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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ロルフ マキシミリアン シーベルトさんだけは覚えましょう-1

 放射線の単位は色々あって混乱の元になることがあります。私の場合、医療機器製造に携わっていますので、個人的興味もあって色々調べて理解するようにしてきました。今日は、その中で一番重要と思われるところだけを簡単にお伝えしたいと思います。

 放射線・放射能に関する単位には、キュリー、レントゲン、グレイ、ベクレル、レム、ラド等々多くの単位があります(いくつご存知ですか?)。その中でこれは覚えておいた方が良いという単位がシーベルト(Sv)です。また、日本の学界では線量当量などと「独自」の言い方をしますが、シーベルト(Sv)で覚えましょう、線量当量なんて誰も知りません。加えて、シーベルトは割りと大きな単位のため、通常は1/1000のミリシーベルト(mSv)や1/1000,000(百万分の一)のマイクロシーベルト(µSv)を使用します。福島原発の時はこれが混乱の元となりました。さらに、放射線を浴びる時間も問題になりますので、0.1Sv/h(1時間あたり0.1シーベルト)とか、1mSv/年(1年間の累積が0.1ミリシーベルト)のように書くこともあります。

 シーベルト(Sv)とは、単純に言いますと生体の被曝による生物学的影響の大きさを表す単位です。また、SI単位の1つですから、今後も使用されるはずです。単位の名前は、ロルフ マキシミリアン シーベルト(1896年5月6日 - 1966年10月3日)と言うスゥエーデンの物理学者の名前から取っています。放射線が人体に与える影響についての研究で知られ、特に放射線防護について大きな功績を残しました。その功績によって、国際度量衡総会は1979年に被曝線量当量の単位としてシーベルトを定義しています。

 話を戻します。日本語では線量当量と訳されていますが、シーベルトの方が一般的に使用されています、ですから、シーベルトで覚えてください。そのシーベルトとは、(放射線から受けるエネルギー)に線質係数を掛けたものです。日本の法令上は「グレイで表した吸収線量の値に通商産業省令で定める係数を乗じた値が一である線量当量(シーベルト)」と定義されていますが、これだけでは何のことだかわかりません。言い換えますと、放射線の種類によって人体に対する影響が異なるためA、B、Cと3種類の放射線があったとして、それぞれの放射線を同じ量だけ浴びても身体の与える影響は同じにはならないと言うことです。そのため、人体に対する影響をそろえるために、放射線Aは、2倍、放射線Bは、0.4倍、放射線Cは、0.1倍等と線量に係数をかけ算します(ここでは、適当な数値です)。
 余談ですが、日本初の臨界事故となった、株式会社ジェー・シー・オーの核燃料施設での事故では、亡くなった2名の作業員は瞬間的に5~20シーベルト(Sv)の放射線を浴びているはずです。(1999年9月30日の茨城県那珂郡東海村に所在する住友金属鉱山の子会社の核燃料加工施設で発生した事故です)。加えて、急性被曝による半数致死量(LD50 :"Lethal Dose, 50%"の略)は4.0Sv(亜致死線量)の場合、2~6週間で被曝者の50%に死をもたらします。さらに、6.0Sv(致死線量)では2週間以内に90%が死亡するとされております。

 一方、スポーツ新聞等を賑わすベクレルと言う単位ですが、これは何ともいえない単位です。科学的には必要です、しかし、この単位だけでは人体に対する影響は分かりません。ベクレルという名称は、ウランの放射能を発見しノーベル物理学賞を受賞したフランスの物理学者アンリ ベクレルの名前から取っています。かつては壊変毎秒(かいへんまいびょう)と言っていましたが1975年の国際度量衡総会でこの名称となりました。要するに1秒間に放射性原子が何個崩壊して放射線を出すかということです。原子1個で1ベクレルですから、どうしても数値は多くなります。そのため、一般の人を煽るのが好きなスポーツ新聞では「??兆ベクレル!!!」なんて書いて知らない人を驚かせてふざけている訳です。

明日に続きます。