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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

技術士口頭試験対策-準備編・4(総合技術監理)

資格・試験

総合技術監理部門、略して「総監」とは何でしょう。技術士のことに詳しくない方にこれを説明するのは骨が折れます。もっともたいていの場合は、「専門技術者を管理するマネージャーの能力を試される試験です」と答えて何となく納得してもらっています。

技術士を目指している方ならそこは必要ないでしょう。ようするに、日本技術士会が作り上げたオリジナルのマネジメント技術部門が総合技術監理部門です。マネジメントなら何でも良いのではありません、日本技術士会が平成16年1月に発行している、『技術士制度における総含技術監理部門の技術体系』-(第2版)が基準になっています。これ以外に総監部門の理論的根拠はありません。この本は、表紙が青く、また本の題名がやたらと長いため通称「青本」と呼ばれています。寿限無寿限無(じゅげむじゅげむ)ではありませんが、『技術士制度における総含技術監理部門の技術体系』なんて長い題名の本はあまりないと思います。ただし、サブタイトルはありません。

総監部門の試験では、この青本が採点基準です。筆記試験も口頭試験も同じです。ですから、青本の中から試験に必要と思われるところを上手く抽出して頭に入れることが試験の準備として必要です。その肝心なところは青本のどこでしょうか?それは、第一章です(1.~1.6まで)。

≪目 次≫

1.      総合技術監理の要求内容と技術的体系

1.1     総合技術監理に要求される機能

1.1.1   技術士法

1.1.2   技術者継続教育

1.1.3   技術者倫理

1.2     総合技術監理の全体構成に関する基本方針

1.3     総合技術監理における総合管理技術

1.3.1   総合管理技術としての総合的品質管理

1.3.2   総合管理技術としての管理会計

1.3.3   総合管理技術としての意思決定論

1.3.4   総合管理技術としてのリスクマネジメント14

1.4     問題解決法

1.5     PDCAサイクルとスパイラルアップ

1.6     プロジェクトマネジメント

 

以下は、章立てのみ。ここから下の範囲は択一試験に必要な試験範囲であり、口頭試験にはあまり関係ありません。しかし、試験委員によっては突然この中から質問してくる人もいますので軽くおさらいする程度に青本を読んで下さい。筆記試験の時は勉強したと思いますが、あれから3~4ヶ月経っていますから微妙に忘れている頃です。

 

2.  経済性管理

3.  人的資源管理

4.  情報管理

5.  安全管理

6.  社会環境管理

7.  総合技術監理と国際動向

経済性管理は21頁から始まります。最後の国際動向は220頁で終わりますから、知識として記憶しなければならないところは、全部で200頁です。しかし、第一章の全18頁は記憶するのではなく理解して下さい。理解のポイントは、

  • 総合技術監理が必要とされる背景
  • 総合技術監理の範囲
  • 総合技術監理に要求される能力とその養成

この3つです。

順番に説明しましょう。

総合技術監理が必要とされる背景

科学技術の発達により人々が享受する恩恵は、日々の生活の中に浸透している。しかしその一方で、科学技術の巨大化・総合化・複雑化が進展しており、その発達を個別の技術開発や技術改善のみによつて推進することは難しい状況になりつつある。つまり、科学技術の発達を推進する業務は一部の専門家のみによつて完結するものではなく、さらに言えば科学技術は単独でその有効性や価値が生じている訳でもなく、企業などの組織活動が技術の有効性を発揮するための大きな基盤となっている。また、それに伴って事故や環境汚染などが発生した場合の社会への影響も、従来に比して遥かに大きなものとなっている。

 青本2頁の冒頭部分です(太字によるハイライトは匠による)。

 

 要するに、科学技術が発達して人々は日々の生活の中で大きな恩恵を受けている。しかし、それが元になって万一の場合は多大な負の影響も大きくなってきている、と言うことが総監部門設立の背景です。

では、2番目の総監の範囲を説明します。

目次のところにありますが、総監には5つの管理分野が決められています。これは別に5つでなくても良かったのですが日本技術士会は5つの管理部門と決めました。それが以下です。

2章.  経済性管理

3章.  人的資源管理

4章.  情報管理

5章.  安全管理

6章.  社会環境管理

これにおまけのように、総合技術監理と国際動向という箇所が加えられていますが、本当におまけのようなものです。ISO9000や14000を代表とする国際規格をある程度記憶しておけば問題ありません。この5章プラス1章が総監の範囲です。これ以外はありません。どうして無いのかと考えても仕方がありません、技術士会がこのように決めたのです。ちなみに、品質、コスト、納期のQCDは全て経済性管理の中に入っています。ですから、経済性範囲の中だけで相反する管理項目が出て来ます。

最後に、総合技術監理に要求される能力とその養成ですが、ここはまさに、口頭試験でアピールすべきところです。ここに書いてある能力があれば試験に合格なのです。それは、なんでしょうか?

それは、青本の3頁中段ぐらいのところにあります。『業務全体の俯隊的な把握・分析に基づき、前述した5つの管理などの広範囲にわたる技術業務全般に対する総合的な判断を行うとともに改善策の策定を行える能力である』(ハイライトは匠)。

これからわかるように、部分最適の考え方はダメです。全体を把握して総合的にプラスとなるように考えて下さい。言い換えると全体最適化、トレードオフの考えが総監の元になっています。

青本の第一章は、2頁~19頁までの18頁しかありません、ほとんど図だけの頁も2頁ありますから、実質は16頁です。私は、試験前の10日間(主に、正月休み中)一日10回、合計で100回ほど音読しました。時間はたいして掛かりません。ぜひ、やってみて下さい。10日集中するより、3日、3日、4日と分散した方が良いかもしれませんが、これは人によりますからご自分で判断して下さい。

今年の総監試験筆記合格者は、申込み者4257名、合格者488名、筆記合格率11.5%でした。昨年ベースで考えれば、488名の筆記合格者から口頭試験に合格する人は400名ぐらいでしょう。落とす試験ではありません、第一章を理解してぜひ合格して下さい。