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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

『マクベス』、私のナンバーワン悲劇-1

書評

マクベスシェイクスピアの4大悲劇の一つとして、『ハムレット』『リア王』『オセロー』と並び称せられています。そのうちでも、1番最後に書かれたもがマクベスであると言われています。最初に上梓されたのは、シェイクスピア没後の1623年に出た二折本全集においてです。また、上演の記録として明瞭に残っているのは、シモン フォーマンという占星術士の観劇記で、それによれば、フォーマンは1611年4月20日にグロープ座で『マクベス』劇を観たようです。

このことは次の事実と符合します。二折本の『マクベス』劇は、同時代の劇作家で『魔女』の作者ミドルトンの補筆があると推定されてをり、その『魔女』という作品は1609年から1610年にかけて上演されたと見る事ができます。すなわち、フオーマンがグロープ座で観た『マクペス』劇は、恐らく『魔女』の作者が手を入れた直後の初演のものだったということです。簡単に言いますと、マクベスは悲劇としては短すぎたのです。ですから、多少話を加えて長くしないと演劇にも適さず、本にもしずらかったのです。

原文で見れば、マクベスは2084行、シャイクスピア劇全作品中これより短いのは『あらし(テンペスト)』の2015行、『間違い続き』の1753行の2つしかありません。しかも両方共に喜劇です。また、この作品が悲劇として短か過ぎる事は、宮中期劇用基本である証拠とも考へられます。当時、宮中では一般興行よりも時間が限定されていたからです。

マクベス』を注意深く読みますと、話が飛んでいる部分があります。例えば、マクベスはダンカン王の殺害を決心しますが、それをマクベス夫人に打ち明けたのは何時なのでしょう。また、マクベス夫人の台詞によれば、気の弱いマクベスがどのような経路を辿ってその気になったのか、その辺りはすっぽりと抜けています。研究者の間では、もっと長い「元マクベス」があり、宮中で上演するために無理矢理一部を割愛したのが現在残っている『マクベス』なのであろうとされています。もちろん、これは推測です。

私は、シェイクスピアの作品中この『マクベス』と『コリオレイナス』が一番好きです。また、最も密度の高い凝集力を持っている作品はマクベスであると考えています。その圧縮された詩的表現は、作中の曖昧な表現の部分をを超えて、読者や観劇者を統一した劇的発展の中に否応なく引きずりこんで行く力があります。主君を裏切り殺すと言う倫理的問題を取り扱いその中で懊悩するマクベスに作者であるシェイクスピアは、美しい台詞をふんだんに与えています。

 

明日は、その美しい台詞の数々を紹介します。

 

言い訳。

私はウルトラブックやスマートフォンも持っていません。出かけるときは、iPadminiとEMのルータを持って出かけます(携帯電話も)。ここの所、外出が多くて会社にいないのですが、電車で移動するためブログの閲覧とコメント欄の書き込み、☆マークを付けるぐらいはできます。しかし、長い文章を書くことができないのでブログの更新が少し遅れることもあります。