takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ネアンデルタール人が歯科治療?

時々見ている、ナショナルジオグラフィック ニュースに面白い記事があったので、今日は脱線。

 

知能が未発達と考えられているネアンデルタール人だが、少なくとも歯の衛生に関しては違ったようだ。食後は楊枝(ようじ)を使っていた可能性が高い。

スペイン、Institut Catala de Paleoecologia Humana i Evolucio Social(IPHES:人類の古生態学と社会進化のカタロニア研究センター)のチームによれば、数万年前に絶滅したネアンデルタール人は、楊枝で食べカスを掃除しながら、歯周病の痛みも和らげていたという。 

この習慣は、槍の使用より前に始まっていた可能性が高いと研究者は考えている。 

今回の研究では、痛みを緩和する目的で楊枝を使用した最古の証拠が示されている。スペイン、バレンシアのコバ・フォラダ(Cova Forada)遺跡で発掘された頭蓋骨の上あごには、化石化した歯が残っていた。5万~15万年前の頭蓋骨と推定されている。

 

~中略~

 

今回の研究が注目されているのは、ネアンデルタール人が楊枝を別の目的で使っていたことを示唆している点だ。スペインで発掘された化石には、紛れもない楊枝の跡とともに、歯周病の証拠が残っていた。 

ロザノ氏らは、歯のお掃除だけではなく、歯周病による痛みや炎症を緩和する目的で楊枝を使っていたという仮説を立てた。 

「骨が溶けるほどの重症の歯肉炎だ。不快感や痛みは相当なものだったのだろう」とロザノ氏。「歯間ブラシのように楊枝を使うと、いくらか痛みも和らいだはずだ」。 

研究論文は、「歯肉炎を緩和するために植物から作った楊枝を使う行為は、基本的な歯科治療の一種と考えられる」と主張している。 

 

~中略~

 

今回の研究結果は、米オンライン科学誌「PLOS ONE」に10月16日付けで発表された。 

 

 ネアンデルタール人は、私達の祖先ホモ・サピエンスと一時期は共存して生きていたヒト科の生物です。若しかすると異種交配を行っていた可能性もあり、DNAの面で考えると私達ホモ・サピエンスに最も近い生き物だったのでしょう。もちろん、現在は地球上のどこにも存在しませんから、邪悪な侵略者である私達の祖先に滅ぼされた可能性はひじょうに高いと思います。

ネアンデルタール人だけではありません、大型鳥類のモア、ドードー、日本トキは間違いなく人類が絶滅させています。また、マンモスから始まって大型の牛オーロックスや大型の鹿であるオオツノシカ、大型ナマケモノ一種であるメガテリウム等の大型哺乳類は全てホモ・サピエンスの食料となり絶滅していると考えてよいでしょう。

ホモ・サピエンス10万年の歴史の中で他の生物との共存を考慮するようになったのは、せいぜいこの100年、全体で見れば1000分の1の期間しかありません。この過去に行った罪に関して心から反省することはできませんが(できると言えば嘘になります)、地球は人間だけのものではないことは自覚しています。ですので、私は、スズメバチの巣などを簡単に駆除することには反対です(会社の裏側にキイロスズメバチの巣ができた時は1シーズン放っておいたのですが、次の年にはいなくなりました)。

もちろん、危険な時は排除しなければならないでしょう。しかし、生物間の食物連鎖は人間が簡単に予想できるほど単純ではありません。何でも、殺してしまえと考えていると思わぬところでしっぺ返しがあります。種としての人類を守るためにも、他の生物との共存を考えましょう。