takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

中国の炭坑で縦坑への流水、19人の作業員が死亡

2000年(平成12年)11月13日、中国四川郡、Dafa 炭坑の縦坑が流水によって水であふれ埋ってしまった。炭坑は、Provincial Labor Reform Bureau によって運営され、囚人が坑夫として強制労働を強いられていた。安全対策は何にもないような作業環境で19 人の炭坑夫が死亡した。

経過

通気の確保、ガス、粉塵、自然発火防止という安全対策上、重要な問題が適切に管理されていない。炭坑を運営する礦務局では、「炭坑は罪人を更生・教育する場所」であるとし、地方の企業に炭坑を賃貸し、囚人の労働を売却する形で、炭坑は個人企業に全面運営させていた。坑夫として働く囚人は裁判の必要のない 3 年未満の拘束刑を執行され、労働による再教育を課せられているが、政府はこれらの礦務システムを刑務所とは考慮しておらず、人権及び規律は政府によって管理されていない。こういった状況の下で 24~27人の坑夫が縦坑から石炭を掘り出す作業をしていたところ、4000~5000立方メートル(50メートルプールで2~3杯分ぐら)の水が流入して、縦坑を埋め始めた。坑夫 数名が流水を逃れ、縦坑から脱出したが、19 人が逃げ切れずに水に呑まれ溺死した。

原因

安全対策が不適当であった。中国には南部地域だけでも数千の小規模炭坑があり、個人によって運営されているものもあるが、何れも安全対策よりも生産性を重視する傾向にあり、安全対策が最小限又は皆無である。

対策

政府は炭坑の安全な運営を監督するため、8 グループの監査役員によって安全性についての監査が終了するまで、小規模の炭坑が閉鎖された。

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略して転載しました。

 

「坑夫として働く囚人は裁判の必要のない 3 年未満の拘束刑を執行され、労働による再教育を課せられている」と言うところは、すごいと言うか中国らしいですね。ただし、中国の刑罰に関しては詳しくないのでデータベースの記事をそのまま信じるしかありません。

しかし、中国では人身売買はもちろん、売春、横領などでも死刑になることがあります。その中国で「裁判無しで3年以下の拘束刑」になるのはどんな犯罪なのかと考えてしまいます。そもそも、裁判がないとは現行犯なのでしょうか?でも現行犯だって、勘違いの場合もありますから、現行犯なおかつ自分でも犯行を素直に認めた場合なのでしょうか?もっとも、犯罪者は犯罪者なのだから、自業自得だと言う人もいるかもしれません。しかし、世界のほとんどの国では「炭坑は罪人を更生・教育する場所」と考えていないと思います。

中国は、世界最大の石炭産出国であり、かつ安全対策を行わない国として有名です。上記2000年では、中国全土で5,000人が労災事故で亡くなったと政府が発表しています(炭坑だけでです)。また、2005年には3,341件の事故により5,000人以上の労働者が亡くなったと発表されています。2005年の事故に関連して処罰された責任者も200名を超えたということです。3,341件の炭坑事故で、死者5,000人と言うのは少なすぎです。死者5,000人以上というのは50,000人かもしれません。世界の炭鉱事故死者数の80%は中国での事故によるものです。また、炭坑で働く人の半分以上は漢民族以外の人達だと言う話もあります、恐らく本当の話でしょう。

私が、中国人エンジニアから聞いた話では、火力発電所の建設作業員でさえ、わらじのような靴で作業をしているとのことでした。大昔の話でありません、数年前のことです。労災保険なんてありませんから、怪我をしたらそれで終い、強制的に故郷へ送り返されます。それでも、上手く行けば故郷の農家で働くよりも収入が多いから出稼ぎに行くのでしょう。もっとも日本だって戦前はそうでした、しかし70年以上前の話です。