100人が亡くなると大騒ぎですから、これも不思議なことです。毎年ほぼコンスタントに5000人以上殺す自動車と、滅多に事故はないが発生すると100人規模で死者がでる電車や飛行機ではどちらが安全なのか明白です。ですから、空港まで車で行って飛行機に乗る場合、一番危ないのは空港までのドライブです。飛行機に乗っている時ではありません。