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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

エドモンド フィツジェラルド号の嵐による難破事故

航空機・船舶の事故

1975年(昭和50年)11月10日、米国ミシガン州とカナダのオンタリオ州の間のスペリオル湖(五大湖の1つ)ホワイトフィッシュ ポイントから約17マイルの航路で、エドモンド フィツジェラルド号は行方不明になった。ウィスコンシン州スペリオルを出発し、ミシガン州デトロイトへ向かう途中、強風、雪、高波の中難破したようである。11月14日に湖底に2つに割れた船体が発見された。

経過

1958年6月に初めてデトロイト川の水上に置かれたエドモンド・フィツジェラルド号は、その時代では最大の湖上の運搬船であった。1975年11月9日、エドモンド・フィツジェラルド号は26,116トンのタコナイトを積んで出港した。1969年の安全基準より約1mほど深く沈み、通常よりデッキが水面に近い状態であった。強風警報が出ていたにも関わらず、エドモンド・フィツジェラルド号はウィスコンシン州スペリオルを出発し、ミシガン州デトロイトへ向かった。10日未明、強風がさらにひどくなり、航路をスペリオル湖北岸沿いに変更し、エドモンド・フィツジェラルド号の後を続いていたアンダーソン号にもそのように告げた。波の高さは3メートルを超え、強風がさらにひどくなり、雪が降り始めた。約16マイル離れていたアンダーソン号から、エドモンド・フィツジェラルド号は見えなくなった。その後アンダーソン号にエドモンド・フィツジェラルド号から連絡が入り、船の上部等が損傷し、2台のポンプを使って水をくみだしていることを告げた。午後4時30分、エドモンド・フィツジェラルド号はレーダーをを失い、目的地のホワイトフィッシュ・ポイントの位置を確認できなくなった。午後6時には波が7mを超える高さになっていた。午後7時10分、アンダーソン号はエドモンド・フィツジェラルド号の約9マイル先に船があることを告げた。その後エドモンド・フィツジェラルド号との通信が途絶え、エドモンド・フィツジェラルド号は雪の中、アンダーソン号の視野から消えた。アンダーソン号は捜索にでたが、空の救命ボートのみが見つかった。11月14日、ホワイトフィッシュ・ポイントから約17マイルの湖底でエドモンド・フィツジェラルド号が発見された。船体はねじれ、2つに割れていた。

原因

直接の原因は嵐である。通常より多い荷を積んで、安全基準より約1メートル沈んでいたため、浅瀬で船体が湖底に接触したのではないかと言われている。また、高波が船体の前後の両端を持ち上げ、そして別の波が横から船体に体当たりし、船体が破損したのではないかという説も唱えられている。また、カーゴのハッチから水がはいりこんだという説もある。

対処

嵐がひどくなってきた際により安全であると思われる航路に変更した。船が損傷した際に、ポンプを使って水をくみだしたり、 後に続いていたアンダーソン号に助けを求めた。アンダーソン号はエドモンド・フィッツジェラルド号を探し始めた。救命ボートなどが使われていない様子から、船は約10秒程の間に沈んだのではないかといわれており、その間には救命作業はできなかった様子である。事故を事前に防ぐための対処としては、75年春に年次検査が行われていた。同年10月にカーゴのハッチに多少の支障がみられたが、すぐに修理の必要がないと判断された。

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから、省略して転載しました。

 

 

浮沈の船といわれたタイタニック号同様、自然を甘くみて警報などを無視したり、安全基準を守らないでいると、取り返しのつかない事故につながることがあります。

エドモンド フィツジェラルド号は、1958年(昭和33年)6月8日に製造された、アメリカの貨物船で、当時は最大の貨物船でした。その全長は、222メートル、積貨重量は26,660トンの大型船です。

1975年11月10日、強風、雪の中スペリオル湖を航行中に突然行方がわからなくなり、その後湖底で2つに割れた状態で沈んでいるのを発見されました。五大湖史上最悪の事故として、その名を語り継がれています。

当時湖上最大の頑丈な船といわれ、少々の嵐や多少の過負荷には影響されないだろうという浅はかな考えが潜んでいました。強風警報などを無視していましたし、安全基準を無視して重量オーバーになっていたようです。10月の検査でカーゴのハッチに損傷があったにもかかわらず、すぐに修理をせずに船の使用を続けたことも後でわかりました。現在の基準ではあり得ないと思いますが、40年前ではこれでも許されたのでしょう。

エドモンド フィッツジェラルド号の船体および船員の遺体はあげられず、今も湖底に沈んだままです。

ゴードン ライトフットという米国の歌手が「エドモンド・フィッツジェラルド号の難破」という歌をうたい、1976年に流行しました。歌詞には、その船がアメリカのプライドであること、その時の自然状況や事故の様子などが歌われているのですが、実際の事故の様子は誰も見ていません。これも、今の日本なら不謹慎と批難される恐れがあります。

それにしても、長さ200メートル超、横幅25メートルを越える船がねじ切れて真っ二つになったというのは異常な事故です。設計そのものか、製造工程に大きなミスがあったと考えられますが、今となっては分りません。

話しは変わりますが、米国の5大湖は世界最大の淡水系で総面積はおよそ255,000平方キロメートルです。上記事故があった、スペリオル湖はその中で最大の湖であり、北海道の総面積より少し大きいくらいです(82,200平方キロメートル)。ちなみに、日本で最も大きい湖は琵琶湖ですが、それでも670平方キロメートルしかありません。やはり、北米大陸は大きいですね。